理由は簡単
PC潰れそうなのでストック開放します
会場では雪連と公孫賛の試合が始まろうとしていた。
ピキュイィーン
風「(むぅ・・・この感じ、お兄さん・・・、華琳さまと・・・・・!)」
どこかで空気が変わったのを風が衝撃と共に感じ取っていた。
桂花「華琳さま・・・、試合が始まろうとしているのにお席に戻ってないようね・・・。」
凛「どうやらそのようですね・・・・・。一刀殿もまだのようで。」
二人は華琳の姿がないことに気づき・・・
桂花「ハッ!!? まっ・・・、まさか!!」
桂花が表情が一気に暗黒色に曇った。
凛「きゅ・・・、急にどうしたんですか?」
急の出来事に凛がたじろいながら桂花に話しかけた。
桂花「気づかないの?! あの種馬がいないのよ? そして華琳様も!
さっき一緒にどこかへいっていたのだから・・・。」
凛「そうなれば今頃一刀殿と仲良く散歩しているのかもしれませんね。
久しぶりの二人の時間が取れるのですから。」
風「そうですねぇ~。」
風は二人の逢瀬に気づいていながらも気づいていないようにしていた。
凛は素でそう思っていた。
華琳LOVEな桂花ももう二人の逢瀬に気づいているはずである。
桂花「こうしちゃいられない・・!! あの種馬から華琳様を助けなければ!」
華琳の元へと走り出そうとした桂花の服を風がつかんだ。
桂花「きゃあぁ!!?」
急STOPをかけられた桂花は前のめりにビタンッ!と倒れこんだ。
桂花「風っ、何するのよ!!」
半泣きになりながら上体を起こし、桂花が風に怒鳴った。
風「いくら桂花ちゃんでもぉ、華琳様とお兄さんの幸せの邪魔をしにいくのなら
私は桂花ちゃんの壁になっちゃうのですよぅ。」
桂花をこかしたことをわるびれることもなく、いつもの調子の風が笑顔で桂花に伝えた。
宝慧「おじょうちゃん、いくらなんでもそりゃ野暮ってもんよぉ。」
宝慧もお邪魔虫になりにいく桂花に忠告した。
桂花「むぅ・・・、でもっ、華琳様が幸せかどうかなんてわからないじゃないっ!」
桂花が二人に抵抗した。
凛「幸せだと思いますよ、一刀殿と一緒にいるときの華琳様は。」
風「お兄さんがいるときだけですからね、華琳様が優しさ満点の笑顔するのは。」
凛「ですね。」
二人は華琳の幸せを第一に考えており、一刀と一緒にいる時が一番幸せなのだと、気づいていたのだ。
なのであの二人が二人でいれるときはできるだけそっとしておこうと話していたのだ。
桂花「そんな事いわれたら、私が悪者みたいじゃない!」
桂花は半べそ状態でまだ抵抗を続けていた。
風「まぁ、それに近いものがありますが、ただ二人で入れる時はそっとしてあげてほしいだけですよぉ。」
半べその桂花の頭をなでながら風が言った。
凛「普段皆といるときはいくらでも邪魔してあげてください。」
凛は桂花の顔についた泥を落とした。
桂花「うぅ・・・、それでも納得いかないわよーっ!」
風「はいはい、あまり邪魔しすぎると華琳様に嫌われちゃいますよ。」
凛「あまりわれらで幅をとってもいきませんから、今日はこのへんで我慢してくださいね。」
桂花「ちょっ、ちょっとあんたたち・・・!」
ズリズリと桂花が二人によって会場端から応援席の方へと引きずられていった・・・・
司会「では、準備はよろしいですね? 呉軍 孫策選手対公孫賛選手・・・・
試合開始ぃ!!」
司会が勝負開始を会場に合図した。
公孫賛「くぅ・・・、いくら雪連があいてでも負けないぞ!」
開始早々から額から冷や汗をかきながら武器を構えて公孫賛が雪蓮に言った。
雪蓮「ふふ・・・。白蓮たらガチガチじゃない。」
構えることなく雪蓮が余裕を見せていた。
公孫賛「雪蓮相手じゃ誰でもこうなるよっ!」
涙目になりながら公孫賛が雪蓮に訴えかけた。
雪蓮「私が鬼みたいなこというわね・・・・。 まぁ、白蓮じゃあ私に勝つ見込みないしねぇ。」
ふーっとため息を吐きながら雪蓮が言った。
