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再び魔王城へ

「勇者様着きましたよ。」


という男。名前はドリー・テンスと言うらしい。魔王軍第3軍団長で実力だけで軍団長になったそうだ。


「ここが魔王城か?前に来た時と雰囲気が違うが…」


すると笑顔になって


「この城は魔王様の機嫌によって見た目が変わるのですよ。このようにピカピカの日は機嫌のいい証拠です。」


「つまり僕が来たことを魔王は喜んでいるのか?」


「そういうことでしょう。何故かは分かりませんが。」


コツコツと足音だけで響く廊下、この辺りにはドリーしかいないようだ。もう今ドリーを攻撃すれ…


「勇者様?何を考えていらっしゃるのですか?おそらく私に攻撃をしようとしていると見れますが…」


僕のことを見透かす目、ドリーは一体何者なんだ?


「私の能力は心透かしです。その名の通り考えていることがわかります。精神が弱い方だけですが、私が見ることが出来ないのは第1、2軍団長様と魔王様くらいです。」


なるほど…こいつを僕の見張り役につけたのはそういう事か。僕を逃がさないようにしている。


「では、行きましょうか」


にっこり笑顔になったドリーは前に進んで行った。そうだ、ドリーも魔族だ。魔族は自分の欲のためならなんでもやってしまう種族。おそらくドリーの欲は魔王に仕えること…辺りだろう。


「こちらが魔王城のお部屋です。どうぞお入りください。」


まさか魔王の部屋に直行だとは思ってもみなかった。セキュリティ甘くね?僕攻撃できるけど大丈夫?けれどそんな心配はすぐになくなってしまった。


部屋に入った瞬間、魔王目掛けて剣を振りかざした。聖剣ではないが王都で一流の鍛冶屋が作った護身用ナイフだ。切れ味は鋭い。


魔王は気づいていたのにも関わらず避けることなどせずそのまま突っ立っていた。その口はつり上がっていたように見えた。


剣を首に向かって一振りしようとすると振ることは出来なかった。体全身の力が抜けたのだ。なぜ僕は魔王に剣を振りかざすことが出来ない?やはり偽物の勇者だったのか…


その様子を見ていた魔王は高らかに笑いだして、


「まさか本当に会えるとは…お久しぶりですね…兄上。」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

少し文字数が少なかったのでおまけです

リオンが魔王討伐から戻り離れに来た時の話…

ジニー視点


リオンが魔王討伐に出てから1ヶ月が経った頃、なんとリオンは兵士に担がれ離れにやってきた。全身傷だらけで重体だ。急いでアンに水を持ってこさせた。


「リオン少しの辛抱よ。我慢してちょうだい。」


傷口に水をかけて菌を洗い流していた。そんな時陛下がいらっしゃって


「第3王妃よ、少し話がある。」


陛下が最後に私の名前を呼んでくれたのはいつだったのだろう。今の陛下は私に目線すら合わせてくれない。2人で抱き合ったあの時に戻りたいものだ。


「王妃!王妃!何をぼさっとしておる。王妃としての自覚が足りないのか?」


今の陛下はとても厳しい方だ。


「申し訳ございません」


「よろしい、早速話に入るが実はというとな。魔王がリオンのことを魔王に差し出せばこの街は平和になるそうじゃ。差し出すことについては同意してくれるな?」


「嫌です」


そんな言葉が無意識のうちに出ていたそうだ。陛下は顔を真っ赤にさせ


「良いな!」


あの子はあなたの息子でもあるはずなのに…


「承知いたしました」


いつからこの関係にヒビが生えてしまったのだろう。あのころのあなたをもう一度みたい。






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