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金?の力で無双する異世界転生譚  作者: 世難(せなん)
第二章 ~『原点』~
58/216

『騎士団』

20/02/01 ちょっと修正。

 俺が滞在していた部屋は、北西の区画の川沿いにある集合住居の一室だったようだ。



(……あんま使った事なかったけど、あるとやっぱ便利なんだな)



 外に出て、一番最初に探したのは見張り塔だ。もっとも探すまでも無く、正面の方に有ったが。






 見張り塔の屋根は、一部がカラーリングされている。


 他領は知らないが、フロードの場合、


『北西・赤』

『北東・青』

『南西・緑』

『南東・黄』


……と、なる。


 この方角の色分けは、3階以上の建造物には義務付けられていて、各防壁や領主館、時計塔も同様だ。


 他に背の高い建物が無いので、これさえ知っていれば、迷子にはならない。フロードの子供達が外に出た時に、一番最初に教えられる知識だ。






 先頭がランフェス。次いで俺。最後にシャリアが戸締りをして、階段を降りる。ナスタは俺の中に戻った。


 戦場では珍しく無いようだが、顕現にマナを消費する為、街中で精霊を出す人は少ない。



「……アーリス」


「え? あ、すいません」



 階段の終わりで、シャリアの代わりに、ランフェスがエスコートしてくれた。



「ほっ、と……ありがとうございます」


「2日も寝ていたんだ。気をつけた方がいい」



 それほどフラフラしている自覚は無かったが、側から見ると違うのかも知れない。



(……うぇ⁉︎)



 足元とかを確認する為に辺りを見回すと、何故か注目を集めまくっていた。



(何で⁉︎)


《……領主代行がエスコートする貴族》


(え?)


《情報操作の一環でしょ。気にしなくていいわ》



 当人の知らん所で、ランフェスの謀略は着々と進行しているらしい。



「アーリス様、こちらへ」


「あ、うん」



 ちょっと立ち止まっている間に、シャリアは既に馬車に入っていた。中から手を差し出している。


 その先導の手をしっかり掴んでからタラップを踏み、馬車に乗り込んだ。



「行き先を変更する。地図のこの場所へ行ってくれ」



 ランフェスは騎手と交渉し、最後に乗車する。



「……よし、出せ」


「はい、では出発致します」



 ガタガタと馬車が動いた。



「移動の間に、幾つか説明を進めたい」



 座る配置はこの前と同じ。対面に座るランフェスが話しを切り出した。



「騎士団の階級だが、団長はアーリス、君だ。ナウゼルグバーグ討伐の功績を認める」


「あ! それなんですけど、俺の他に「知っている」」


「……はい?」


「既に本人と交渉してある。名誉よりマナを所望する、との事でね……名乗りを上げて目立ちたくないそうだ」


(……逃げやがった!!)



 何て賢い奴だ。半分くらい押し付けたかったのに!



「単独であればともかく、君が居るからね。無理に名乗らせる必要はない」


(ぬぐぐ……)



 仕方ない、気持ちはわかる。いい歳した大人が、子供の騎士団の相手をするなんて、面倒でしかないだろう。



「次が団長補佐、専属近衛だな。この位置に君の嫁達が入る予定だ。専任侍従のソシエは内定しているが、最終的な任命権は君にある」


「構いません。リリアも良いですか?」


「問題ない。後で任命証を発行し、本人に掌上し給え。その次が副団長、ユーシャ、ベイン、ニックの名が上がっているが、君の方で不満はあるか?」


「特にありませんけど……10歳だけですか?」


「組織行動に紋章は必須となる。成前式を終えていて、紋章を保有し、明確な職にまだ就いていない者を対象にした。……11歳以上は概ね定職を得ていたし、転属を希望した者は居なかった」


(……にゃるほど)


「加えて、組織大きくし過ぎても、維持費がかかるだけだ。今想定している規模であれば、3年は大丈夫だろう、とナスタ嬢から保証された」


(――ブッ! ナスタ⁉︎)



 内心で盛大に噴いた。



《給金の形態とかも、ランフェスと既に詰めてあるわ。騎士団の経理は私とシャリアでやるから、心配しなくても良いわよ?》


(いやそうじゃなくて、ふっかけ過ぎじゃない? 組織の維持費3年分とか……)


《……マナプレートを青まで染めておいて、何言ってんの? あれだけで赤石100個分のマナ量よ?》


(赤石って、マナ石だよな……ッ⁉︎ 赤⁉︎ 100個⁉︎)



 想像以上の量だった。因みに一般的な大人の月給は、確かマナ石の青MAXくらいが目安だった筈だ。



「……何やら呆然としているようだが、大丈夫か?」


「アーリス様? お気が優れないのでしたら、横になりますか?」



 ススッ、とシャリアが膝を揃える。


……何でこの娘は、こうも誘惑が強いんだろう。無茶苦茶柔らかそうなんだけど……、



「……大丈夫、平気」



 鉄の自制心。家に戻ったら是非お願いしよう。



「団員の詳細は後で名簿を確認してくれ。業務は副団長達に説明済みだ。大人達から引き継ぐ為に、色々学んでいる所だろう」


「……え? もうみんな働いてんですか⁉︎」


「……? 当然だろう? 遊ばせる理由が無い」



 やばい、状況の推移が早すぎる。ナスタが急かす訳だ。



「……って、聞いてると、俺が居なくても平気そうなんですけど……」


「実際、その通りだな」



 ヲイ。



「……レーゼルと同様に、君にも『突進癖』のようなものがあるようだ」



 ランフェスが黒くニッコリする。



(あ、藪蛇)


「少々組織形態を変更し、君が前面に出なくて済むような形に直した」


「……お手数をお掛けしました」



 深々。



「君に期待するのは、組織の維持。軍資金の調達だな。先程の入浴方法のような奇抜な発想で、儲け話でも考えてくれ」


「……りょーかいです」



……無茶振りされた。


 ナスタに「頭振れば出そう」とか言われたが、本気で捻り出す必要がありそうだ。

20/02/01 修正箇所は『2階以上→3階以上』です。

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