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迷探偵  作者: 如月いさみ
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エピソード2

 そこは簡素な住宅街だった。

 まだ午後6時だというのに人の姿は無く通りの両側には大きな一戸建てが立ち並んでいる。

 

 普通のどこにでもある住宅街であった。

 

 田端美弥は肩掛けのカバンから携帯を出してネットの書き込みを見ると

「この住宅街を抜けたところにあるんだよね」

 と呟いた。

 

 住宅街の通りをまっすぐ進むと大きな川の土手にぶつかりそこを登って降りるとちょっとした広場になっている。

 所謂、河川敷公園と言う具合だ。

 

 彼女は住宅街を抜けて土手の前に来るとチラリと右手の前を見た。

 東京メトロの鉄橋がかかり既に夕刻を過ぎて薄暗くなっている河川敷公園の側の草むらに濃く長い影を落としていた。

 

 美弥はその陰の下に立っている白いシャツの男性を見ると

「あの人だわ」

と呟き、カバンに手を入れたまま土手を降りてザッザッザッと足早に進んだ。

 

 これで解放される。

 ずっと、ずっと、ずっと怖かった。

 

 その恐怖から解放されるのだ。

 

 彼女は男性がブツブツ言っている言葉など気にせずに足早にぶつかると倒れて呻く男性から2、3歩後退って、慌てて鉄橋の下へ走っていくと来ていた服を脱いでカバンの中へしまうと上着を羽織ってその場から足早に土手を駆け上がった。

 

 周囲には誰もいない。

 

 美弥は高鳴る心音を抑えながら

「大丈夫、上手くいったわ。これで私……助かる」

 と呟くと、日入りと共に先ほど歩いてきた道を引き返した。

 

 一年ほど前に付き合いだした同じ大学の同じ学部の男性がいた。

 浜下兵庫という男性だ。

 

 初めは講義の時に隣に座って少し話をして、それから、学食で一緒に食事をするようになって付き合いだした。

 

 でも、一人暮らしのマンションの隣に引っ越してきてずっとずっと付きまとわれるようになって怖くなった。

 家にもズカズカと入り込まれて機嫌が悪いと蹴ったり殴ったりされた。

 

 逃げるように引っ越しをした途端に彼は豹変して大学の講義室で怒鳴り散らして、すぐに「俺から離れるなんて考えるなよ」と脅してきたのだ。

 

 それからも暴力は続いた。

 

 警察に相談しても最初は相手にされなかった。

 けれど、暴力を振るう彼の動画をこっそり携帯で撮って見せた。

 

 でも口頭注意だけだった。

 

 彼はその注意を受けると激怒して家に押し入って部屋をめちゃくちゃにして

「今度行ったらこんなもんじゃすまないぞ」

 と出て行った。

 

 何時か殺されると、思った。

 

 美弥は住宅街を抜けて改札を通り思わず涙を落としかけて手で拭った。

 瞬間に横手からハンカチが渡された。

「あ、良かったら」

 

 隣に見知らぬ青年が立っていて

「それ俺使わないのであげます」

 と言うと手を振って立ち去った。

 

 美弥は慌てて

「あの……いいですー」

 と言ったが、青年は少し離れた場所に立っていた男性の元へと駆けて行ったのである。

 

 男性は青年を見ると

「白羽根、何してたんだ? ちょろちょろと」

 と告げた。

 

 白羽根と言う名前なのだと美弥は

「ちょっと変わった名前」

 と心で呟いた。

 

 青年は男性に対して

「しょうがないじゃん、なんか辛そうだったし。米倉はそういう人の心の機微が分かんないタイプだよな。頭いいけど」

 とブーとぼやいていた。

 

 美弥はそれに少し笑みを浮かべるとハンカチで涙を拭って頭を下げた。

 列車到着のアナウンスが流れホームに滑り込んでくると人々の影で彼らが見えなくなった。

 

 美弥はカバンにハンカチをしまうと列車に乗り込みユラリユラリと独特の揺れに身を任せて息を吐きだした。

 

「これから一週間……大学へ行って……待つだけ」

黒いうさぎさんが約束を果たしてくれることを

 

 そう心で呟き、息を吐きだした。

 翌日、東京の河川敷で男性の変死体が見つかったとニュースが流れた。

 

 美弥は朝食を食べて大学へと向かった。

 マンションを出たところで浜下兵庫の姿があった。

 

 浜下兵庫は美弥の横に立ち

「さあ、楽しい時間の始まりだ」

 とアハハと笑って彼女の背中に手を回した。

 

 ぞっとする。

 本当にぞっとする。

 

 美弥は俯きながら足を進めた。


「早く、黒いうさぎさん」

 彼を消してください

 

 彼女はそう心で念じながら講義を受けて付き纏う浜下兵庫を連れても夜ご飯はレストランで食事をして帰宅をした。

 実行した後の一週間はそうする取り決めだったからである

 

