表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/30

#12 睡眠達人

 眠い。あくびが何回も出る。お礼はあっても、お札は貰えない。それなのに、無理していた。

 全ては、女子にモテるためだ。クラスメイトの女子の家に、早朝から向かった。

 学校よりも遠い距離だ。反対側というやつだ。まあ、学校までがやや近いからいい。通学距離は、平均よりかなり下だろう。


 チャイムを鳴らす。

『♪ヂリヂリヂリヂリ』

 想像より、鈍い音がした。ドアが開くと、足音やら叫び声やらが、聞こえてきた。

 予想から外れてはいない。だけど、予想のギリギリを攻めてきた。

 妹がいっぱいいた。見えるだけでも、4人はいる。頼んできた女子は、母親の代わりみたいな感じだろう。


 この家庭は、シングルマザーなのだろう。そう解釈した。

「色々お願い」

「分かった。一夜づけしてきたから、任せて」

「うん」

 炊事や洗濯や、掃除など。テキパキとこなした。同時進行でやった。自分でも、自分が何人もいるような気がした。


 家事の中に、妹たちの相手も織り交ぜながら。どんどん、進めていった。

「おいしい」

「たのしい」

「おもしろい」

「すごいすごい」

 そんな声が飛び交っていた。嬉しかった。少しは、女子と仲良くなれた。だから、良かった。

「もう何回か、頼んでいい?」

「いいけど」

 恋には、発展しなさそうだ。これだけ、妹の世話に忙しいのだから。

 疲れはしなかった。だから、楽しいということだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