表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
金?の力で無双する異世界転生譚  作者: 世難(せなん)
第一章 ~『転生』~
23/216

『妖精ナスタ』

 レーゼルの部屋に入ると、二人は探検を開始した。


「お〜、おっきい寝台だね!」

「……でっけー本棚、いいなぁ……」

「すごい、ふかふか〜!」

「……騎士関係ばっかだな……」

「ユーシャ! すごいよ⁉︎」

「……ん〜? ……ん〜、すごいな……」

「ちょっと、本読んでないでこっちこっち!」


……騒がしすぎる。


 幸い、東住居棟の二階に私室を持っているのは、レーゼルだけだ。


 周りから苦情が来る事は無いと思うが、執事や侍従に二人がいる事がバレるのは、まずいような気がする。



「……何故二人を?」



 二人に同行を願ったのはランフェスだ。


 レーゼルの部屋の入り口、横に並んで立っている隣のランフェスに聞いてみる。



「……少し話がしたい」


「……二人にですか?」


「ああ……だが、先ずは君だアーリス」



 いい笑顔で俺を見下ろすランフェス。


(あかん)


 怒っていらっしゃるのが、まざまざ感じられた。



「ユーシャ、リリア嬢、君達もそこの椅子に座りなさい」



 ランフェスが二人に寝台の横の椅子を勧める。俺とランフェスは朝食の時の椅子だ。


(……近い、逃げられん)


 ランフェスのオーラを感じたのか、やや緊張気味に姦しい二人も座った。



「さて……、何故勝手に契約した?」



 何故、と言われても、



「……なんか緊急事態っぽかったので、妖精の勢いに押されて……」



 断れる雰囲気じゃなかったし……。



「……妖精? 精霊では無いのか?」


「……妖精か聞いたら、「そうだ」って……あれ?」



(そういえば、あの妖精どこ行った?)



《いるわよここに》


「うぃゑ⁉︎」



 変な声が出た。


「どうした⁉︎「なんだ⁉︎「……アーリス?」」」


 三者三様にどよめく。



「……あ、いえ……ちょ、ちょっと待って」



 自分でもはっきり判るくらい混乱してる。



(…………『其処』に居るの?)


《ええ、『此処』よ》



 あの時の妖精が、俺の頭の中に居た。



(…………出てって貰えます?)



 本気で勘弁してもらいたい。



《しょーがないわね、マナ使うけど良い?》


(落ち着かないので、お願いします)



 スゥっと、何かが抜ける感覚、


「な⁉︎「何だ⁉︎「かわいい!」」」


 俺の少し横に、ハタハタと羽根を羽ばたかせた、さっきの妖精が出現した。



「出たわよ、これで良い?」



 オッケーです。……ランフェスが頭抱えてるけど。



「……アーリス、これは何だ?」


「妖精さんだそうです」



 俺もそれしか知らん。



「ナスタよ。よろしく」


(……あの無駄に長い名前は何だったんだ)


《無駄って……真名は契約者にしか明かさないわよ》


(……え? 何で出てったのに聞こえんの?)


《契約で『繋がった』からでしょ》


(…………解約って出来ますでしょうか?)


《神に奏上して通った契約が解けるか!》



……怒られた。


 契約書は隅々まで確認しろ、と指導してくれた誰かの言葉を思い出した。


……そんな状況じゃ無かったけど。



「解約は出来ないそうです」



 今しがた発覚した事実を、ランフェスに報告する。


「……アーリスもう精霊と契約したのか」

「良く分からないけど、すごいの?」

「貴族しか精霊と契約出来ないんだ」

「そうなんだ! すごい!」

「リリアもそのうち出来るんじゃないか?」

「そうなの?」

「リリアのじいさんって、精霊使える名医だろ?」

「うん! おじいちゃんはすごいよ!」

「そのじいさんの孫だから、きっと出来るぞ!」

「やった!」


「……ナスタと言ったか、君の属性は?」


 色々と諦めたのか、現状把握に徹することにしたのか、ランフェスが事務的にナスタに聞いた。



「……『風』よ」



 ランフェスが大きく息を吐いた。



「……風って?」



 そもそも属性とは何ぞや?



五精族(エレメント)の属性の一つよ……あんた、本当に資格ないのね」


「……資格が無い? それでは契約出来ないだろう?」


「『神に奏上したのよ。』ほかに手段無かったもの」


「……………………」



 ランフェスが絶句した。



「……『神に奏上』って何?」



 ただの祝詞じゃ無かったのか?


 事情を知りたいのは、俺も同じだ。なので、固まったランフェスの代わりに聞いてみる。



「神さまに契約の仲介をお願いするの。普通は通らないけど、あんたは『経路(パス)』がある」


「……経路(パス)?」


五精族(エレメント)には見える……ううん、なんとなく分かるの」



 どうにも要領を得ない。焦れったくなってきた。



「でも、あんたは違う。はっきり残ってる」




 次のナスタの発言で、今度は俺が絶句した。




「……あんた、『神さまと約束』でもしてんじゃないの?」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