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アフターストーリーのその先へ  作者: 四反田三助
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03話 初の転生

 目を開けると、どうやらどこかの森の中にいるようだ。

 しばらく気を失っていたようで、地べたに座り木にもたれかかっていた。


 足元に落ちている枯れ木をみるに、先程の場所ではないことは確かである。


「この場所はどこだよ、ここは本当に異世界か?」


 ジンは立ち上がり尻の土を払う。

 手に伝わる感触で、はいているズボンが先程のものと変わっていることに気づく。


「うぁ・・・この服それっぽい。身体もなんか軽いし、腹が出ていない。」


 ジンが着ている服は、麻の生地で作られたシンプルな服だ。

 身体にも変化があり、中年の証であるビール腹が減っこんでいた。


 スッキリした腹を触っていると小さい皮のバックがベルトに括り付けてあることに気付く。


 バックの蓋を開けてみる。


「中なんも見えねー、底無しかよ。」


 ウエストポーチくらいの大きさなのに底が見えない。


「これが収納鞄(マジックバック)か。」


 少し怖いが収納鞄(マジックバック)の中に手を入れてみる。

 すると収納鞄(マジックバック)の中身が、なぜだかわかる。


 手探りしてみるが手には、なんの感触もない。


 中には入っているのは、ナイフ、剣、回復薬(ポーション)上回復薬(ハイポーション)が入っていた。


 なぜ中に入っている物がわかるのか不思議に感じたのだが、今は回復薬(ポーション)に興味がある。


 収納鞄(マジックバック)から回復薬(ポーション)を取り出したいと念じる。

 するとなにか小な物が手に触れたので、掴んで取り出してみる。

 掴んだ物は透明の小瓶で、中には液体が入っている。


「これがポーションかぁ・・・飲み物のかな? それとも振りかけるのかな?」


 収納鞄(マジックバック)から取り出したのが回復薬(ポーション)なのは間違いないが、使用方法がわからない。


(これじゃ、いざという時に使えないな・・・。)


 そんなことを考えていたのだが、今は今後の行動についてのほうが先決だ。


(これらどうすれば良いのだろうか?)


 ここは森の中だ。


 回復薬(ポーション)収納鞄(マジックバック)にしまい今後の行動を考える。


「それにしても神様、マジでカネくれなかったなぁ。収納鞄(ここ)に入って無いって事は一文無しだよな・・・でも本当に来たじゃん異世界に!」


 お金をくれなかったことは不満だが、ここは異世界、それを考えるとテンションが上がる。


(神様の話だと、街まで行く手段を用意するって言ってたよな?)


 神の話を思い出すが、ここがどこだかわからない。

 森の中に1人というのは、かなり不安だ。

 不安になると嫌な事も考えてしまう。


(そういえば、この異世界って人を襲う魔物がいるんだよな・・・。)


 そうだ! と思い出し収納鞄(マジックバック)から剣を取り出す。

 鞘に革ベルトが着いており、そのベルトを腰に巻き付ける。


 鞘から剣を抜き、この異世界にいるであろう魔物に怯える。

 不安になるが抜いた剣を見てテンションが上がる。


(剣か・・・イイなこれ。)


 単純だかやはり剣=(イコール)冒険だ。

 軽く素振りをし奮起する。


「よーし出口を探すか。」


 移動することを決意するがやはり不安である。

 大量に回復薬(ポーション)があるが、使い方がわからない。


 最悪、飲んだ上に自分にふりかければ良いのではないかと考え、不安をかき消そうとするが、未知の魔物に襲われるとおもうと怖くなる。


 ジンは1人で「でも」「だって」「やっぱり」など自分に言い訳するが、フッとあることを思い出だす。


(そうだ魔法!)


 剣を鞘に納め魔法をどうやって使えるか考える。

 すると不思議と、どのように使うかが頭に浮かぶ。


 すぐに使ってみたいが、ここは森の中だ。

 威力も不確かなので、まずは手のひらに出してみる。


 小さく手のひらに収まるように念じ、そして唱える『火魔法【球】(ファイアボール)


 ボウッ! と手のひらに火の球が灯る。


「おーーーーーー!」


 感動で、おもわず軽く踊ってしまった。


 我に返り誰にも見られていないとこに、ホッとし手に出した火の球をみつめる。

 魔法が使えるとわかったら急に不安も消えた。


 むしろ、魔物に使ってみたいとさえおもうが、それは危険な考えだ。

 興奮する自分をを押さえ、手のひらの火の球を消す。


「よし! 今度こそ本当に行くぞ。」


 ジンは歩き出した。



 どれだけ歩いただろうか?

