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第48話:始まり始まり~

剣と魔法が物語の中心では無い、ファンタジーを目指します。

戦闘シーンや格闘シーンが苦手ですので、極力少なくします。


開けて翌日、俺達はエージェントと一緒に昨日の演習場に集まってる。

それぞれの荷車も用意してあって、作業の準備は万全だ。

新しく作る道の王都側の起点が、この演習場になるんだと。


でだ、それはそれとして。

俺達の後ろには、選ばれた騎士団の団員達も並んでるし、演習場の周りは見物客で一杯だ。

出店も出てるし、もう祭りみたいになってる。


「 なんか見物客が多いっすね 」


「 その方が神様の覚えもめでたいじゃろ? にぎやかな方がええ 」


「 そうすかね~? 」


ホワイトとグリーンがお気楽に話してるけど、俺とブラウンはチョット気まずい。

こうなった原因は、俺達二人に在るからだ。


昨日、俺達はお祈りをするために神殿へと向かった、エージェントも一緒にだ。

ブラウンと俺の話を聞いたドリーは同意して、そのまま神殿の奥に向かった。

神殿って言っても神様の像も絵も何処にもない、偶像崇拝は厳しく禁止されてる。

絵や像で金儲けする事なんてないそうだ、もちろん壺も売ってない。

絵が入って無ければ、団子やまんじゅうはOKなんだと。


じゃお祈りをどこでやるかって事なんだが、俺達が最初に召喚された台みたいな所でお祈りやお供えをするんだと。

ピラミッドみたいな台が神様って訳じゃなくて、台は神様が造ってくれたらしい。

お供えはキッチリ消えるんで、今でも神様につながってるのは間違いないんだと。


備えたものが転送されてるのか、それとも原子分解されてエネルギーになってるのかだが。

神様なのか、それとも超文明の施設なのかってのが気になるがんだが追及はしない。

知らなくても良い事は知らない方が良い、好奇心は猫を殺すって言うしな。

獣人化したチルとのお散歩は結構楽しいから、それを無くしたくないってのもある。


それにだ、興味本位で首を突っ込んで無地に帰ってこられるのは、ホラー映画の主人公だけと決まってる。

巻き込まれた連中は、ほとんど助からないんだよ。

その他大勢に属してる俺としては、んなもんに関わりたくはない。


「 それでは明日、道の始まりの地において祝詞を奏上致します 」


台の前でのお祈りが終わったドリーがそう言った。

神殿の長は神殿を離れないらしく、こういった外向きの要件は神官の長が出向くんだと。

俺達はその時、そうなんだな~位に思ってた。



神官長のドリーが祝詞を読んでる、らしい。

らしいってのは俺にはほとんど聞こえないからだ、ブラウンとグリーンも聞こえないって言ってる。

ホワイトはおじいちゃんだからさ。


俺達でも聞こえないって事は、俺達の後ろに並んでる騎士団には聞こえないだろう。

でも、獣人は耳が良いから聞こえてるか?

祝詞は神に捧げるもんだから、俺達に聞こえなくても支障は無いのは理解してる。


ドリーがコッチを向いた、手にはお祓いの棒を持ってる。


「 頭をお下げ下さい 」


俺は軽く頭を下げる、俺の隣に居るブラウンとホワイトも下げてるのは気配で分かる。

後ろからも音がするから、多分併せて頭を下げてる。

さっきから聞こえてた群衆のざわめきが消えたから、そっちも多分それなりに対応してるんだろう。

この国の住人は、神を敬う気持ちが強いんだなと改めて思う。


バッサバッサ音がして、お祓いは終わった。


「 お直りください 」


下げていた頭を上げると、にこやかに笑うドリーと目が合う。

こうしてればそれなりに見えるんだけどな、普段は食いしん坊のキャラにしか見えん。


「 工事のご無事をお祈りしいたします 」


もう一度軽く会釈しておく、今のドリーは神官を演じてるからな。

普段から神官か?

