魔王城での決戦
僕が魔王城に着いたのは王都を出てから1ヶ月経った頃の話だった。ここに着くまでの道のりは本当に大変だった。馬車で魔王城まで連れていってくれるかと思ったら王都出た瞬間に降ろされるし、お金ないし、で人助けをしながら来たことでなんとか生きてこられたけど僕は今日ここで死ぬかもしれない。
魔王城の主
魔王 デルモード・ヴァルト
歴代最強の魔王にして勇者を8人も殺した魔王。もう600年ほど生きているらしい。冷徹な魔王で表情はいつも動かさないと言う。
そんな奴に僕が勝てるのか?偽物の勇者説がある僕に?けれど、魔王を倒さないと僕のことを信じている人達がどうなるか分からない。決意をして魔王城に足を踏み込んだ。次の瞬間、1人の魔族が飛び降りてきた。
「やぁ勇者よ。魔王様を倒しに来たのだろう?お前が倒したがっている魔王様がお呼びだ。来るか?まぁ強制連行だが」
と言うと僕の体が魔族によって鷲掴みにされ魔王の目の前まで連れてこられた。黒い髪に赤い目、まさに魔族の象徴だ。威圧感がすごい。
「ふふふ、そなたが勇者か。お前が来るのを楽しみにしていた。俺は暇なんだよ。お前からかかってこい」
僕はお言葉に甘えて政権を手に魔王に斬りかかった。けれど魔王に避けられてしまった。
「初めてみたな、そんな聖剣は。今まで来たどの勇者よりも弱そうだ。さすが偽物の勇者だな」
その名前で呼ばれたことに怒りで溢れてしまい全身全霊の力を使って魔王に聖剣を振りかざした。
「いきなり強くなった!?なぜだ」
魔王は焦っている。表情に現れているほどだ。
「なぜか?僕の力だけじゃない!僕のことを信じている人達の力も借りたからだ!」
魔王に聖剣が当たるところまで来たこのまま聖剣を振れば確実に魔王は死ぬだろう。けど心の何かが反抗している!何だこの気持ちは、こんな気持ち感じだことがない。パニックになり体の力が抜け、過呼吸になってしまった。立ち上がることができないでいると魔王が
「おいどうした?」
と声をかけてきた。早く聖剣を振りたいのに立ち上がることすら出来ない。呼吸すらも整えることが出来ない。すると、いきなり変な記憶が自分の中に流れ込んできた。自分の精神はそれに耐えることが出来ず気絶してしまった。