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その3

とうとうやって来ましたロズレレユニオン。

先輩の口車に乗っかってしまい、どうしても嫌だ、と思っていたあのロズレに来てしまいました。


「じゃあ改めて、ロズレレユニオンへようこそ!まずは自己紹介からしていこう!まずは会長から!」

と、相場先輩がとってもいい笑顔で私に微笑んでいます。

その笑顔は私でなく他の女子に見せてあげてください。先輩の笑顔なら金払ってでも見たいって女子いっぱいいますから。もったいない。


「私は綾瀬(あやせ)梨香(りか)、三年生。会長をしているよ。今回は芹沢さんを強引な手段で連れてきてしまってごめんなさいね。キャンディーは自己紹介が終わったらあげるから、許して?」

こてん、と首をかしげている、このスーパーウルトラナイスボディでめちゃくちゃ美人なのがこの学校が誇る薔薇(ロズレ)の会長。

美人から首をかしげて目をパチパチさせながら許して?と言われたらどんなことでも許してしまう。許してしまった私が憎い。美人とか美形とかに耐性ないんですよ。前世も前々世も私は美人って訳ではなかったし、彼氏とかもずっといませんでしたから。

そうそう、今世の私は結構顔のパーツが整っているんですよ。だからこそ分厚いだて眼鏡をかけているんですけどね。


「もう知ってるけど一応、相場(あいば)(しょう)です。現在二年生で、副会長兼議長です。そして芹沢さんをロズレに(さら)ってきた張本人です。よろしくね」

パチン、と右目を瞑ってウィンクをしちゃいましたよこの腹黒イケメン。

似合っています。超似合っています。でも私は欲していません。需要と供給が合っていないんですよ、副会長。


「会計の綾瀬(あやせ)当真(とうま)。芹沢とは同じクラスだ。会長の弟でもある。無理矢理でごめんな。これからよろしく。」

と、キラキラエフェクトが見えるくらいの笑顔でこちらに話しかけてきた。

そう。目の前のこの明るいポジティブイケメンはこの地味な小娘と同じクラスなんです。

誰かにこの座を譲ってしまいたい。私は要らない。隣クラスは比較的一般生徒が多かったんです。そっちにいかせてくださいよ。


長谷川(はせがわ)蝶子(蝶子)よ。今は三年生で、当真と同じく会計をしているわ。副議長も兼ねているわね。受けたからには仕事、頑張ってちょうだい。よろしく。」

こちらの方はクールビューティー、と言うか多分ツンデレですね。しゃべり方、立ち方、その身から溢れんばかりのお嬢様オーラが彼女がいかに素晴らしいかを語ってくれる。

彼女が漫画とかに出てきたら知的な悪役令嬢になりそうです。絶対にそのつり目にはドリルが似合います。というか蝶子様のドリル、めちゃくちゃ見てみたいです。楽しそうです。


古川(ふるかわ)(さとし)です。芹沢さんと同じく1年生で、書記をしています。えっと、良かったら仲良くしてください⋅⋅⋅ね?」

もじもじしながら、少しテレながらこちらに微笑んでくれている、このショタな天使様とは確かクラスが2つも離れていたはず。

天使様、間違いなく草食系だと思います。男の子ですが、成長期が少し遅れているようで、155センチほどしかない。私は160なので私より背が少し低いです。声もまだ高いままですね。

こう評価しては本人は嬉しくないかもしれませんが、可愛いです。ロズレの癒し、天使です。


「私も聡くんと同じく書記をしています、二年生の(たき)玲子(れいこ)です。芹沢さんは私たちと一緒に仕事をしてもらうことになります。よろしくお願いしますね」

天使様、もう一人いました。いや、天使というより女神です。女神様です。

雰囲気が柔らかく、お淑やか。蝶子様が悪役令嬢ならば玲子様はヒロインですね。お転婆じゃなくて、全力で守ってあげたい系の。

よく見たら玲子様には所々絆創膏が貼ってあります。ドジなんでしょうね。可愛いです。

ふわっふわのパーマをかけて、髪の毛の色素を少しばかり薄くして、フリルいっぱいのドレスを着せたいです。蝶子様とセットでいたら絶対に合います。この二人のフォトブックならば速攻売れます。絶対に。


「改めまして、芹沢(せりざわ)蓮歌(れんか)です。引き受けたからには仕事は精一杯頑張るつもりです。よろしくお願いします。」

言い終わって、90度の礼をした。分離礼大事です。喋り終えてから礼をする。これ基本です。

二人も兼業しているなんて、本当に人数が足りないのですね。驚きました。


「それでは芹沢さん、はいこれ、約束のキャンディーだよ」

やっと来たか!待ってました!