 念のため元の場所に戻れる様に木にナイフで目印を付けていた。


 腰に差した剣を抜き、邪魔な草木を鉈代わりに切る。

 剣を扱っているとテンションがあがった。

 調子にのって少し太めの木に向かって切り付けてみる。


「え!」


 まるで豆腐を切ってる様な感触で両断した。

 驚いて剣を確かめる。


(この剣がすごい・・・って訳じゃないよな?どう見てもただの鉄の剣だしな、それにあの神様が高価な物をくれるとは思えんし。)


 お金を自分で稼げといった神が、高価な品を渡すわけがないとジンはおもった。

 この能力を試したくなり、次は大木に挑戦してみる。


 丁度良さそうな木がある。

 大人が1人、腕を回しても少し届かない位の太のさ木だ。


 さっきは勢い任せで適当に切ったが、今度の木はそう簡単に斬れそうではない。

 剣を両手で持ち、中段に構える。


「えい!」


 声を出し、一気になぎ払いをした。

 すると大木はキレイに切断されそのまま倒れる。


「おおおお!」


 そこそこの大木だったため、木が倒れる音が辺りに響く。

 この音で魔物がよって来ないかと心配いし周囲を警戒する。

 だが倒れた木を見てたら、どんな魔物が来ても負ける気がしなかった。


(スゲー、こらなら魔物が来てもなんとかなるんじゃ・・・。)


 この力に感動し、踊りたくなるのをグッと我慢する。

 いったん剣を鞘にしまい、深呼吸をし冷静さを取り戻す。


 この肉体(からだ)の身体能力と魔法があれば···そう考えると魔物と闘ってみたくなる。

 頭の中で戦闘のシュミレーションをしてみるが、魔物がどんな姿をしているかがわからない。


(魔物っていったいどんな奴らだろ、遭遇したら本当に倒せるか?)


 無駄なシュミレーションをやめ歩き出す。 


(この森から早く出よう。)







 しばらく歩いていると遠くから、なにかの音が聞こえた。


(今なにか聞えたけど、なんの音だ。)


 周囲を見渡すが何ら異変はない。

 耳をすますとまた聞こえた。


(人の悲鳴? 魔物の叫び声かも?)


 ドキドキする。

 自分の心臓の音が大きく聞こえる。


「きゃーーー」


 今度はしっかりと聞こえた。

 確実に人の悲鳴だ。


 声の方へ行くべきか考える。


(怖いけど気になるなぁ。)


 ジンは恐怖と好奇心の狭間で揺れ動く。

 いざとなれば魔法が使え、大木をも両断できる力がジンにはある。

 それにこのまま、何の宛もなく森をさ迷っているわけにもいかない。


「行ってみるか。」


 ジンは決心する。


 急いだ方がよいと思うがここは森の中だ、悲鳴が聞こえた方角なんてわからない。

 1つ確かなのは、歩いて来た方角ではないことだ。


 一か八か、このまま進むことにして、ジンは走り出た。


(この体・・・本当にすごいかも。)


 足が軽く、走っているのに軽々と木々を避けられる。

 この体はかなり優秀らしい。


 一気に森の中を駆け抜けると森の出口が見えた。

 悲鳴はこの森の外なのだろうか?森の切出口で一度止まる。


 周囲をみると、この森より少し離れた場所には人が整備したであろう道が見えた。

 森から出て道までいく。


(ここは街道か?)


 街道らしき道で、もう一度周囲を見渡すが、人っ子一人いない。

 耳を澄ましてみるが声も聞こえない。


(悲鳴はと・・・聞こえないな。)


 ジンは悲鳴が聞きたい訳ではない、むしろ聞きたくなんてない。


 できれば悲鳴ではなく楽しそうな笑い声が聞こえて欲しいのだが、今までいた森を見るに悲鳴のほうが現実味がある。


 ジンは道の真ん中に立ち、どちらに向かうか迷う。


(右か左か・・・誰かヒントをくれ・・・)


 空を見上げ悩んでいると、物音が聞こえた。

 右手の方から聞こえてきた。


 森の入口まで戻り、街道と森の境目を木に隠れながら音が聞こえた方へと進む。


 少し進むと、馬車らしき物がみえる。

 近づくと馬車は3台あり、先頭付近に人集りを確認した。


「あれか!」


 やっと人に会えると、嬉しくなり駆け寄ろうとしたが一度、立ち止まる。


(悲鳴はどこから聞こえた?)


 馬車のほうを見るが、誰がなぜ悲鳴をあげたかは、ここからではわからない。


(どうする・・・なんて話しかければいいんだ・・・ってか言葉は通じるのか?)


 ジンは異世界で初の人に遭遇するも、ファーストコンタクトに悩み様子をみることにした。


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