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金?の力で無双する異世界転生譚  作者: 世難(せなん)
第一章 ~『転生』~
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『駆け引き』

 マナプレートに青色が出始めた。



「お、青くなって来た!」



 ユーシャが少し興奮気味に叫ぶ。


 それと同時に、順調に変化していた色が、ここに来て伸び悩み始めた。



「ナスタちゃん、がんばって!」


 リリアが両手で拳を握ってエールを送る。


 しかし、応援虚しく、青は中程で完全に止まってしまう。



《ーーーーわっ!!》


「うひっ⁉︎」



 ナスタがいきなり大声を上げた。驚いて飛び上がる。



「ここまでね、これ以上は負担が大きいわ」



 しれっと、何事も無いように供給を止めた。



(……先に説明して頂いても宜しかったのでは?)


《うっさい。いいから早くふらふらしなさい》



 ひどい。


 額に手を当てて俯いて、目を半眼に閉じる。



「……ッ⁉︎ アーリス! 大丈夫⁉︎」



 多少の睡魔も相まって、割と迫真に近い演技になったらしい。


 気付いたリリアが、俯いた俺を心配する。



「……平気、ちょっとフラッとしただけだから」


「負担の無い程度で良かったのだが……」


「この後寝るんだから、構わないわよ」



 何と無慈悲な物言い。



「……まさか本当に、マナプレートで青まで到達する程補充出来るとは……やはり想像を越えるな、君は。ありがとう、これでかなり楽になる」



 気怠げな表情のまま、ランフェスを見遣る。


「足りたみたいで良かったです」と返して、そのまま背もたれに寄りかかり、上を向いて腕で両目を隠す。


 ランフェスの表情は確認した。


 柔らかな微笑の割に、視線は鋭い。



(……バレてる?)


《……最初が「うひっ⁉︎」だったし……》


(俺の所為かよ⁉︎)


《何であんたって、いちいち声出して突飛な反応するの?》


(いや、驚くだろ! というか、ナスタが驚かしたんじゃないか!)


《身体をちょっと、ビクッとさせるだけで良かったのに……「うひっ⁉︎」だなんて予測出来る訳ないでしょ?……それで?「うひっ⁉︎」って何よ?「うひっ⁉︎」って》


(そんなに追求しないでいただけます⁉︎)



 先生、ここに精神専門のいじめっ子がいます。



「アーリス、もうお布団行く?」



……もう1人ヤバイ娘がいました。


 耳元でなんちゅう台詞を囁きやがるか。



(……俺、成人まで我慢出来るかな?)


《……お布団行こ♡》


(やめーや)



 ナスタも結構いい声なんだよ。洒落にならん。



「そうだな、仮眠して調整しよう。……3時間と少しで、一度起きられるか?」


「……それぐらいなら、俺が起こすよ。このまま本読みたいから」



「3時間じゃ寝た気がしないし」と言って、ユーシャが目覚まし役を買って出る。



「任せよう。では、アーリス、19時頃にまた来る」



 ランフェスがマナプレートを回収して退室した。



「アーリス。あたし、不浄箱借りるね〜」



 と言って、リリアがマナ石を持って衝立の裏に移動した。程なく結界が張られる。



「……本格的に眠そうね、あんた」


(お芝居じゃ無くなってきたな……)



 真面目に気怠い。



《結構抜いたから、疲れてもしょうがないわよ》


(………………)


《初めてだったんでしょ?》



……マジ勘弁なんだが。



「おまたせ〜、アーリス、一緒に寝よ?」


(………………)



 頼むぞ、本当に。



「……って、本当に一緒に寝るのか⁉︎」


「……? うん」


「将来のお嫁さんなんだから、別に構わないでしょ?」


「えへへ〜///」


「いや、照れてないで⁉︎ ……ユーシャ!」



 駄目だ。俺1人じゃ太刀打ち出来ない。


 この場のもう1人の男子にヘルプを要請する。



「ごゆっくり〜〜」



 まさに、『ノシ』といった感じで、投げやりに手を振りながら、既に読書なユーシャ。何て使えない奴。


 あれよあれよと、寝台まで連行されてしまう。



(だから、リリア腕力強い!)


《倭人族だからねぇ……》


「……ぃよいしょっと!」



 掛け声は可愛いが、やっている事は豪快だ。


 頭1つ違う俺を担いで寝台に下ろす。



「ぬぉっ⁉︎」


〈ボフンッ!〉


 いい音と共に身体が沈む。そこに……、



「え〜い!」



 リリアがダイブしてきた。



「んなっ⁉︎」



 思考の処理が追いつかない。


 咄嗟に下に回り込み、両腕を広げて受け止める。


〈むにょん〉


 けしからん効果音で着地するリリア。



「いたた……ちょっと打っちゃった」



 と言って、自分のおっぱいをさする。



(あかん、この娘マジやばい)


《将来が楽しみね〜》


(そこまで生き残れるか不安なんだが……)



 理性メーターの残量が足りない。


 開き直って寝てしまいたいが……、



「ん〜しょっ、と」



 俺の上に乗ったまま、ぶるんっ、とリリアが上着を脱いだ。



(なん……だと?)


《……服を脱ぐ音じゃ無かったわよ……今の》


「なぁ、アーリス〜、こっちの本って続き無いの?」


「知るか! 今忙しい!」


(かぶ)り付きじゃないのよ!》


「黙れ! 俺は男だ!」


「いや、性別関係ないだろ?……ん〜、こっちにするか」


「アーリス、お待たせ〜」


「よし、来い!」


《寝ろ!》



 ナスタが何かしたのか、急速な酩酊感に気付いた時には、既に昏倒していた。


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