 二日。

 三日。

 四日。

 

 この日は浜下兵庫とは講義がズレて早く帰る日だったので一人で夜ご飯をレストランで食べて帰った。

 

 珍しく浜下兵庫が訪ねてくることがなかった。

 だが、明日になればまた同じ日が繰り返されるのだろう。

 

 早く。

 早く。

 

 美弥の心に焦りが滲み出た五日目の朝にいつものように家を出ると一人の見知らぬ男性がマンションの前に立ち

「田端、美弥さんですね?」

 と警察手帳を見せた。

 

 『警視庁刑事部捜査一課第一係 参内満男』と書かれていた。

 

 美弥は目を見開くと

「あ、の」

 と首を傾げた。

 

 まさか。

 まさか。

 彼女は心音が激しくなるのを感じながら参内満男を見た。

 

 参内満男は彼女を見て

「すみませんが、昨夜の6時から9時の間はどちらに?」

 と聞いた。

 

 美弥は戸惑いながら

「昨夜はあそこの中華料理店で夕食を……ただ8時前にはこのマンションに戻りました。その後は一人でいましたけど頼んでいた荷物が8時30分ごろに届いて受け取りはしました」

 と告げた。

「その、何故?」

 

 参内満男は息を吐きだすと

「実は昨夜浜下兵庫さんの遺体が大学の林の中で見つかりました。発見されたのが午後9時の大学内の警備員が巡回中に発見されたので」

 と告げた。

 

 美弥は一瞬呆然と参内満男を見た。

 

 漸く。

 漸く。

 自由になれたのだ。

 

 思わず心の中で

「ありがとうございます、黒いうさぎさん」

 と呟いた。

 

 参内満男は手帳に彼女の言ったことを書き

「わかりました。また何か聞きに来るかもしれませんが」

 と告げた。

 

 美弥は戸惑いながら

「い、いえ」

 と答え足を踏み出しかけて目の前に現れた二人の人物に目を見開いた。

 

「「あ」」

 

 相手も同時に声を零した。

 先日の電車に乗ろうとした時にハンカチをくれた青年と彼と話していた男性であった。

 

 青年は目を見開くと

「貴女が……浜下兵庫って人に付き纏われていた田端美弥さん?」

 と告げた。

 

 美弥は固唾を飲み込み

「え、ええ」

 と答えた。

 

 あの時に、出会った彼らが何故ここに。

 美弥はそう思って身体が硬直しそうなのをこらえた。

 

 もしも。

 もしも。

 あの時にあの場所に行った事情を知られたら……せっかく掴んだ自由が壊れてしまうかもしれない。

 

 青年は美弥を見ると

「ねえ、浜下兵庫を殺したんだよね? 人を殺すように見えないのに」

 と聞いた。

 

 美弥はぎょっと驚くと

「え!?」

 と言うと

「わ、私は殺してないです!」

 と足早に駆け出した。

 

 参内満男は腕を組むと

「白羽根、彼女にはアリバイがある」

 と言い

「お前は短絡過ぎるんだ。まったく」

 と踵を返すと白羽根圭一と立っている男を見た。

「米倉警部……どうしてコイツ連れてきたんです」

 

 それに米倉隆二は笑みを浮かべて

「それは捜査に役立つと思ったからな」

 と告げた。

 

 参内満男は目を細めると

「単純! 裏ドリなし! 思い付き! もうダメ三連発の奴ですよ」

 とため息を零して

「迷・探・偵ですから! 害になっても役に立たないです」

 と足を踏み出した。

「ついてくるなよ! 迷探偵!!」

 

 ……。

 ……。

 白羽根圭一はドーンと立ち尽くして

「何故? 犯人教えてあげたのに……犯人は彼女だ」

 と言い

「しょうがないから行こうかな」

 と呟いた。

 

 それに米倉隆二は不思議そうに

「どこへ? アリバイ確認か?」

 と聞いた。

 

 白羽根圭一はにっこり笑うと

「駅と大学だよ。彼女の生活圏はここだろ? でも彼女はあそこの駅にいた」

 と言い

「変死体が見つかった河原の近い駅にその日に」

 と告げた。

 

 米倉隆二は目を細めると

「ほぉ、偶然とかは考えないのか?」

 と聞いた。

 

 白羽根圭一は笑むと

「だとしたら、彼女周りに死体が多すぎる」

 と告げた。

「だから、駅の防犯カメラで前後二週間くらい大学も同じくらい確認するんだ」

 

 美弥はドキドキしながら暫く足早に進み、やがて足の速度を緩めると深く息を吐きだした。

 

 浜下兵庫を殺したのは自分ではない。

 どんなに調べても自分が殺した証拠は出てこない。

 

 出てくるはずはない。

 殺していないのだから。

 

