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金、金、金の星!金星!

─20年後。


「金星往還機が戻ってきましたよ!マスター!」


資金繰りは結局時間の力でなんとかした。拡張ストレージ一杯に積んだ鉱石!濃酸!投資の125倍の物資を金星から拾ってきたぜ!これでまた色々出来る。

地球や金星の体積は10^12km^3もある。継続的に売り続けるのでもない限り、125km^3なんて僅かなもんだ。


20年間の魔法訓練は出力の絞り方や制御力向上を中心に学んでラグを減らしたり、魔法原論を小脳に叩き込んだりした。

プレイルームは流石に冷却システム不要になった。月面の永久影って寒いんだよ。

代わりにドラム缶一杯の鉛をいくつも買って、鉛の内側をくり抜いて、そこで練習を繰り返してる。


どうしようもなくなった放射性廃棄物は一旦ストレージに仕舞ってある。木星往還機に積んでいって捨てたり、時空魔法を覚えてから時間加速処理をして安全な放射線量になるまで放置したり、地球に置いといてもいいだろう。次に行くのは石炭紀だ。置いておくだけで地層処分になる。処理を他人に頼まなければコストは掛からない。


* * *


さて、金星から持ってきた物資の処理は…今までもやって貰ってたけど、エイダにお願いしないといけない。

魔法の反動である核反応は、うまく特定方向に向けて集束させて、生成物の放射性物質化を防いだり、とても上手く魔法を使えばほとんど核反応を起こさずに済んだりする事も出来る。

が、俺にはまだ無理だ。俺が物資を処理するのは、3歳児が「おてつだいするー」って言ってるのと同じだ。なお、お手伝い対象はプレス工や旋盤工。事故しか起きねえ。

お願いするよ、エイダ。


「マスターが魔法に習熟したら一緒に作業しましょう。今はそのお気持ちだけで十分です。」


エイダ優しい。

使い道はどうしようか。


「まずはクレイドル(ゆりかご)をアップデート、オフトゥン(キングサイズ)にしましょう。」


そのための資金繰りだしね。名前もいい。オフトゥンでずっとぬくれそうだ。


「小規模隔離空間をいくつか。」


時空魔法、次元回収システムに必要なんだっけ。

これは「ストレージ」の応用版みたいなものだ。この宇宙とつなげることが出来る。

量は大したことが無いが、時間の流れが異なる。早い、遅い、がある。時間逆転は高い。宇宙全てを売り払っても逆転時間の隔離空間は買えない。


「次に金星往還機を改造し、対放射線装備と次元回収システム、擾乱隠蔽装置、高度採掘装置を装備したハイエンドモデルにしましょう。地形に合わせた物を金星、火星に送り込みます。資金が貯まり次第、木星、土星、天王星、海王星にも順次展開します。」


次元回収システムは、名前は大仰だがやることは簡単。小規模隔離空間を介して「ストレージ」が各探査機と繋がる。探査機の回収資源がこちらに来る。置きっぱなしに出来るのだ。

それだけじゃない。ストレージ経由で惑星旅行も出来る。体感時間が大きく歪むので年代ジャンプと併用しないといけないけど。


加工作業と売買は一瞬で終わるわけじゃない。

まずはオフトゥン代をお願いしますね、エイダさん。


「かしこまりました。」

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