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アフターストーリーのその先へ  作者: 四反田三助
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01話 謎の部屋

 眠りから目が覚める。

 まだ眠気が残っており、まぶたが重く目が開かない。


 もう一度眠りにつこうと、目を開けるのをやめる。


(今、何時だ?)


 このまま二度寝をしても、遅刻しないだろうか? 

 心配になり、枕元に置いてある目覚まし時計を手探りする。


(ない・・・。)


 いくら手を動かしても目覚まし時計がみつからない。

 目を開けようとするが、まぶたが重い。

 

 なんとか薄目を開き枕元をみる。

 やはり目覚まし時計は見当たらない。


「ん?」


 何か変だと感じ、頑張って目を見開く。


(ここはどこだ?)


 周囲を確認するが、自分の部屋ではない。


(白い・・・ってか何もない。)


 部屋全体が白く、寝ているベット以外は何も見当たらない。

 扉も蛍光灯も何一つない白い部屋。

 真っ白い病衣のような衣服を着ており、袖先から見える手足以外すべてが白い。


(ここは病院? 集中治療室か? 救急搬送された?)


 点滴などは打たれてはないが、病院なら運ばれた理由がわかるまで、下手に起き上がらない方が良いだろう。

 もう一度、仰向けになり目を閉じる。


(ダメだ、何も思い出せない。)


 なぜこの場所にいるのか記憶をたどるが、何一つ思い出せない。


(マジでココどこだよ。)


 不安に感じていると、突然声をかけられる。


「起きたぁ?」


 ビクッ! 驚いて声のほうに視線を向けると、とんでもない光景が目に入る。


「え?」


 子供が中に浮いている。


 扉もないこの部屋にどこから入ってきたのか? 足元には3人の人がいたのだ。

 1人は黒髪のイケメン男性、もう1人は金髪の美人女性、そして宙に浮く子供。


 声の感じからして「起きた?」と声をかけてきたのはこの宙に浮く子供だろう。

 なぜ宙に浮いているか? どのように浮いているのか? それが気になり子供をジッと見てると、


「んー、何から説明しようかなぁ? 話しても信じてくれるかなぁ。」


 子供は笑顔で話しかけてくる。

 だが宙に浮いていることが気になって、子供の話は山田には届いていない。


「それって浮いてるの?」


 山田は子供に聞く。


「もちろん! 浮いているよぉ。」


 子供はそう言うと、空中を1回転する。


「おお!」


 拍手しそうになるが、そんな雰囲気ではない。


「ここは・・・」


 山田が質問しそうになると、子供が手を前に出して制止する。


「コホン! まずはボクが何者かってことから説明するねぇ。」


 子供の話に山田は頷いた。


「ボクは、ジン君の世界でいう神だなんだぁ、この場所はねぇ、神と人が対話できる空間なんだよぉ。」


 突然、神だと言い出す子供。

 その上、38歳のおじさんを()()呼びする。


「神・・・ですか?」


 なぜか敬語で返事をしてしまった。

 神か、どうかは別として、只者ではないのは確かである。


「信じてないよねぇ?」

「はい・・・そちらの2人も、その・・・神様なんですか?」


 イケメンと美女のことを尋ねる。


「この2人は天使と悪魔だねぇ。こっちが天使のアリちゃんでこっちが悪魔のベリ君。」


 神が2人を紹介する。


「ジン様、こちらの主に使えさせて頂いております、悪魔ベリトでごさます。」

「天使のアリエルです。」


 美人天使は、純白のワンピース姿で背中に美しい羽がある。

 イケメン悪魔は燕尾服で頭から角が生えていた。


(羽? 角? あれ、さっきまであったか?)


 不思議なことに天使と悪魔だと、紹介されるまでは、天使の羽も悪魔の角も認識できていなかった。


(天使と悪魔って、それに神様? ふざけてる訳ではなさそうだけど・・・)


 この神の言っていることは、何故か冗談だと思えない。

 神と名乗るだけあり、オーラ的なものを感じるのだ。


「どぉ、少しは信じたぁ?」

「えっ! 神様ってことをですか?」

「そぉ、神と天使と悪魔。」


 神は順番に指を差して言うが、それに対し何て返事をしていいか困惑する。


「これみてぇ、浮いてるんだよぉ。」

「それって、最新鋭の技術で浮いているんじゃないんですか?」


 確かに浮いているのは凄い。

 でも神を信じさせるほどの超能力ではない。

 

 神ってより地球外生命体(宇宙人)ってほうが納得ができる。

 神は「んー」と人差し指を顎に当て首を傾ける。


 その姿をみて山田はカワイイとおもう。


「じゃさぁ、これならどうかなぁ?」


 神はパチンッ! と指を鳴らす。

 すると真っ白だった部屋が急に、草が生い茂る場所へと変わる。


「おおお!」


 山田は声を出す。


「これでさぁ、信じて貰えたでしょ。」


 驚いた顔で神をみると満面な笑みでドヤ顔している。

 正直、凄いとおもう。


 神は瞬間移動したとおもわせたかったようだが、真っ白な部屋からの草原だったので、単に映像が切り替わったようにしか感じなかった。


「神様ってより宇宙人って方がしっくりきますね。」

「えーーー! まぁしかたないかぁ、取り合えずあそこで詳しい話をするよぉ」


 神は笑いながら、丘の東屋を指差す。


「はい。」


 山田は頷き神たちの後に続いた。


(これはどいう状況だ? 何が起こっているんだろ。)


 歩きながら状況を整理する。


(それにしてもあの天使すごい美人だな。)


