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金?の力で無双する異世界転生譚  作者: 世難(せなん)
第一章 ~『転生』~
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リリア『休憩の無い1時間』


リリアは全力で走っていた。


(あたしの所為で……ッ、レーゼルが死んじゃう!!)


そんなのは絶対にイヤだった。


ユーシャから事情を聞いて、自分の斧では倒せない相手だとわかった。


戦えない自分に何が出来る?


出来るだけ早く助けを呼びに行く事だ。


ユーシャに盾と斧を預けたリリアは、街までの最短距離を走り出す。


ここは結界柱の手前、森の最深部。


2時間以上かけてここまで来た。


子供の脚で駆け抜けられる距離じゃ無い。


同じ時間を掛けて、みんなで戻っていたら、間に合わない。


でも、矮人族(ドワーフ)の自分は違う。


異種族は人間に比べて頑丈だ。


斧と盾を持っても、まだ体力に余裕がある。


だから、ひとりで行く事にした。




……それでも、




『間に合わないかも知れない』




(ッ、……レーゼル、〜〜ッ! レーゼル!!)


泣いてはダメだ、前が見えにくくなる。


そう思っても、留められる物じゃない。


拭う時間すら惜しいと、懸命に腕を振って前に進む。


夕暮れが深くなる。


夜が近い。


もうすぐ太陽の代わりに、太陰が空に昇る。



「待って! やだッ! 待ってよッ!!」



ナウゼルグバーグは黒い靄の魔獣。


夜が来れば、黒い靄は見えにくくなってしまう。


レーゼルが避けられなくなってしまう。



「やだ…………やだよ、まにあって……まにあわせて!」



急ぐ。


只管(ひたすら)に。


森を抜けて、


道を過ぎて、


街へ、






ーーリリアは辿り着いた。







「ーーッ、ソギルさん!!」




[17時15分]


リリアは休憩の無い1時間を全力で走り切った。


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