公孫賛「そんなこと私自身わかってるっ! でも一矢報いたいんだよ!」
弱気なことを言いながら、ギュッと”普通の剣”の柄を握り締めキッと雪蓮をにらみつけた。
雪蓮「いいわよぉ~、白蓮。 はじめからやる気なかったら立ち上がれないくらい叩きのめそうと
おもったけど、その意気に免じて一撃で沈めてあげるわ。」
両手を腰に当てながらふんっ、と雪蓮は息を吐いた。
公孫賛「なぁにぃ~・・・・あれ?」
雪蓮の言葉にカチンときた公孫賛だったが、今まで目の前にいたはずの雪蓮がいなくなっていた。
公孫賛が雪蓮を見つけるためあたりを見回そうとしたとき
雪蓮「残念無念、また来週~、ってね。」
ドッ
鋭い手刀が白蓮のうなじ部分に入った。
公孫賛「んなっ・・・・っ・・・。」
バタっと前のめりに公孫賛が地面に倒れこんだ。
雪蓮「ごめんね、白蓮。」
司会「なっ・・・、なんという早業・・・・。まるで先ほどの北郷選手を彷彿とさせる移動速度、
そして一撃での勝利。 すばらしいの一言しかありません・・・!
あっ・・、しょっ、勝者、呉軍 孫策選手!」
司会が目の前で起こったことを解説しつつ、勝利のアナウンスをした。
ワァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
会場を歓声が包んだ。
雪蓮「よーいしょっ。」
そういうと雪蓮が白蓮を抱えた。そして、そのまま蜀の応援席へと歩いていった。
雪蓮「はいっ。当て身しただけだから打撲程度だとおもうけど、安静にしといてあげて~。」
関羽「あっ・・・、はい。」
そういうと雪蓮は公孫賛を関羽に渡し、呉のほうへと帰っていった。
関羽「(北郷殿といい、雪蓮殿といい・・・・、なんという俊敏さ。 しかし・・、私も負けるわけには!)」
関羽が公孫賛を抱きかかえながら考えた。
関羽「しかしまぁ・・・・、白蓮殿もいろいろと不憫な気がしてならんな・・・・。」
公孫賛の運の無さに関羽が同情した。
呉の応援席に帰ってきた雪蓮。
みんなからの賛辞を受けてから、周喩のほうへと向かった。
雪蓮「ちぇーっ、つまんないなー。冥淋~、かまって~。」
ぶーっ口を膨らましながら雪蓮が周喩にのしかかった。
周喩「こらっ・・・、しかしまぁ、そういうてやるな。彼女もがんばったんだから。」
自分の肩に後ろから乗せてきた雪蓮の頭をなでながら周喩が言った。
雪蓮「違うわよ。白蓮のことじゃないの。 一刀が魏の応援席にいなかったのが
つまんないの。」
周喩「どうしてだ?」
雪蓮「いやー一刀にもさー、なんかいってやろーとかおもったんだもん。
言う相手いないからなんにもできなかったしぃー。 一刀のバカ。」
周喩「はぁ・・・、そういうことか。 北郷とて用事やらなんやらでいないこともあるだろうに。
あきらめなさい。」
二人の姿はさながら横でうなだれる猫をあやす親猫のようだ。
雪蓮「しかたない・・・、戦うときにこの気持ちも含めおもいっきり叩きのめしてやるぅ~。」
周喩「はいはい。」
どうやらなんとか猫の機嫌は保たれたようだ。
司会「それでは~、次の試合に参りましょう。
蜀軍 馬超選手、蜀軍 張飛選手 舞台へとおあがりください。」
馬超「よーし、今日はここで勝負つけようじゃないか!」
馬超が張飛に言った。
張飛「ふふーん、今日も鈴々が勝つのだ!」
張飛も馬超に負けじと言い返した。
そういいながら二人がリングへとあがった・。
朝早くから始まったこの大会ももうすぐ三時のおやつの時間にさしかかっていた・・・・・・
--------------------------------------------------------------------------------------------------------
馬超達の闘いに会場が歓声に包まれる中、ある部屋から出る二人の影が見えた。
影の正体は一刀と華琳だった。
出た後は華琳の見物席のある建物まで向かっていった。
