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迷探偵  作者: 如月いさみ
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エピソード5

 白羽根圭一は不意に浜口大翔の部屋に設置されている洗面台の前に立つと蛇口をひねった。

 だが、水が出なかった。


 それに白羽根圭一は洗面台の下の観音開きの戸を開けた。

この下は既に調べている。


浜口大翔は彼の横に立ち

「ここは既に見ただろう? それに洗面台は壊れていてね」

と告げた。


 白羽根圭一は冷静に

「修理のお金がないわけじゃないのに放置って変ですよね? 普通は水が流れなくなったら修理呼ぶよね」

 と言うと排水パイプのS時トラップの水抜きキャップを開けた。


 全員が目を見開いた。

 そこにダイヤモンドがあったのである。


「これなら上から見ても分からないですからね」

 まして普通なら水に流れるからこんなところ隠さないと思うので良い隠し場所なんですよね


 そして立ち上がり

「ダイヤモンドが氷だった時点で俺は貴方を疑ってました。だってそれが出来るのは貴方とその天童さんだけですから」

 とダイヤモンドを手渡した。


 浜口大翔はがっくりと肩を落とすとダイヤモンドを手に座り込んだ。


 天童崇は息を吐きだすと

「これは一本取られたって感じだな」

 と告げた。


 犯罪には当たらない。

 いわば、お騒がせ案件と言うことである。


 村岡君子は息を吐きだして

「まあ、事件になったら損をこうむるのは私たちの方もだから、これに懲りたら変な考えを出さないで時価の三分の一を現金か何かでくれればいいわ」

と告げた。


中川妙子も頷いた。


こうなっては逆らうわけにはいかなかった。

自業自得と言えば自業自得である。


 天童崇は白羽根圭一に

「次はリベンジさせてもらう」

 とビシッと告げると、立ち去った。


 もちろん、三田良子は同じ探偵として

「私は推理力のリベンジさせてもらうわ」

 と立ち去ったのである。


 それは初夏の陽気が心地よい5月初旬の出来事であった。


 ただ、その翌日。

 南十字星の涙が本当に盗まれてしまったのである。


 天童崇はその連絡を受けたものの

「残念ながら今回の件に関してはご協力できません」

 と返したのである。

「俺の本業は見つける方ではなく隠す方なので……まあ、アレを見つけられるとは思わなかったですが」


 天童崇は言って携帯を切ると小さく笑みを浮かべ

「白羽根圭一……彼との対決なら楽しんでやるけどね」

 と呟いて空を見上げるとそのまま町の中へと消え去ったのである。


最後までお読みいただきありがとうございます。


続編があると思います。

ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。

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