少し気を抜いてしまって、漫画ではシュタッのオノマトペが描かれているような感じの速さで相場先輩の方へ顔を向ける。

ぶふぉ、と綾瀬当真が吹き出した。今でもピクピク震えている。失敗してしまいました。感情を表に出さないようにしているんですよ、この姿の時は。やってしまったからにはしょうがない。放置です。


「あー芹沢さん!蓮歌ちゃんでいいかしら?蓮歌ちゃんこっちへいらっしゃい!期間限定山葡萄味のがここにあるわよ~いま箱を開封するより、こっちの方がいいんじゃないかしら?」

ピクピクと耳を動かして、またシュタッと今度は梨香様の方へ振り向く。

またやってしまいました!

ゆっくりとした足取りで梨香様へと近づく。好意で接してきた人には好意を返すべし。ここは笑顔でお礼を言わなければ。


「綾瀬先輩、ありがとうございます!」

これがいまこの姿でできる最高の笑みだ!どうですか?

あれ、綾瀬先輩が下を向いて少し震えています。

よく回りを見たら、玲子様と蝶子様が顔を会わせて手を取り合っている。無言で真顔ですが、お互いの思いが伝わっているらしいです。

そして古川くんはなぜか暖かい目でこちらを見ていて、相場先輩、綾瀬くんの二人はお互いの背中を叩きあっている。仲良しですね。


「蓮歌ちゃん蓮歌ちゃん!梨香って呼んで見て!」

と、真顔で迫ってくる梨香様。関わりたくなかったんですけど、関わってしまったからには仲良くしても損はないでしょう。もう平和な日常とかスローライフとかは諦めました。


「えーっと、梨香先輩?」

えーっとの部分で、梨香様と呼ぶべきか、梨香会長と呼ぶべきか迷ったんですけど、無難で普通に先輩を着けました。

ダンッ!

と大きな音がなったので、ビクッとなってしまったではありませんか!誰ですか?

って、相場先輩と綾瀬くんが今度は机に頭をぶつけてプルプルしてます!そりゃ痛いですよね、あんなにいい音たてながら頭を打ったんですから。

そして古川くんはさっきよりふかーい笑みでこちらを暖かい眼差しで見ています。

玲子様と蝶子様は両手で顔を隠して、こちらもプルプルしています!どういうことでしょうか!

視線を梨香様に戻したらこちらもなんやら顔を赤くして、手を握ってプルプルしています!?

いったい何が起こったんですか?!


「あの、皆様どうなさったんですか…?」

「なんでもないよ。芹沢さんは気にしなくてもいいから。それより、キャンディー食べていいよ。僕たちも茶菓子があるからティータイムにしましょうか」

と、このメンバーのなかで最も落ち着いている古川くんに言われ、表情には出していないですが、嬉々として私はキャンディーのビニールを取り、口にキャンディーを入れました。



!?これは初めて食べる味です!!!

このメーカーのキャンディー、少々お値段が高かったので自分では買っていないんですよ。

口に入れた瞬間、山葡萄の香りが鼻からふわっと抜けるようになり、口のなかには甘過ぎない、フルーティーな味が広がりました!

このメーカーの値段が高い理由として、原材料とか、状態がものすごくいい時期に加工しているのと、ペロペロキャンディーでは無いものの、普通の100円で三つのやつより大きいという要素があるんです!

通常サイズのなんと1.5倍!!


ふぁ~幸せ~~~


古川くんが主導権を握り、全員をお庭のテラスに移動させて、なぜか私への質問タイムが始まりました。

さすが天使様ですね!皆様への対応や配慮が素晴らしいです!


あのー、皆様?

そろそろ解放してくれませんかね?

次回は質問タイムからです!

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