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5³㎤の転移無双  作者: 清白
第1章 少年期

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第8話 別れ




 大蜘蛛を倒してからから数年の月日が流れ、10歳の誕生日まであと10日になった。


 相変わらずな日々を送っているが、毎日素振りをした結果振り下ろした剣にはかなりの体重が乗り威力も出るようになった。

同じくベイルも威力は増したが、熊の獣人なこともあってか体格は大きくなり、その身体から繰り出される振り下ろしは俺の比じゃない。

元々身体の小さい頃に、どんな攻撃をしてもダメージを与えられない魔物を見てとにかく当たればダメージを与えられることを目的としていたのだが今のベイルの振り下ろしはウサギの魔物ぐらいなら当たれば即死だろう。

充分な威力になってからもベイルの性に合ったのか練習はずっと続けている。


 リンは料理にはまっていた。

ミー姉に教えられながら作る料理はどれも美味しく、どっちが作ったのかわからないほどだ。

もちろんすでに俺の知識では教えることもなくなり、手伝うことすら少なくなっている。


 そのミー姉だが、明日寮を出る。

もちろん母親と一緒だ。

母親の契約期間が終わりお店を卒業するのだ。

ミー姉ももう14でこちらの世界では大人だがこのスラムでいきなり一人で生きていくのも難しい。

母親は今のお店のオーナーの伝手で王都の飲食店に移る、それについて行きミー姉も一緒に働くようだ。

借金を返し続けたここでの生活とは違い稼ぎは自分のものになる。

お金を貯めてミー姉の食堂を始める資金にしたいと言っていた。

本人に言うと断るだろうから内緒にしておいてとミー姉の母親に言われている。


 そして俺も10日後の誕生日(正確には生まれた日じゃなくてここに来た日だが)にここを出て王都で冒険者になるつもりだ。

大蜘蛛を倒した後の巣を拠点にしてあの後も探索を続けた。

数年の間に森のかなり奥まで探索できているはずだ。

魔物の肉を売ったお金で布団や家具を買い巣の入り口側の一室は自分の部屋としてかなり居心地はよくなっていた。

一番奥の蜘蛛がいた部屋とその手前の2部屋は冷凍室になっており倒した魔物を保管している。

相変わらずやってることは大蜘蛛と同じだ。


 すでに魔物を倒しても肉は食べきれないぐらいある。

あまり大量に売るのも変な噂になるのでできない。

売るとしても大量を正規で売ると、この年だと出所を怪しまれる。

そんなことで安く買い叩かれるが出所を詮索されないようなところで売るしかないのだ。


 それでもミリアが売ったお金で買ったものを受け取ってくれないのでできるだけ売らないようにしている。

「自分で狩ったのだから自分のことに使いなさいよ」と言うのだが自分だけあの寮の中で豪華な暮らしをするのはさすがにはばかられる。

それで柔らかい布団だけ買ったのだ。

一緒に寝ているのでミリアも一緒に寝ることになる。

これには文句も出なかった。

同じものをもう一組買い、大蜘蛛の巣の自分の部屋にも持ってきている。

王都に行ったらさらに居心地の良い部屋にしたいと画策している。


 スラムにいたらわからないがどうやらこの世界もそこまで生活レベルが低いわけではないようだ。

電気の代わりに魔石や魔力を使っているので安定しないし高額だが火の魔石のコンロやストーブ、風の魔石の扇風機、水魔法を使った水の出る蛇口、などいろいろとある。

複雑な機械で作るわけじゃなく魔力の威力や方向を指定するだけなので前世のものよりつくりは簡単だ。

ただし魔石がなければどうしようもないので希少な魔石を使うほど高価になっている。

寮にあった火をつけるライターのような魔石と同じサイズの魔石でもコンロに使う出力の強い魔石だと高価なのだ。

王都に行って冒険者になれば魔物の素材や肉も売りやすくなって色々手に入れられるだろう。


 冒険に必要なものや戦利品の魔石なども大蜘蛛の巣に置いている。

全部マジックバッグに入れておいたらいいと思っていたのだがやはり容量があるようで森の奥に進むほど大きくなる魔物が入らなかったら困るのでその日に必要なものをマジックバッグに入れて行動している。

