#13 睡眠王子
メイクやマッサージ。それも、完璧に出来る。もう、一夜づけすれば、何でもできる気がした。
姪っこのお世話もした。だが、それから、足に抱きついて、離れないようになってしまった。
占いまでも、そつなくこなした。もう、何も怖くない。もう、そこまで来ていた。
一番の女友達にも、伝わっていた。今、休み時間になったから、もう来るかもしれない。最近、かなり近寄ってくる。
少し経って、僕の机に来た。綺麗だった。美しさが、歩いているようなものだ。
風が吹いていないのに、吹いているみたいだ。美女のなかの、美女だ。
「配線とか、機械系行ける?」
「うん」
「その他にも頼める」
「うん」
「とりあえず、ウチ来てよ」
「うん」
「今日でいい」
「うん」
「じゃあ、あとで」
「うん。またね」
放課後、家に行った。色々としてあげた。配線を悩むことなく、こなした。
別の日には、機械の操作のため、説明書を寝る前に読み込んだこともあった。そしたら、完璧にできた。
「好きだ」
そうも言われた。それだけだった。それは、4回目に遊びに行ったときのことだ。どの好きだろう。どの好きでも、嬉しいからいい。