 美弥は頷いて

「そうよ、殺していないんだから」

 と呟き、まっすぐ前を見ると足を進めた。

 

 これでもうあの浜下兵庫に苦しめられることもないのだ。

 美弥は安堵の息を吐きだして大学の門を潜った。

 

 講義室に入ると席に座り、今まで寄り付かなかった女子学生の一人が隣に座った。

「ねえ、ニュース見た? 浜下が殺されたって流れていたけど」

 

 ……もしかして、貴女が殺したの? ……

 そう聞こえてきそうな興味津々の目で話を振ってきた。

 

 美弥はこのことは想定の内にあった。

 そうなった時の受け答えのシミュレーションも何度も何度も何度も頭の中でしていた。

 

 美弥は困ったように笑むと

「警察が来たわ。私、ニュース見てなくて知らなかったからびっくりしたけど」

 と答えた。

「でも警察に聞かれた時間……私、外食してて……でも一人の時間もあったけど一応信じてくれたみたい」

 

 それに女子学生は目を見開くと

「そうなんだ」

 と答えた。

 

 美弥は笑んで

「ん、正直……ホッとしてる。彼には悪いけど正直な気持ち」

 と答えた。

 

 これは本音だ。

 間違いなく本音なのだ。

 

 彼女は心で呟いた。

 

 女子学生は「だよね~」と言い

「こう言ってはあれだけど……田端さん困っているのが見ていてわかったから。あいつ、噂では自分の兄を半殺しにして追い出して両親の財産一人占めするって言ってたくらいだからね。ほんと浜下って怖かったよね」

 と告げた。

 

 美弥は彼女が今正直な気持ちを言っているのだと理解すると小さく頷いた。

 困っているのがわかっていてどうして助けてくれなかったの? とは思えない。

 

 誰もが怖かったのだ。

 喚いて。

 暴力をふるって。

 力で威圧して……まさに暴君だった。

 

 美弥は目を細めると

「そうよ、先の言葉の一部を嘘だとすれば私はあいつに悪いとは思っていないわ」

 と心で呟いた。

 

 黒いうさぎさんに感謝してる。

 美弥はそう心で呟いて、チャイムが鳴ると講義に集中した。

 

 アリバイは完璧なのだ。

 自分は実際に浜下兵庫を殺してなどいないのだから……完璧なのだ。

 

 ただ。

 ただ。

 

 美弥は教授が黒板に書いた文字をノートに書き写しながらふっと脳裏に浮かんだ白羽根圭一の姿を思い出した。

 

 あの駅で偶然出会った……刑事。

 まさか、あんなところで会うとは思っていなかった。

 

 あそこで自分がしたことが分かったら……美弥は不意にそう考えて視線を落とした。

 

 浜下兵庫のことで毎日が地獄だった。

 逃げても。

 警察に言っても……浜下兵庫は自分に付き纏い暴力を振るい脅して縛り付けていた。

 

 何時か殺されるかもしれないと身体が震えた夜もあった。

 

 そんな絶望の中で黒いうさぎさんと出会った。

 ネットのSNSでストーカー行為に苦しんでいると書いていたら、黒いうさぎさんも同じように男の暴力で苦しんでいると書いてきた。

 

 どちらが先に書いたか……美弥はもう覚えていない。

 だが。

『彼がいなくなってくれたら何でもする』

 そう書いた。

 黒いうさぎさんも同じだった。

『私もあの男がいなくなるなら何でもする』

 

 美弥は思い出して息を吸い込み吐き出した。

 あの白羽根と言う青年があの駅に自分がいた理由さえ気付かなければいいのだ。

 

 美弥は祈るように両手を組み合わせた。

 バレないように。

 自分も。

 黒いうさぎさんも。

 

 その日の講義を終えて美弥は自宅マンションへと戻りかけて途中で足を止めるとマンションの近くにある洋食屋へと入った。

 ここ数日、夕食は作らず外食していたので材料を買っていなかったのだ。

 

 メニューを見て

「ビーフシチューを」

 と告げた。

 

 ウェイトレスはメニューを下げながら

「かしこまりました」

 と去っていった。

 

 それぞれ実行した後はSNSでも連絡を取り合わないと決めたのだ。

 美弥は料理が来るまでのあいだついSNSで黒いうさぎに連絡を取ってしまいそうになる自分をどうしたらいいのか考えた。

 

 大学に入るまで趣味がなかったわけではない。

 チャーム作り。

 ビデオ鑑賞。

 様々あったが、浜下兵庫に執拗に追われ暴力で威圧されてから何もできなくなった。

 

 美弥は小さく息を吐きだすと

「……チャーム作り……また始めようかな」

 と呟いた。

 

 落ち着いた自分だけの時間ができるのだ。

 自由になれるのだ。

 