それでも500キロほどは入るのだが。


 魔石は大蜘蛛ほどの大きさのものだけで20ほどあるし、小さなものは100を越えている。

属性付きの魔石もあるので冷蔵庫のようにこの先色々と作りたいものもある。


ちなみに氷の属性の魔石の小さな片割れで寮を出て森に少し入ったところの洞穴に冷凍室を作った。

入り口を土や草でカモフラージュし、中に魔物の肉などを入れている。

寮に冷凍庫あったら他の人に見られたら何を言われるかわからない。

それほど冷凍庫というのは珍しい。

冷凍庫というよりは冷凍の属性の魔石が珍しいのだが。

もちろんミー姉やリンはその冷凍室を使っている。


 そして明日出て行くミー姉母娘と、ついでに10日後の俺のために今夜は送別会が行われていた。

いつもより豪華な料理をリンが作り多くの肉料理が並んでいる。

もっとも半分ほどはミー姉が自ら作った。

王都に行ったらここほど魔物の肉も食べられないし最後に好きなものを目一杯食べたいから自分で作る、だそうだ。

作ったリンと大きくなったベイルは楽しそうに料理を食べている、体は大きくなってもあの頃と同じように仲がいい。

お酒を飲んでいる大人の横で14歳になって大人の仲間入りをしたミー姉も舐めるようにお酒を味わっているようだ。

結果は顔をしかめて大人たちに笑われることになっていた。

大人たちはいい感じに酔ってきたようでそこから抜け出たミー姉が俺の横に来る。

それと入れ替わりのように横にいたミリアが大人たちの輪の中に入っていった。


 「何であんなのが美味しいのかしら?訳わかんないわ」


 「俺もそう思うよ、みんな仕事でも飲んでるのにな」


 そう答えて少し無言になった。

何か言いたそうなので少し待っていると思い切ったように口を開く。


 「ありがとうね」


 「何が?」


 「ここに来てから色々教えてくれたでしょ?魔物からは助けてくれたし魔物の肉も手に入れてきてくれるし・・・何より私の将来の夢を与えてくれて」


 「こっちこそ、仲良くしてくれて嬉しかったよ」


 「私はそれ以上に感謝してるの。ティルがいなかったら美味しくない料理を作り続けて何も目標もなく生きてたと思う。未来がこんなに楽しみになったのはティルのおかげよ」


 「そんなこと言ったら俺だって、こんなに仲良くしてくれた人たちは初めてだったから。自分が間違ってなかったかもと思えるようになったのはミー姉たちのおかげだよ」


 「私の方が・・・ってそんなこと言い合っても仕方がないわね。何しだすかわからない危うい弟みたいな気持ちもあったけどね」


「それこそこっちもだよ。教えたらすぐに何でもできるようになるけど口の悪い妹みたいに思ってたし」


 「だから何で妹なのよ?お姉ちゃんでしょ?」


 「年齢より精神的なものもあるしね、妹だね」


 そんなことを言い合って目を見合わせてお互いに笑った。

こんなやりとりも何百回としてきたが当分はないのだと思うと寂しくなる。


 「ティルも王都に来るんでしょ?まだどこの何ていうお店で働くのかわからないけど訪ねてきてよ」


 「そんな情報の無さで探し当てるのは難しそうだけど・・・王都がどんなところかわからないし」


 「確かにそうね、じゃあこうしましょう。『食堂ミー』って名前でお店出すわ。それならティルにもわかるでしょ?」


 「へぇ~、10年後ぐらいかな?」


 「なるべく早く独立したいわね。5年・・・いや、3年」


 「どんなところかもわかってないのに言うね。了解、見つけたら必ず行くよ」


 「今よりもっと腕を上げて美味しいもの食べさせてあげるからね」


 楽しそうに笑って言うミー姉、未来が楽しみで仕方がないという感じだ。