 アリエルが超絶美人のため何度もチラ見してしまい、なかなか考えがまとまらない。


 たまにアリエルと目が合うが、微笑みかけてくれるのでついつい目で追ってしまい、ニヤけ顔になる。

 第三者からみたら山田は相当ヤバい奴に見えるだろう。


 そうこうしているうちに東屋に着いてしまった。


 神に「さぁ座って」と言われたが、神が座るのを待ってから自分も席に着いた。

 アリエルとベリトは座らず神の後ろに立つ。


「何か飲もうよ、お茶の用意お願いねぇ。」


 神がそう言うとベリトがテーブの横に移動する。

 指をパチンッ! と鳴らす。

 するとテーブの上にティーセットが現れた。


「おお!」


 山田が驚く。


「チッ」


 気のせいかだろうか? 誰かが舌打ちをしたように聞こえた。


 ベリトが紅茶を入れてくれる。

 その姿は映画やドラマでみる執事のようで山田は見惚れてしまう。


(すげぇ、カッコいいなぁ。)


 ベリトをボーっと見ていると、


「チッ」


 また舌打ちが聞こえた。

 今度は気のせいではない。


(この舌打ちって・・・アリエル?)


 まさかとおもいアリエルを見る。

 するとアリエルがベリトを睨んでいた。

 山田は気付かないふりをしアリエルからベリトに視線を移す。


 ベリトは入れ終わった紅茶を山田と神に差し出した。

 次にケーキを取り分けてくれる。


「チッ」


 またアリエルの舌打ちが聞える。

 ベリトはアリエルの舌打ちなんか気にしていないようでケーキを皿に置き山田と神に差し出し、神の後ろへと下る。


 目の前には、悪魔が入れた紅茶とケーキがある。

 マナーはあるのだろうか?


 神の前だがマナーよりも味が気になる。

 失礼を承知でいただくことした。


「いただきます。」


 山田は紅茶を飲む。


(美味い!)


 次はケーキを食べる。


(これも美味い!)


 がっつかないよう、ゆっくりと食べる。


 あまりの美味しさにベリトを見る。

 ベリトが山田の視線に気付くと、微笑んでくれた。

 その光景を見たアリエルがまたもやベリトを睨んだので、すぐに視線を紅茶へと戻す。


「何をしたらボクのことを神だと信じてくれるのぉ?」

「えっ? あっ、はい・・・」


 紅茶とケーキに夢中になっていたので、急に聞かれ焦ってしまった。


「んー? なにと言われも・・・」


(神様かぁ・・・願い事でも叶えてくれたらか? 願いってなんだろ?お金欲しいとか・・・でもそれって神様ってことの証明になるのか?)


 その他にも色々と考えてみたが、神の証明とは案外難しいものだと気付く。


「わかりました。認めないと話が進まないですよね? 一旦信じますよ。」

「一旦かぁ・・・まぁ仕方ないかぁ。」


 不満気な神だったが、すぐに笑顔になり了承してくれた。


「驚かなで聞いてねぇ。」

「はい。」


(神に天使に悪魔、これ以上何に驚くっていうんだか。)


 と、おもい山田は神の言葉に頷く。


「ジン君さぁ、死んでこの場所にいるんだよぉ。」

「はぁ、俺が死んだ・・・ここは天国てことですか?」


 死んだと言われたのだが、実感がなくどこか他人事のようにおもえてしまった。


「天国でも地獄でもないよぉ、この場所は神と人が対話する場所でぇ、ジン君は魂のみの存在でぇ、ここに呼ばれたんだぁ。」


 神はゆっくりと説明してくれる。


「死んだらみんな来る場所なんですか?」

「誰でも来れるわけじゃないんだよぉ。」


「そうなんですか・・・じゃなんでここいるんですか?」

「ボクが呼んだんだよぉ」


「なんで呼ばれたんですか?」

「それはさぁ、ボクの願いを聞いて欲しいからなんだよねぇ。」


 なんというか意外な理由で呼ばれたようだ。


「俺にお願いですか? お願いって人が神様にするもんじゃないんですか?」

「そうだねぇ、長い年月存在しているけどさぁ、人になにかをお願いをするのは、今回が初めてだねぇ。」


 神はニコニコと笑い両手を合わせ「お願い」というポーズをとる。

 神のその姿にまたも、カワイイとおもってしまった。

 この神には威厳よりも親しみを感じてしまう。


「そういえば、俺ってなんで死んだんですか?」

「死因? 覚えてないのぉ? ほら車でドーンって!」

「あーーーーーーーーーー! あの野郎! ぶっ殺してやる。神様! 俺をすぐに生き返らせて下さい。」


 神に言われ、車に轢かれたことを急に思い出した。

 万引き夫婦に怒りが沸き、椅子から立ち上がって叫んだ。


「まぁまぁ落ち着いて座ってよぉ。」


 神に座るよう言われ、取り敢えず席にはつくが、怒りは収まらない。


「ごめんねぇ。生き返らせる事は出来ないんだ、ジン君の世界では潰れた頭を修復する技術はないんだよぉ。その世界ごとにルールがあってさぁ、それを破ることは許されないんだよぉ。」


 何を言っているのか一部理解できなかったが、生き返るのは無理なのはわかった。


「神様のお願いを聞いたら、その見返りに生き返させてもらうってことは、できないのですか?」


 ダメ元で聞いてみる。


「ごめんねぇ」

「そうですか、それなら仕方ないですね。」


 生き返られないのは残念だが仕方がない。

 死んだという実感がないためか、死んだと聞いたのに何の感情いない。

 

 だが山田を轢いた万引き夫婦には怒りが湧く。

 神の前ということもあり、深呼吸して怒りを抑えた。


「それで神様の願いってなんですか?」


 神の願いを聞く。


「ジン君には、異世界に転生して欲しんだよねぇ。」


「はぁ?」

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