101話
そういいながら立ち上がり服を見せつけるようにくるん、と一回転してみせる。
一応食事中なんだけど…。埃が舞うでしょうが。
と心の中で思う。
「えへへ、いいでしょ。こだわりはここ!こここにちょっとだけパニエをいれてふんわりと浮かせることで柔らかい感じにしてるんだよ!ついでに歩きやすいし、身体のライン隠せるし」
そう言って袴部分を指差すアリス。
確かにアリスの言う通り巫女装束の堅苦しいイメージが薄れている気がする。
…まぁ、それを言い出すのならフリルだらけでほとんど原型なんてないのだが。
「というか、その巫女装束もしかしてとは思ってたけど手作りなんだ」
「まおりん!これはただの巫女装束なんかじゃなくって巫女装束白ロリータ風だよ!」
プンプンと怒るアリス。
…なにその料理名みたいなの?
「なんつうか、お前の周りって変なやつしかいないのな。類は友を呼ぶってやつか…」
「しみじみとした雰囲気出してるけど君も変なやつ枠に入ってるからね?」
「舞桜!私は!私は普通だよね!?」
と眛が食いぎみに聞いてくる。
…あえてなんも言うまい
「ねぇ!目をそらさないでよ!?」
「というか、私を待ってたっていってたけど外でもその服着てたの?」
「まおりんバカなの?こんな服外だと目立つだけでしょうが。さすがに別の服着てたよ?着替えたのはまおりんのためだし」
それもそうか。悪目立ちするだけだもんね
「んで、アリスだっけ?なんで急にここに来たんだ?しかも、舞桜がちょうど退院したこのタイミングで」
「れんれん邪推しすぎだよ。アリスが来たのはまおりんの監視のため。と言っても形だけだけどね。んで、今日来たのはたまたまでしかないよ?転校の手続きが終わったから今日来ただけだし。
まぁ、まおりんが思いのほか帰ってこないでどうしようかと思ってたところはあるんだけどね」
やれやれ、といった様子でそう言うアリス。
それを聞いた漣はチラリ、と私の方を見たあとに
「そうか。悪かったな。ちょっとトラブルがあったせいで敏感になってんだ」
と素直に謝った。
私を見たのは嘘がないかを確かめたかったからだろう。
そんなたわいもない会話をしながらあっという間に時間が過ぎていった。