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その裏側を見ないで

作者: 七瀬渚


 忘れてほしくないなんて

 気安く口には出せないよ

 あなたの人生を思うなら

 あなたのこれからを見たいなら


 ここにいて

 話を聞いて

 呼んだらすぐに応えてよ

 繋いだ手を握り返してよ

 心細くさせないで


 溢れ出しそうな想いたちは

 どれもこれも

 愛情の皮を被った我儘だ

 気安く口には出せないよ

 あなたの人生を思うなら

 あなたのこれからを見たいなら


 忘れてほしくないなんて

 不可能だと認めてしまいたい

 私の望みの全てが誰かの記憶に残るとか

 そんな都合の良いこと ありはしない


 期待をせず生きようとするほど

 卑屈になるのが虚しいよ

 誰にも知られたくないよ

 あまりにも惨めだから


 それで私は言うしかなかった

 平気なフリなんかして


 好きな道を選びなよ

 振り向かないで

 私のことは心配しないで

 ほら もう手を離して

 あなたの自由を掴みなよ


 平気なフリなんかして

 裏返しの言葉を贈る滑稽な私がいた


 今はただ願うだけだ

 渡したその想いの裏側は決して見ないでと


 忘れてほしくないだとか

 忘れてほしくないだとか

 隠しきれない想いなんて

 春の嵐に紛れてしまえ


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― 新着の感想 ―
[良い点] 忘れてほしくないという想いと、相手を想う気持ち、それがきっと不可能だと思う気持ち、期待せずに生きようとするほど虚しくなる気持ち。 そして、平気なフリをして裏返しの言葉を贈ってしまう自分を、…
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