19話
天宮に決闘を申し込まれた日の夜。昧がど〜しても私の寮でお泊りがしたい。とのことで部屋に上げていた。
「ふおぉー！！巫女舞桜だよ！巫女舞桜！久しぶりに見たっ！！」
日常で着ることの無い巫女装束を半ば強引に着せられた…。
この服目立つから家の中か戦闘でしか着ないんだよなぁ。
ちなみに戦闘で着る理由は防刃、防弾性の物であり、昔から着ていたので戦いやすいからだ。
日常的には制服を着ている。…というか、他の服ないし。
昧は「オシャレしようよ！」と言ってくるのだが正直オシャレはよく分からない。
「…というか、何で着なきゃいけないの？」
「そりゃ可愛い舞桜を見たいからだけど？」
当然でしょ？という顔をする昧。
「ねー？天狐ちゃん！」
「きゅきゅー！」
その通り！と言いたげに鳴く天狐。
何で私がおかしいみたいな空気になってるんだろう…。
と軽く首を傾げたとき
カシャッ！と小さなシャッター音のような音がした。
しかし何処にもカメラらしきものは見当たらない。
気のせい…かな？
「どうしたの？」
キョロキョロしていた私を不審に思ってかそう聞いてくる。
「いや、ちょっと音がした気がして…」
思えば昧の方から音がしてたような…。
と思い昧をじっと見てみると胸元に黒いレンズのようなものが一瞬光に反射されて見えた。
…うーん。気のせい。気のせいということにしておこう。
昧ならたぶん変なことしないだろうし…。
ふと時計を確認すると20時を回っていた。
「もうこんな時間か…。昧今からご飯作るけど何か作って欲しいものある？」
「舞桜が作るのなら何でも！」
何でもが１番困るんだよなぁ。
こういう時何にすればいいかわからなくて聞いてるのにその回答としては不適切だよね？
後、何でもいいとか言いながらやったらやったで文句言う人とかいるし！
心の中がそんな愚痴を呟きつつ何があるのか確認するため冷蔵庫を開ける。
「うーん。ルー余ってたはずだしカレーにでもしようかな。昧もそれでいいよね？」
少し大きめの声でリビングにいる昧に聞こえるように言う。
「うん！舞桜カレー楽しみ！」
と喜んでくれる。
30分ほどしたあと、全員分（天狐用に小さい器にいれた）カレーをリビングへ運ぶ。
「きちんと煮込めてないから味が薄いかもしれないけどどうぞ」
「わーい！」
「きゅきゅ〜！」
２人（1人妖怪だけど）とも嬉しそうに食べてくれる。
「んんー、相変わらず舞桜の料理美味し〜！」
「気に入ってくれてよかった。食べ終わったら台所に置いておいてね」
「はーい！」
という昧の返事を聞いた後ささっ、とカレーを食べて先にお風呂に入る。