だけど本当に料理は上手くなった。

金品は受け取らないが食事に出すとみんな喜んで食べてくれるので裏で売った魔物の肉や素材はほとんど食べ物や調味料に変わっている。


 1年ほど前などは砂糖が大量に手に入ったのでうろ覚えのケーキのレシピから何度も失敗したあげくにイチゴのショートケーキを作り上げたのだ。

今日も出ているがかなり評判がいい。

生クリームはだいたい同じレシピだがイチゴはイチゴっぽい果物、何よりフワフワのスポンジを再現したのは凄かった。

これだけで王都でもお店ができるんじゃないかと思う。

砂糖がそれなりに高価なものなので値段もお高くなりそうだが買う人は多いだろう。


 デザートなら他にもチーズケーキやプリンなども作っている。

もちろんそれ以外にも唐揚げやシチュー、タマゴサンドにカツサンドなどのサンドイッチ類、ハンバーグに魔物のカツにとどうしても肉料理がメインになるが多くのものを作っている。

そしてそれを多めに作ってもらってマジックバッグに常備していた。

何しろマジックバッグは時間がたたないので出来たてのまましまっておけるので便利なのだ。

パンに挟むと言うことも文化としてなかったので驚かれたが食べやすくて美味しくて好評だった。


 森で何かあったりしたときのため、と思っていたのだが結局そんなこともなく森の奥などで間食として味わったりしている。

もうミー姉の料理は増えないがこの先はリンが作ってくれることにみんなも期待しており本人もやる気満々だ。

裏山の冷凍庫には転移の魔石がおいてあるので離れててもたまに補充するつもりだ。


 当分会えないと思うとやっぱり寂しい。

俺のここでの生活にはミー姉はずっといたのだ。


 「寂しくなるね」


 ふとそんな言葉が出た。


 「私に会えなくて寂しいのはわかるけど泣かないでね」


  憎まれ口をたたくが目が潤んでいるのでその気持ちがわかるのだろう。

少し言葉が途切れた・・・かと思うとミー姉がイスから立ち上がり、俺を抱きしめる。

ドキッとしたがされるがままになる。


 「本当にありがとうね」


 「うん・・・こっちこそ」


 抱きしめた腕を離し、涙がたまったままの目で俺を見る。


 「人族っていうだけで嫌いにならないですんだのはティルのおかげだよ」


 「それは嬉しいかな」

 

  スラムでは平民よりは獣人の差別はまだ少ない、獣人が多いので無視などすれば生活ができないからだ。

だけど『俺はスラムに住んでいるがスラムに住む獣人よりはマシ』みたいな考えの人族も多い。

やっぱり仲良くなるのは人族同士、獣人同士が多かった。

子供のうちは気にしなくても成長するにつれてそういう考えに変わる者もいる。

ミー姉がここに来た頃に仲良くなった人族の近所の友達は今では話すらしないそうだ。


 この問題を考えるたびにこの国をぶっ壊したくなる。

もちろん妄想の中でだけなのだが。


 ベイルとリンがこっちに来た。

その後はお開きになるまで4人で今までのことやこれからのことを長い間話し合った。

途中からみんな涙が止まらなくなっていた。


 そろそろお開きに、と言うことでみんな部屋に戻る。

片付けぐらいは俺の役目だ。

かなりの量があったのだがほとんど食べ尽くされているのが凄い。

少し残った物をまとめて誰かが来たら食べられるように置いておく。

お皿を洗ってテーブルを拭くぐらいだ。

その後部屋に帰ったらいつものようにミリアにおいでおいで、とされて壁にもたれるミリアの前で後ろから抱きしめられながら話をする。


 「仲良くしてたわね~、あそこで2人でこっそりと消えたりしなかったの?」

 