華琳「まったく・・・・、盛りのついた犬ではないのだから・・・・。」
腰を抑えながら華琳が一刀を見ないで言った。
一刀「ごめん・・・・。久しぶりだからとまるところを知らなかった。」
一刀は悪びれることなく言った。
華琳「まぁ・・・・、いいけど。 ここまで私にしといて負けるなんてことは許さないわよ。」
トンと一刀の胸を華琳が手で叩いた。
一刀「大丈夫さ、今の俺は誰にも負けない自信に満ち溢れている。」
ドンと自分の胸を一刀が叩いた。
華琳「それならばよろしい。」
腰を抑えつつ華琳が言った。
それを気にした一刀が華琳に尋ねた。
一刀「なぁ・・・、腰大丈夫か?」
華琳「あら・・・・、私の腰が痛まないぐらい弱弱しい交わり方したかしら。」
嫌味を含みながら華琳が言った。
一刀「はい・・、すみません・・・。」
華琳「これぐらい気にして無いわよ。貴方も気にすることじゃないわ。」
一刀「・・・・、了解です。」
これ以上何か言って華琳を怒らしてしまうのなら、と肯定しそのまま受け入れた。
そんな話しをしているうちに一刀と華琳が建物の前に着いた。
華琳「それじゃあ、武功を祈っているわ。」
一刀「おう。あと三試合残ってるけど、全力でぶつかってくるよ。」
そういうと華琳が「・・・」な顔で一刀の顔を見た。
一刀「おっ、俺変な事言った?」
慌てて一刀が華琳に聞いた。
華琳「貴方、ちゃんとこの大会の説明読んで無いの?
今日行われるのは三回戦までよ。だから次の雪蓮との闘いで今日はおしまいなの。」
一刀「えっ、そんなこと書いてたんだ。」
華琳「下の方にね。
一日で試合を全てやるのもいいけれど、やはり観客が楽しむには有る程度全快同士の
闘いが見たいでしょうから、二日に分けてるのよ。」
腕を組みながら華琳が説明した。
一刀「確かに! それは一理あるな。
よーしっ、じゃあ全力で雪蓮にぶつかっていこうかな。」
華琳「貴方・・・・、雪蓮相手に手を抜くつもりだったの?」
一刀「いや・・・、できるだけ全力でいくつもりだったけど、後の事考えると
体力残さなきゃな~って思ってた。」
華琳「馬岱と孫権との闘いではほとんど体力使ってなかったわね。
人に迷惑をかけたけれど。」
一刀「そこは言わない約束じゃ・・・・。」
華琳の刺にガクッとうなだれる一刀。
華琳「まぁいいわ、雪蓮との闘い、がんばってらっしゃいな。」
一刀「うん、いってくるわ。あぁ、華琳。」
華琳「何?」
一刀「元気くれ。」
華琳「はぁっ?」
一刀の言葉に訝しい顔で一刀をみる華琳。
華琳「あれだけしといて・・・?」
一刀「違う違う。名前と愛のお言葉をいただければなと思っております。」
手でクイクイっとジェスチャーをしながら一刀が言った。
華琳はすこしピキッとなりかけたが何を言ってもこの甘え状態の一刀には堪えないので
観念して搾り出すように真っ赤な顔で言った。
華琳「あっ・・・、愛してるわよ、一刀。」
華琳はそういうとすぐそっぽを向いてしまった。
一刀「おう、俺も愛してるぜ! 華琳。 じゃあな~!」
その言葉を聞いた一刀はGJサインを出して、手を振りながらその場所を後にした。
一人になった華琳。
華琳「・・・、我ながら・・・・、厄介なのを愛したものね・・・・。」
ため息をつきながらも、嫌そうな顔をまったくしない華琳であった。
華琳「さてと・・、私も戻りましょうかね。」
そう呟くと満ち足りた表情で華琳は玉座の待つ建物の中へと戻っていった。
会場に一刀が戻ると、馬超と張飛の勝敗がついていた。
馬超「へへーん、今日はあたしの勝ちだな、鈴々!」
張飛の首元に馬超の銀閃が伸びていた。
張飛「あぁぁぁぁっ! 悔しいのだ~!!!」
負けた張飛は悔しそうに手足をバタバタさせた。
司会「勝者、馬超選手! 長い乱打戦を制したのは馬張選手でした~!」
司会が握りこぶしで馬超の勝因を熱く語った。
一刀「勝ったのは・・・・、馬超か。」
何故か口元が緩んだ。 ”馬超”が勝利したからだろうか・・・・?
