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金?の力で無双する異世界転生譚  作者: 世難(せなん)
第一章 ~『転生』~
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『昇華』

 衝立の向こうのナスタから、呼び出しを受けた。


 2人を起こさないように、静かにそそくさと移動する。


 到着して覗き込んだそこには、親指立てた笑顔のナスタと、耳の赤くなったシャリアが居た。



(……ナスタさん、どの様な説明を?)



 不安過ぎる。聞かずにはいられない。



《うん、座れ》



 怖いです。答えになってねーし。


 大人しく不浄箱に座る。貴族の使う物なので、かなり綺麗で装飾もしっかりした物だ。ちゃんと椅子として使える。


……気持ち的にもぞもぞするけど。


 着席すると、目の前にシャリアが跪いた。



「あの、シャリア? ナスタがどんな説明したか知らないけど、無理にとは言わないから……」



 そう言って、断れる余地を示したつもりだったが、返って決意が固くなったらしい。


 キリッ、と顔を上げると、服の前を開いて下着を露わにした。



「ーーーーッ⁉︎」



 咄嗟に両手で口を塞いで、驚きを塞きとめる。



(んなーーーーっ⁉︎)



 胸中はパニックだ。慌てて視線を逸らすと、



「……見て下さい」



 シャリアが何か言った。



「その……興奮して頂かないと、効果が判りませんので……」


(そういう⁉︎)



 試練過ぎる。



《ほら、シャリアが身体張って頑張ってるんだから》


(そんな簡単に……)


《時間無いの! 2人が起きちゃうでしょ?》



……それはマズイ。こんな所見られたら言い逃れ出来ん。


 シャリアも恥ずかしいだろうし、ちゃちゃっと終わらせよう。


 申し訳ない気持ちで一杯になりながら、シャリアを見る。



(……やば)



 何と犯罪チックな光景。


 侍女服の前を開いて胸元を露わにし、跪いた少女が居た。


 肌はやはり焼けたのでは無く、元々のようだ。胸の谷間の向こうまで色が続く。


 レース編みに似た拵えの白い下着が眩しい……って違う!



(ナスタさん! シャリアに精霊! 早く!!)



 十分興奮してるので効果は測れる……というか限界が近い。口を塞いで喋れないので、ナスタに指示を飛ばす。



「……シャリア、その下着、ちょっと捲れる?」


「「ーーーーッ⁉︎」」


(ナスタ⁉︎ 何を「慣れなさい」)


(え?)


「視覚から得られる性衝動に慣れるの。毎回シャリアに頼めるとは限らないんだから、慣らして耐性を付けていくのよ」


(無茶だろ⁉︎ 興奮するなってのが無理!)


「だから、慣れろ。……シャリア?」


「……は、……はぃ……」



 消え入るような返事。当然だろう。見てる俺も恥ずかしい。


 意を決して、シャリアが下着に指を掛けて……ボタンを2つ外した。



(飾りじゃ無いのかよ⁉︎)



 縫い止められた物かと思いきや、フロントホックのような物だったらしい。


……目が離せない。釘付けである。



「……いいわ。そのまま精霊を使って」



 シャリアが、ゆっくり両手を広げて近寄ってくる。


 胸元は開いたままだ。


 ボタンが外れて、開いた下着の隙間に…………見えた。



(わーーーーーーっ⁉︎)


《うっさいわね。将来の相手に……》


(いや、まだ決まった訳じゃ無いだろ⁉︎)


《決まったわよ?》


(いつだよ⁉︎)


《さっき。あんたはソシエじゃなくて、『シャリア』の主人になった》


(同じだろ⁉︎)


《全然違うわよ。幼名では無く成名の、生涯使う名前の主人になったの》


(………………あっ!)


《シャリアが自分の意志で望み、あんたが尊重すると了承した。まさか「勘違いだから無効」何て言わないわよね?》


(……マジかよ…………シャリアが?)



 俺は自覚が無いまま、シャリアを2人目に決めてしまったらしい。


 そして、今自覚した。


 視点が切り替わる。


 侍従の娘から、将来の相手に。



(……待て俺、想像すんな。メーターが振り切る)



 心頭滅却。


 煩悩退散。


 色即是空。


 シャリアの両手が俺の頭を優しく捉えた。



(……空即是色ぃ〜〜っ、近い〜〜ッ!)



 無駄な抵抗だった。目の前にシャリアの顔がある。


 真っ赤っかで、もういっぱいいっぱいなのが見てとれるが、こっちも同じだ。


 リリアが天然なら、シャリアは純粋(ピュア)。系統の違う美少女が、半裸に等しい姿で、こっちを潤んだ目で見てる。


 何だ? この美少女ゲームみたいなシチュエーションは。



《……才能あるわね、この娘》


(何の⁉︎)


《男を駄目にする才能》


(意味わかんねえよ⁉︎)


「……行きましぅ///」



 極度の羞恥で語尾チェンジしてしまうシャリア。


 淡く水色の光が視界の端に灯るのが見えた。



「《昇華》」



 シャリアが唱えた途端、効果が出た。



(うおっ!……すっげぇ、これが精霊か!)



 欲求を抑えるのでも、消すのでも無く、そのまま高めて弾けさせられた。まさしく『昇華』だ。


 期待以上の効力に感動する。



「凄いよシャリア! 効果があった、ありがとう!」


「本当ですか? お役に立てて良かったです!」



 主従2人で手を握って感動を分かち合う。



「……アーリス」



 そこに水を差すように割って入るナスタ。



「? どうした?」


「下」


「下? ーーッ!!」



 言われるまま視線を下ろして、大袈裟に外してしまう。



「……え? …………はわっ⁉︎」



 気付いたシャリアがそそくさと着衣を直す。



「…………あの……」


「……すいません。もう一回お願いします」


「……はい///」



 食欲や睡眠欲と違って、解消すれば暫く発生しないという訳では無い。


 切っ掛けがあれば容易に再燃する。


 ナスタの言う通り、ある程度耐性の方も考えないとマズそうだ。

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