  お酒の匂いがする、結構飲んだのだろう。

あそこで、というのはミー姉に抱きしめられた時だろう、ミリアが見ているのは知っていた。


 「そんな関係じゃないからね、兄妹のようなものだよ」


 「そんなこと言って、ミーは口ではそう言ってるけど本音はそうでもないんじゃないかなあ」


 からかうように言うので逆に言ってやった。


 「あれ?俺とミー姉の仲を妬いてるんじゃない?」


 「な、何言ってるのよ!そんなことあるはずないじゃないの。何回も言うけど私はティルの保護者だからね」


 少し動揺しているようなのが嬉しい。


 「うん、今はそうだけど・・・10日後にはここを出て1人前の男になって迎えに来るからね」


 前世でこんな恥ずかしい台詞なんて言えなかったはずだ。

だが今は言える。

まぁ、なかなか本気に取ってくれないから言わざるをえなくなって口に出すことには慣れた。


 「10日後かぁ・・・」


 後ろから抱きしめる手に力が入る。

離れたくない、そう思うが何度も考えて決心したのだ。


 「俺がいなくてもミリアがちゃんと生活できるか心配だよ」


 「失礼ね~、できるに決まってるじゃないの。ティルこそ大丈夫なの?まだいてもいいのよ?」


 「ずるずるとここにいても1人前になれないしね。ミリアに1人の男として見てもらうためだし。俺自身がミリアにお世話になりっぱなしなのは嫌だ」


 「あ~あ、拾ったときはペットのつもりだったのにな」


 「ペットだって成長するよ」


 「私がお仕事の契約終わるまではいてもらうつもりだったのになあ」


 「それは・・・ごめんね。でも後4年ここにいたらミリアは俺のこともう子供にしか見てくれない気がして」


 「そうなるかもね」


 「物心ついて大人になるまで養ってもらってたらそう思われても仕方がないし」


 この世界では14歳で大人だ。

その年には1人前の大人としてミリアに扱われたい。


 「14で大人だけどね、なかなか1人でやっていける子は少ないのよ。親がいなくて自立するしかない子は多いけどね、なかなか難しいの」


 「ミリアのように?」


ミリアは父親が亡くなり母と妹のために自分でこの仕事を選んだという。

それも14になりたての時だ。

14になってないとさすがにこういう仕事を公にさせられないし奴隷にもできないらしい。

もちろん一応の法律みたいなものだ、裏では子供に体を売らせている業者や子供の売り買いをしている人間もいる。


 スラムでそれを守っているのが少ない方なのでここのオーナーはまだマシなのかも知れない。

だが14歳から体を売って生活していた人間が10年後に貯金もなく何の仕事ができるというのだろう。

王都の同じようなお店で働くしかないじゃないか。

そう思っていたのだがミー姉母娘が飲食店で働くというのを聞いて考えを改めないといけないと思うようになった。

オーナーが王都で娼館だけじゃなく他の店も経営しており、そこで働かせてもらっているのなら俺の勝手な思い込みだろう。

ここの契約完了後、連絡が取れた人がいないと聞いて怪しんでいたが俺が王都でミー姉に会ったらその疑問も解決できるかも知れない。

ちなみに俺はオーナーの顔も知らない、ゲー何とかかべー何とかか、という契約したときに会っただけのミリアもあやふやな名前の貴族らしいが本人がここに来ることはないのでしかたがない。

だからこそ俺が勝手に住み着けた。

その点は感謝している。


 「私は自分で選んだからね。だからティルにそこまで思ってもらうような人間じゃないのよ」


 声が寂しそうになる。


 「そんなの関係ないよ。そりゃあ別の選択肢があったらって思うこともあるよ。だけど今までのことも含めてのミリアを好きになったんだよ?」


 「ありがと、子供の勘違いだとしても嬉しいわよ」


 「もう、すぐにそうやってごまかすんだから」


 「ふふっ」


 笑って抱きしめる手に力を込める。

どんな思いをしてきたのだろう。

家族のために10年。

奴隷にはされてないしそれが心の支えであるところもあるが実質そのようなものだ。

その期間が終わったらミリアには幸せになってもらいたい、いや、幸せにしてあげたい、一緒に幸せになりたい。


 「頑張るからね」

 

