#03 睡眠未来
もうすぐだ。もうすぐ、高校受験がある。今は、赤点も取る実力。大学なんて考えてなかった。
でも、狙えるかもしれない。この能力の型に嵌め込めば、いける。そう確信していた。
ただ、大学に行けたからといって、どうだ。その先は、見えない。
この能力があれば、大学は目指せる。でも、大学に行く意味が、見出だせない。
大学に行っても行かなくても、この能力があれば。この記憶能力があれば、世の中をいける。
今すぐに、能力を活かす方がいいかもしれない。この能力で、誰かのピンチを救った方がいいかもしれない。
ただ、それには障害がある。頭痛だ。大学に行くにも、仕事をするにも、その先に頭痛がある。頭痛がネックだ。
あの記憶法では、頭痛が生まれる。頭痛があっては、どうにもならない。仕事や勉強の出来る男と、頭痛のない人生は、一緒に来ないのか。
睡眠中の記憶で、頭痛がしないこともあった。好きなことを勉強した場合は、スッキリ起きられるみたいだ。
睡眠の先にある未来は、微笑んでいるかな。困っている人のために、役に立ちたい。そんな気持ちが強くなった。
大学に、挑戦することはやめようかな。そう、思い始めていた。
まずは、好きなことを、好きなだけ勉強して、すぐに就寝する。それをしよう。