消えていた音が戻って来た、屋台の売り子の声も戻って来た。

式典は終わったって事で間違いないだろう。


「 思ったより大事になっちまったな 」


「 だよな 」


思い思いに散っていく参列者たち、俺達はこの後の工事の準備がある。

ホワイトは腰をさすってるし、グリーンは背伸びしてる。

コッチに来てホワイトは腰が痛くなくなったって言ってるから、癖なんだとさ。


「 まぁ、これで始められるか 」


「 だな 」


正直これでも大丈夫なのかって感じは在る、直接神様のOKが聞けたんじゃない。

それでもこれだけ大騒ぎになると、やるしかないよなって気はしてる。


俺とブラウンが話してる間に、訓練場から走って出ていく5人が居た。

式典が終わるのを待ってた、騎士団から出向してきたメンバーだ。

彼らはこの後始まる工事の目標を設置する係になってる。

これから道を作る、まだ道が無い所で待機するんで、場合によっては魔物の相手をしなくちゃならない。

だから、それなりに選抜されたメンバーらしい。


彼らが先行して良い感じの場所に目印の旗を2本立て、その中央に向かって道を作ってく。

ざっくり道が出来たら、彼らはまた先行して目標を設置しに行くって感じだ。

目標のトープに着くまで、これを繰り返して道を作ってくことになる。


「 カラーズの皆様。 ご準備をお願いします 」


神官の一人、熊獣人の神官が連絡に来た。

小さな熊だ。


「 じゃあ行こうぜ 」


「 あいよ 」


ブラウンは俺が働く会社の社長さんだ、雇い主の依頼には従わないと。

俺はブラウンと別れて自分の荷車へ行く、チルとコイネが何か話してる。

荷台には三人の神官が乘ってスタンバイしてる。


「 マスター。 出発の準備は出来てます 」


「 サンキュー、チル 」


駆け寄って来たチルを連れて、そのまま荷台へ向かう。

そこでは荷台に何か積み込もうとしている神官もいた、荷台の神官へお何か渡している様だ。

神官が多い気がする、護衛の神官は二人で充分だ。


「 何でドリーがここに居るんだ? 」


「 何でって、居るに決まってるじゃないですか 」


道の起工前の式典について俺達はほとんど聞かされてない、式次第とか、何処に並ぶとか、何かしなくちゃいけないとか、全く聞いてない。

神様関係の事は神殿が取り仕切ってるんで、お任せじゃなくて口出せない状態だ。

だから、ドリーが荷台に乗ってるのも聞いてないわけで。


ブラウンと俺が心配した環境破壊に対する神様の反応だが、俺たち以外は誰も心配して無かった。

俺達に言われて初めて、「 そうかも 」 ってなった。

台のとこで神様に祝詞を奏上したんけど、神様からはネガティブな反応は無かったらしい。

俺達は何も感じなかったんんで、そこは神官たちの言う事を信じる。


それでも今日、皆の前で式典をやったのは、皆の前でマスターの能力を示すためもあったんだと。

その辺もよく分からんが、神殿の運営も大変なんだろう。


「 それで、なんでドリーが乘ってんだ? 」


俺は同じ質問を繰り返す、神殿の裏側は分かったけどドリーが居る理由の説明が無かった。

ドリーが言うには、神がお怒りになった時にそれを鎮めるためだと言う。

実にもっともで正当な理由だ。


「 分かった 」


神様関係はよく分からんからお任せするしかない。


「 全員乗ってくれ、始めるぞ 」


荷車には何時も乗っけてる水の樽と食料、それとドリーと神官2人、コイネも乗ってるのを確認する。

荷車の前回り取っ手を握ったら出発準備完了だ、チルは俺の様子を確認して最後に飛び乗った。

祭壇があったところまで進む、祭壇は神官が片づけ終わってるんで何もない。


開始位置について、白線が引いてあったんですぐ分かった、先行組を見る。

白旗を振ってるのが見える、目測で3kmくらいか? 5kmは無さそうだ。


「 ちょと近すぎる気がする 」


家数いてきたブラウンに話しかけると、彼も同じ意見だった。


「 そうだな、もう少し遠くても良さそうだ 」


ブラウンは近くに居る出向組の一人を手招きした、先行組へ連絡させるつもりのようだ。

ちょっくら走って伝えてくれって言ってる。


「 最初はこれ位で良いでしょう 」


振り返ると、ドリーが錫杖を持って立ってた。

乘ったり下りたり忙しいな。


「 皆さんに見える所でお願いします 」


神官長が頭を下げてるんで、走るハズだった犬獣人もお辞儀してる。


「 だそうだ 」


ブラウンが俺の肩を叩く。


「 了解だ 」


ブラウンが離れてくのを待って、ゆっくりスタートする。

まだ周りに関係者やら見物人が山ほどいるから、万が一でも巻き込みたくないからな。



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