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パーティー

「勇者訓練が始まるにあたって陛下があなたのためにパーティーを開いてくださるそうなの。あと3時間後にね。」


と言う母の顔は苦笑いをしていた。


実は母は、元メイドということを理由にほかの妃にいじめられているのだ。妃は母の他に2人いて、会ったりするといつも嫌味を言われる。陛下からの伝言は第1王妃を通して私たちに伝えられるのできっと今日伝えられたのだろう。


パーティーか。陛下は僕に一度もパーティーを開いたことがなかった。他の5人の王子、2人の王女は毎年パーティーを開いてもらっている。直接話したことは1度もない。


「さぁ着替えるわよ!アン!リオンの服を持ってきて!」


「かしこまりました」


と言うとアンはすぐに消えていってしまった。2人はニヤニヤしていた気がするが大丈夫だろうか...


少し時間が経つとアンは5人のメイドを引き連れてくると、たくさんを服を持ってやってきた。


「さぁリオン様!お着替えです!」


なんと陛下が直々にこの服をくれたらしい。陛下は何を考えているのか検討もつかない。


えー着替えだけで2時間が経過した。


「間に合いましたね!これでいかがでしょうか」


思ったより良かった。母様も喜んでくれてるようで何よりだ。


覚えないといけない言葉があったらしく1時間でずっと覚えていたらあっという間にパーティーの開始時刻になった。


僕たちは王宮の離れに住んでいる。王宮に来るのは久しぶりだ。ここに来るまでに多くの貴族とすれ違った。どの貴族も僕たちのことを歓迎してくれていないようだ。


ホールの入口前に行くと母様が僕の服を整えてくれた。ここに立つとどうしても体が震えてしまう。けれど母様が一緒だ。母様と一緒なら何でもできる。


「リオン・コルトリア様、ジニー・コルトリア様のご入場です。拍手でお迎えください。」


聞こえる拍手はまばらだ。周りからはヒソヒソ声、最悪の雰囲気だ。母様の手を強く握ると母様の手も震えていることがわかった。


陛下の椅子の前に行くと跪いて


「陛下お久しぶりでございます。お元気でしたか?」


と母様が言った。その声は少し震えていた。


「ふん!お前に聞かれるほどわしの体は弱くない!」


今のコルトリア王国の王ジェイアール・コルトリアは最強の王と呼ばれている人物だ。昔あった王国ルーズ王国はたった一夜で滅ぼされた。ルーズ王は武人だったが陛下はわずか2分で首を取ったそうだ。その出来事が原因で陛下はプライドが高い。


「お久しぶりです。陛下、前に会った時と全く変わっておらず何よりです。」


と僕が言うと陛下は喜んで


「強そうじゃろう?」


「えぇとても」


と言うと陛下はさらに喜んでくれた。まぁその言葉の中には「前にあった時と変わっていない性格ですね」という言葉も含まれているのだが。気づかれていないようでなによりだ。


「さすがわしの息子だ!わしのことがよく分かっておる!では本件といこう!

我がコルトリア王国は代々魔王の力に苦しめられておる。そこで代々王子の中から1名勇者を選んでおる。今回は第6王子のリオン・コルトリアが勇者を務める!皆異論は無いな?」


と陛下が言うと異論の声は上がらなかったが、ようやく余計者が減るなどまるで僕に死んで欲しいと言っている声が多かった。


「ではリオン前へ」


と陛下に促されたので前へ出るとあらかじめ覚えていた言葉を読んだ。


読み終わると拍手が聞こえ、安心した。なぜならすこーし(4割)アドリブがあったからだ。

陛下が前へ出て


「ではパーティーを始めよう!」


陛下の言葉と共に音楽が奏でられ、僕は母様と踊り楽しいパーティーになった。


それから7年がたち

リオンは少年となっていた。



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