魔王の兄になりました!?
「僕には弟などいない!そもそもお前に兄上の呼ばれる筋合いはない!」
僕は魔王の子供にイラついてしまった。こんな悪逆非道の魔王の兄のわけが無い…?
「フッ、やはり心当たりがありそうだな?」
「な、なにか証拠でもあるのか?」
すると魔王は笑って見せて
「このことは聞いたことがあるかな?魔王の兄であり魔王一族の汚点ローニウス・ヴァルトについて」
その言葉を聞いた瞬間、胸が張り裂けそうになった。魔王に刃を背けた時と同じ感覚、だが前より強い、怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖いこの感情はどこから出てくるのか分からない、とにかく怖い。過呼吸になってしまった。息が吸えない。
「チッまだその症状は残っていたか」
その言葉を聞くと僕は眠りについた。
目が覚めると僕はベッドの上だった。外へ出ようとしたが鍵がかかっていた。少し時間が経つと
「おや?お目覚めかな兄上」
「その呼び方で呼ぶな」
「失礼した。勇者いやリオン殿と呼ぶべきか。」
「で、お前は僕に何の用だ」
「ただ質問がしたくてね。リオン殿と会った初めての日お前は気絶しただろう?その瞬間なんて言ったと思う?」
「知るわけない」
僕はなんて言ったかなんて覚えていない。そもそも何かを言ったことすら知らなかった。
「なんと私のことをな、デルくんって呼んできたんだ。その呼び方で呼ぶのを許可したのは1人だけ…兄上だ。」
「だから兄上だって言いたいのか?証拠が不十分だ。」
「余裕そうな顔をしておるが何か心当たりがあるだろう?そなたの心が揺らいでおる。」
「お前も心が読めるのか!?」
「あぁお前は知らないのか、魔王はな魔族の魔法を全て使いこなすことが出来るのだ。質は負けるがな。例えばお前をここに連れてきたドリー、あいつは軽くだったら心を読むことが出来る。だが私はあくまで感情を読み取れるだけだからな」
「だったら本当のことを話そう。」
僕は女神との1件を話した。話し追えると魔王は
「やはり…兄上なのですね。」
「だからといって確証は持てないとさっきから言っているだろう!?」
「実は兄上、申し訳ございません。兄上に呪いをかけておりました。魂にかけておいたので魂が消えない限り効果は続きます。効果は秘密ですが…呪いのう効力はまだあります」
「すなわちまだローニウス・ヴァルトの魂が残っていて、それが私だと言いたいんだな?」
「えぇ」
「どうせ僕じゃないだろう!?王国に帰らせてくれ!」
「あなたに拒否権はございませんよ。あなたは生贄としてこの国にきたのですから。もちろん書状もありますよ」
「…僕は何をすれば?」
「記憶を取り戻しましょう!」
「え?」
「だから記憶を取り戻します」
「もし魔王の兄じゃなかったらそもそも記憶なんてないよ?」
「その時はもちろん殺します!」
うわー笑顔で言ってるー本気のやつだー終わったー
「じゃあ!これからよろしくお願いします、兄上」
「よろしく…魔王」
僕がそう言うと魔王は怒り始め
「昔のようにデルくんとお呼びください」
「わかったから。よろしく……で、デルくん」
僕と魔王のハチャメチャ生活が始まった