一刀「(変なの・・・。)」
一刀自身もあまり分かっていなかった。
一刀「(何にせよ・・・・、春蘭の相手は馬超か・・・・、ちと分が悪いな・・・・、間合いとか。)」
剣使いの間合いと槍使いの間合いでは大いに距離に差がある。
それに春蘭は甘寧戦で脚に大きなダメージを残していたため、一刀は心配で仕方なかった。
一刀「あいつが・・・、負けるとこなんて見たく・・・、ないな。」
いつもアホ丸出しでいじられで、時折見せる女らしさが目立つ春蘭。
ただ戦闘になると鬼神の如き働きを見せてきたのだ、もし簡単に負けてしまえば
魏の一般兵連中は少なからず気を落とすだろう。 武将達はそんなのないだろうが。
一刀「これは・・・・、背中押すかぁ、アイツいやがるかもだけど。」
そう呟きながら魏の応援席の方へと歩いていった・・・・
季衣「あっ、兄ちゃん!」
流琉「お帰りなさい、兄様!」
一刀が応援席に戻ると二人が元気よく声をだして抱きついてきた。
一刀「おう、ただいま。」
二人の頭を撫でる一刀、撫でられた二人はうれしそうだ。
秋蘭「いよいよ、孫策殿と勝負だが、緊張してないか?」
秋蘭がフッと笑いながら一刀にたずねた。
一刀「緊張というよりはワクワクしてるかな? 単純に。」
春蘭「孫策相手に余裕だな、一刀。」
春蘭も声をかけた。
一刀「はじめから尻込みしててもしょうがねえだろ? ならぶつかっていくまでさ。」
春蘭の言葉に答えを返す一刀。
凪「確かに・・・、隊長の言うとおりです。」
真桜「なら心配せんでもええな? 隊長。」
沙和「救護室に運ぶ準備だけしとけばよさそうなの!」
一刀「まっ、そんなかんじだな。」
沙和だけが少し不吉なことを言ったがあえて一刀は無視した。
司会「それでは、呉軍 孫策選手、魏軍 北郷選手 舞台へおあがりください!!」
司会の大会進行の声が聞こえた。
一刀「それじゃあいってくるわ。」
季衣と流琉の二人をやさしくどけて一刀はリングへと向かった。
季衣「負けるな、兄ちゃん!」
流琉「お気をつけて、兄様!」
凪「どうかご無事で。」
真桜「勝つこと期待してんで!」
沙和「がんばってなの~。」
秋蘭「一瞬でも気を抜くなよ・・・、一刀。」
春蘭「負けたら骨ぐらいは拾ってやるぞ、一刀。」
いつのまにか応援席へと戻っていた風たちも声をかけた。
風「勝ったらナデナデしてあげますよ、おにぃさん。」
稟「ご武運を。」
桂花「北郷あんたっ、かr」
風「はい桂花ちゃん、いいこいいこー。」
桂花が飛び出しそうなったのを風がとめた。
桂花「ん~!ん~!」
何か言おうとしているが、風にとめられ声になっていなかった。
みんなの声を受けた一刀がリングへと向かっていく
一刀「(みんな・・・、ありがとな・・・・。)」