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迷探偵  作者: 如月いさみ
15/39

本編 暗号

 中島皆実は現在警察に拘留されている。

 兄は3年前に死亡し父親はその2年後に亡くなっている。

 

 今は中島皆実の母親だけが家にいるのだ。

 二人は彼女に会うために鶯谷へと向かった。

 

 中野と鶯谷はかなり近く少し走ると中島家の近くにある駐車場へと車を入れて中島家を訪れた。

 

 インターフォンを鳴らして応答を待った。

 が、反応はなかった。

 

 米倉隆二は手帳を見て

「職場に行くか」

 と告げた。

 

 白羽根圭一は頷いて住宅街の一角にある弁当屋へと二人は姿を見せた。

 そこに中島皆実の母親の中島実樹が早退しようとしているところであった。

 

 米倉隆二は頭を下げながら店を出ようとしている彼女に

「すみません、中島さんですね」

 と告げた。

 

 彼女は驚いて

「え、ええ」

 と答え

「あの、少し急いでおりますので」

 と二人の横を抜けかけた。

 

 それに白羽根圭一は

「どこへ行くつもりなんですか?」

 と聞いた。

「もしかして警察ですか?」

 

 彼女は驚いて振り向き

「え? ……いいえ」

 と答えて二人を見た。

 

 米倉隆二は手帳を見せて

「どちらへ行かれるつもりですか?」

 と聞いた。

 

 中島実樹は驚きながら

「いま翔二の親友だった矢倉さんから皆実が釈放されるから迎えに行きましょうという連絡があって」

 と告げた。

 

 米倉隆二は笑むと

「そうでしたか」

 と言い

「色々お聞きしたいのでご一緒しますよ」

 と告げた。

 

 彼女は微笑むと

「わかりました。お願いします。いま井之頭の駅にいるらしいので」

 と告げた。

 

 白羽根圭一も頷いて駐車場へと足を向けた。

 

 白羽根圭一は中島実樹の横を歩きながら

「その矢倉さんって亡くなった翔二さんとはどういう関係だったんですか?」

 と明るく聞いた。

 

 中島実樹は微笑むと

「高校時代からの親友で皆実も良く懐いていました。翔二が亡くなった後も私たちを心配して時折顔を見せて翔二の話を」

 と告げた。

「話をすれば辛い部分もありましたがそれだけあの子のことを大切に思ってくれているのかと思うと」

 そう言って涙を拭った。

 

 白羽根圭一は駐車場につくと車の後部座席を開けて

「どうぞ」

 と彼女を乗せて、自分は助手席に座った。

「その矢倉さんは仕事とかは」

 

 彼女はそれに

「ああ、翔二と同じ職場で同期だったんですよ。今は新しい会社で働いていると言ってましたけど」

 と答えた。

 

 米倉隆二は運転しながら

「なるほど、翔二さんは当時何をされていたんです? 営業とか?」 

 と聞いた。

 

 中島実樹は首を振ると

「翔二は営業とかは苦手で静かに家で本を読んだりするのが好きだったんです」

 と言い、懐かしそうに微笑むと

「数字には強かったみたいで経理で頑張っていたんですよ」

 と告げた。

「反対に矢倉くんは人当たりも良くて優しくてね。営業でいつも好成績なんだっ翔二はよく矢倉くんのことを褒めてました」

 

 白羽根圭一はそれを聞きながら小さく息を吐きだした。

「そうなんだ」

 

 米倉隆二は井之頭駅に着くとロータリーで車を停めて彼女を下ろした。

 そして自らも降りて周囲を見回した。

 

 そこに駅に聞き込みに来ていた参内満男が2人を見つけると

「米倉警部」

 と駆け寄り、隣に立っている中島実樹を見て頭を下げた。

「この度は」

 

 彼女は首を振り

「いえ、こちらこそ。ご迷惑をおかけしたのに皆実を早くに返していただけると」

 と頭を下げた。

 

 参内満男は一瞬驚いて目を見開いて

「え?」

 と声を零しかけた。

 が、それを白羽根圭一が腕を掴んでずるずると引っ張り

「周囲を見回してこっちを見ている人がいないか見つけて」

 と小声で告げた。

 

 参内満男は顔をしかめつつ周囲を見回して一人の男性と目が合った。

 先ほどのスパゲティ屋で支払いをしていた男性である。

 

 男性は参内満男と米倉隆二を見ると踵を返した。

 白羽根圭一はそれを見て慌てて中島実樹の方へ行くと男性を指さして

「あの人! もしかして矢倉さんじゃない?」

 と聞いた。

 

 中島実樹は「ああ」と言うと

「矢倉くん!」

 と手を挙げて振った。


最後までお読みいただきありがとうございます。


続編があると思います。

ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。

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