102話
次の日
「転校生のアリス・リーファ・クメシュだよ!よろしくね~」
えへへ~とはにかみながら敬礼をしてそう言うアリス。
「ちっちゃくて可愛いっ!」
というクラスの女子の声。
…監視役と言っていたから察してたけどこのクラスに転校してくるのか。
つい先日漣が転校してきたばかりなのに怪しまれないのかな?
というか、部屋を同室にするのに加えてクラスまで揃えるとか権力の乱用でしょ。
やれやれと心の中で呆れる私。
「ってことだみんな仲良くしてやれよ」
「はいはーい!アリスちゃんはどこから来たの?」
ルキナ先生の言葉を皮切りに質問攻めが始まる。
「巫学校って言って巫女さんがよくいく学校にいたよ。でもでも、校則が厳しくてさ…大変だったんだぁ」
ガックリと大袈裟に肩を落としてみせるアリス。
「じゃぁアリスちゃんって巫女さんなんだ!占いとかできるの?」
「見習いだけどね。占いはできるというか得意だよ!」
えっへんと胸を張るアリス。
そんな姿のアリスを見てワナワナと怒りに震えている眛。
主に1点を見つめて…。
「なんであんなに小さいのに胸があるんだ…神様は不平等だよ…」
とかぶつぶつ言っている。
実際、アリスの占いはかなり当たる。大体7割位だろうか?詳しい数字はさすがにわからないけど…。
「ホームルーム終わるからそこまでな。ほら、とっとと座れ」
女子に占いを行っていたアリスがそう言われて止められる。
「えぇ~」とブーイングが飛んだのだが
「あぁ?文句あるなら指導するぞ?」
という一言で全員黙った。
教師が脅しっていいのかな…?
などと苦笑してしまう。
というか、漣のときとは違って大盛り上がりだ。
もちろんアリスが女子というのもあるだろうが、こうして人に気に入られるのは得意な方だからだろう。
私からすると少し羨ましいかも。潜入調査とかで使える特技だし。
まぁ、アリスは目立ちすぎるところがあるから潜入って話になると別かもだけど…。
そんでもってアリスはたまたま空いていた私の前の席に座ることになった。
「よろしくね~まおりん」
「はいはい」
朝からよくもまぁこんなに元気でいられるよね。
眛にいたっては昨日の件を引きずっているのかアリスに向かってあっかんべーしてるし…ほんと懲りないなぁ。
とそんな感じでいつもとは少しだけ違った朝が過ぎていった。