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壬生千景
千景は目を覚ますとまず最初に熱いお茶を飲む。体の芯から温まり気持ちも目覚める。
シュッシュッと軽快な着物の擦れる音を立てていつものように着付けをする。
普段から和装のため手間は洋服を着るのと変わらない、と言うなり千景は洋服を着る機会がほとんどない。
(着慣れてしまえば楽なのに詩音は嫌がるのよね。)
孫の詩音にも和装を進めるがいつものらりくらりと流される。
(あの子も和装は似合うと思うのだけどねぇ。)
一度、そのことも伝えたがなぜか急に声を荒げて
「それは私の胸が慎ましいってことですか?!」
と、珍しく突っかかってきたのでそれ以来、無理に進めていない。