 「うん」


 「待っててね」


 「それはわからないよ?」


 「そんなこと言わないでよ」


 「ティルこそ、可愛い子がいたらそっちに乗り換えてもいいんだからね」


 「それこそあり得ないよ」


 「王都でティルほど魔物狩れるなら人族の女の子にもモテモテだと思うわよ?」


 「俺がモテたいのはミリアにだけだもん」


 「もう、いつの間にそんな台詞を覚えたんだか」


 「ミリアが本気にしてくれないからじゃないか。俺は気持ちを伝えるのに言うしかないんだから」


 「わかったわ・・・ありがとう。ティルに好きになってもらったってことをこの先も心の支えにして生きていくから」


 「何でだよ、本物の俺を支えにしてよ」


 長い沈黙があった。

そして震えた小さな声が聞こえた。


 「できるわけないじゃん・・・本気にしちゃうじゃない。私なんかのことででティルのこの先の人生を狭めたくないのよ。ここで約束したらティルのことだからその約束に縛られちゃうよ」


 今まではぐらかされてきた理由だとは思った。

首筋に暖かい物が流れ落ちてる。


 「そんなこと・・・」


 ないよ、と言いかけてそれこそがミリアが気にする理由だと気づく。


 「じゃあ約束しない。でも4年たってまだ俺がミリアのことが好きだったら迎えに来るから。ミリアも仕事の契約が終わったら自由だろ?王都に行く以外の選択肢があってもいいじゃん」


 「約束しないわよ」


 「いいよ。ミリアの言うとおり俺が王都でモテモテになってるかも知れないからね」


 「怒った?」


 後ろから抱きしめられていたが体を振り向かせられて対面する。


 「怒ってないよ、ミリアがそんな人だってこと知ってるからね」

 

 「ごめんね、今はやっぱり私が足かせになるのは嫌なんだ」


 「うん、わかったよ」


 また少しの沈黙があった。

ミリアに抱きしめられたかと思うと・・・キスされた。

抱きしめられたりおでこにキスはよくあった唇には初めてだ。

うれしいような恥ずかしいような照れるような、とにかく幸せな気分が胸にわいてくる。


 「ありがとう、この先ティルが出世して有名になったりしても、あのティルは10歳の時は私のことが好きだったんだと思ってこの先も頑張れるわ」


 そんなこと言わなくても、とか、この先もずっと、とか、言いたいことは色々あったが顔がにやけるのがおさまらない。

ファーストキスだ、もちろん元の世界も合わせて。

キスってこんなに幸せな気分になれるんだ、そう思った。


 そのニヤニヤが収まらなくて返事もできずに膝に顔を埋める。

こっち方面の精神年齢は間違いなく10歳相当だろう。

いや、それ以下かもしれない。

 

 顔を上げると泣き笑いのような顔のミリアの口が動く。

声には出ていなかった。

だけど間違いなくわかった。

口の動きは「待ってる」と言っていた。


 ミリアは俺のことを考えてくれている、それが精一杯だったのだろう。

俺は今はむだ10歳にもなっていない、ミリアに世話になっているだけの子供なのだ。

今の俺が何を言ってもしかたがない。

4年後に証明するしかないのだ。


 ミリアは酔いもあったのだろう、そのまま横になると眠ってしまったようだ。

布団をかけて俺も横になるがなかなか眠れない。

あの唇の感触が頭から離れない。

ミリアが寝付いたところなので寝られないけどあまり動いて起こすのもかわいそうだ。

そんな思いでニヤニヤしながら寝転んでいるうちに俺もいつの間にか眠っていた。




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