 美弥は運ばれてきたビーフシチューを口に運び、夕食を終えるとその足で駅へと向かいチャーム作りの材料を買って漸く自宅マンションへと戻った。

 

 警察の人間が。

 あの白羽根と言う青年と米倉と言う男性がいるかもしれないと思ったが誰もいなかった。

 

 美弥は安堵の息を吐きだし部屋に入ると買ってきたチャームの材料をテーブルに出した。

 キラキラ光る星や小さなドライフラワー。

 レジン液をフレームに合わせて入れその上に小さなドライフラワーやキラキラ光る星などを飾り付けて再びレジン液を乗せて固める。

 

 彼女は笑みを浮かべて

「イヤリングにしようかな」

 と袋から出してレジン液につけた。

 

 その時であった。

 インターフォンが鳴り、家の中の画面に参内満男が映っていた。

 

 美弥は蒼褪めると暫く迷ったもののそっと扉を開けた。

「あの……何か御用でしょうか?」

 

 参内満男は手帳を見せて笑みを浮かべると

「貴女のアリバイが証明されました。それと犯人が捕まったので報告に」

 と告げた。

 

 美弥は驚いて

「え!」

 と声を零した。

 

 彼は頷くと

「黒木卯佐美と言う女性で一週間ほど前に見つかった荒川河川敷の殺人と浜下兵庫の殺人を認めました」

 と告げた。

「大学の防犯カメラに学生以外で……一か月の内で殺人のあった日にだけ姿があった人物を総当たりしたところ彼女が自白をしました」

 

 美弥は戸惑いながら

「あの、荒川河川敷の殺人……もですか?」

 と聞いた。

 

 あの男性は自分が刺したのだ。

 自分が殺したのだ。

 

 参内満男は頷くと

「ええ、彼女はその男性にDVを受けていて……家を出て飛び出してもしつこく付き纏われて暴力を受けて……耐えられずに殺したそうです」

 と告げた。

「浜下兵庫についてはネットで同じ境遇の人がいて助けようと思ってのことだといっていました。2人を刺したナイフも見つかり2人の血痕が付着していたので間違いないと」

 

 美弥は驚きながら呆然と立っていた。

 

 彼は更に彼女を見ると

「二か所刺し傷があって、一つは深くなくて二つ目が致命傷でした」

 と告げた。

「先日は……同行者が失礼なことを言って申し訳ありませんでした」

 

 美弥は首を振ると

「いえ」

 と答え、俯いた。

 

 漸く、本当に、自由になれるのだ。

 だけど。

 だけど。

 

 不思議そうに立っている参内満男を見て美弥は服の前ボタンをはずし始めた。

 参内満男は目を見開くと

「あ、え??」

 ま、待ってください

 と手を伸ばしかけた。

 が、美弥は上半身を見せると

「貴方に……わかりますか?」

 と告げた。

 

 上半身には青い痣や火傷の痕があちらこちらにあった。

 

 参内満男は顔をしかめると息を吐きだし、そっと彼女の服を上にかけた。

「貴女もDVを受けていた……そして交換殺人を計画した」

 

 参内満男は心の中で「米倉警部の言っていた通りか」と呟いた。

 

 美弥は泣きながら

「警察へ行っても最初は相手にすらされなかった。動画をとっても口頭注意であの男は毎日毎日暴力を振るって私を脅したわ。次やったら殺すって」

 と顔を歪め

「いつも殺されたら逮捕してメディアが興味本位で騒いで終わりですよね? 私たち殺されなきゃダメですか?」

 と両手で顔を伏せてしゃがみこんだ。


「自由になるために……じゃあどうすれば良かったんですか?」

 

 参内満男は屈んで泣き崩れる彼女に

「本当に……申し訳ない。貴女と黒木卯佐美さんを結局は救えなかった。いや、救おうとしなかった」

 と告げた。

「黒木卯佐美さんは自分が貴方の話を聞いて一人で決めて一人でしたと言っている。俺が今日ここに来たことは誰にも言っていない。貴女が……どうするか決めてもらいたい」

 

 ……残酷ですが俺は自首を勧めたい……

 

 美弥はそう言って去っていく参内満男を見送り、部屋に戻るとチャームを置いているテーブルの前に座った。

 

 あの時、自分は男性を殺していなかったのだ。

 だが、黒いうさぎさん……黒木卯佐美は浜下兵庫を殺したのだ。

 

 同じ痛みを。

 同じ苦しみを。

 持つものだから……きっと。

 

 美弥は部屋を綺麗に整理すると翌日の朝にカバンを持って警視庁へと姿を見せた。

 そこにちょうど一人の顔に痣を作って俯く女性が警察官と歩いていた。

 

 美弥はそれを見ると直ぐに彼女だと分かった。

 そして微笑むと深く頭を下げた。

 

 初めて見た……共犯者だ。

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