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金?の力で無双する異世界転生譚  作者: 世難(せなん)
第一章 ~『転生』~
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『種族特性』

 全員で連れ立って、衝立から撤収した。


 元のテーブルまで戻って、シャリアの紅茶でティーブレイク。香りを楽しみながら喉を潤し、()事無(ごとな)い感情の諸々を整理する。



(……は〜〜……安らぐ……)



 色々あった……と言うかあり過ぎたが、取り敢えずシャリアの精霊で、精神欲求への対処が可能である事は確認出来た。



(なるべく早く、負担を掛けずに済むようになりたいけど……無理かなぁ、この娘ら個性光り過ぎなんだよね)


 天然と純粋の2属性。勝てる気がしない。


 2人でこれである。ランフェスがどれだけ手を回しているか、想像すると頭が痛い。



「……シャリア。座って貰える?」


「……はい」



……思い出させるのもあれだが、言わない訳にはいくまい。道理が通らん。



「……ごめんなさい。変なことさせて……」


「いえ……お気になさらないで下さい」


「なるべく……なんだ、負担かけないようにしますので、また何かあったら、宜しくお願いします」


「……アーリス様は、異種族に思うところは無いのですか?」



 シャリアに質問された。本当に不思議そうだ。


 残念ながら、質問の意図が読めない。



「その……騎士団の目的は、一部説明を受けてます」


「……あ〜、うん。無茶な事考えるよね」



 頭の回路が常人とは異なる。追いつける気がしない。



「いえ、異種族を複数人娶ることに、アーリス様は抵抗が無いのですか?」


「……正直に言うと、抵抗は有るよ」


「………………」


「理性が保たん」


「…………え?」


「さっき手伝って貰ったばっかりだから、説明するまでも無いけど、欲求を抑えられる自信がありません」


「……いえ……」


「このまま成人したら、シャリアに襲い掛かるんじゃないかな?」


「……あの……///」


「いや、俺、自分の事『理性』の人だと思ってたんだよ。まさかこんなケダモノ的な本能が眠っているとは……」


「あの! 違います。アーリス様」


「はえ?」


「そうではなくて、異種族に思うところは無いのかと……」



……ああ、質問の枕は『娶る』じゃなくて『異種族』に掛かるのか。


……え? わかんねえ、何を聞かれてんだ?



「異種族と人間の婚姻が上手くいく事って、まず無いのよ」



 ナスタ参戦。



「……え? 無いの?」


「よっぽどの富豪でないと無理ね」


「何で?」


「1番の原因は、マナに対する価値観……と言うか、使い方が違うの」


「使い方? なんだそれ?」


「睡眠でマナはある程度回復するわ」


「……まあ、不思議じゃ無いな」



 マナを活力(エネルギー)と考えれば当然とも言える。生きているだけで、消耗もしてるだろう。



「人間を1として、異種族は100」


「? 何が?」


「睡眠でのマナの回復量」


「うぇ⁉︎」



 思わずリリアに目をやる。


 あの娘は今、常人の100倍速でマナを回復しているらしい。


……全然休めてる感じがしない。



「異種族はそのマナを『生きる』為に使ってるわ」


「……人間と変わらんだろ、それ」


「違うのよ……『種族特性』。人間はそう呼ぶわね」




 倭人族(ドワーフ)は『身体強化』。


 長耳族(エルフ)は『長寿延命』。


 獣人族(セリアン)は『五感強化』。


 有翼族(エルゼン)は『飛翔能力』。




「お〜、成る程! ちっこい身体の不条理パワーはそれが原因か」


「……『ずるい』と思われませんか?」


「え? いや、別に。謎が解けてスッキリしたけど?」



 エルフが長命もよく聞く話だ……が、理由まではあまり見た事が無い。


 まあ、そりゃそうだろう。理由も無く長命であったり、腕力が強かったりする筈もない。ちゃんと、人間とは違うところで、活力(エネルギー)の様な何かを必要としていたらしい。


 相応の効率・特徴を求めた身体になるのも、不思議ではない。


 進化とはそう言うものだ。



「……アーリス様は不思議です」


「……へ?」


「何の徒労も無く優位にある者を、人間は容易に認めたりしません」


「自分より優れたものに、人間は嫉妬するの」


「多数の強者に迎合し、少数の強者は概ね排除の対象となります」


「基本的に、有事に備える生き物なのよ。だから、マナを溜め込む」


「異種族は、その能力の為に絶えず消耗しています」


「信じられない浪費家に見えるんでしょうね〜」


「外見もそうです。……これは、人間だけに限りませんが……」


「女なんか特に凄いわよ? 内心どろどろでしょうね」


「……フルボッコじゃねーか」



 異種族の2人によってボロクソに叩かれる人類。


 まあ、確かにせっせと貯金している隣で、豪快に使い捨てる様を見続けるのは……、


……キツイ何てもんじゃねーな、これ。普通に無理だ。



「……だから、馬鹿みたいにマナ持ってる俺に白羽(しらは)が立ったのか」


「……それだけじゃないでしょ?」


「……まぁな」



 貴族連中を黙らせる領主の息子という肩書き。


 領葬でタイミング良く姿を消せる領主血族。


 領民がひとまず納得する解りやすい理由もある。



「本気で隙が無いな……、どんな脳味噌だよ」


「……別の事考えたっぽいけど、まあいいわ」


「あぬ?」



 別の事って何だよ?



「……アーリス様はよろしいのですね? 異種族を娶っても……」


「え……あ、うん。俺の方に不安はあっても、不満は無いよ。寧ろ、リリアとかシャリアが嫌がってないかの方が心配だ」


「私は大丈夫です…………あの……頑張ります///」



「何を」と、とても聞きたいが、セクハラだろう。


 自重すれ、俺。



「……そういえば、ナスタ」


「何?」


「『風』の属性って何が出来「ん〜〜、よく寝た〜〜!」」


「……あれ、アーリスもう起きてる。おはよう〜」



 リリアが起きた。手を振っておはようしてる。


……相変わらずデンジャラスな娘だ。溢れそうである。


 シャリアに世話になったばかりだと言うのに、ここで瓦解する訳にはいかぬ。


 ぐぐっ、と回復した精神メーターを使用して、鑑賞の欲求を耐える。 



「リリア様、お召し物を」



 シャリアが侍女としてリリアの世話を始めた。


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