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お爺ちゃん、授業って楽しい?

文修正しました

 儂達は、教室の扉を開けると複数人からの視線に見られた。


 もううんざりしてたので、桐花さんに別れを告げ。視線に気にせず儂は席に付く。更にざわめきが強くなったのは言うまでもないわい。

 前の女子が「え? あの子本当に花咲さん? お姉さんじゃなくて?」と前の子に言ったり。

 脇に男子は「雰囲気変わったな、今の花咲さんなら殴られてもイケるぜ」など意味不明な事も言っている。


 教師が入ってくる間、本を読もうとバッグの中から取り出す。行儀良いように見せるため背筋をピンッとして、ゆっくり読む。

 ホームルームが始まる時の鐘がなり、先生が入ってきた。


「あ? あいつらまた、遅刻か。懲りねぇな」


 そう言って、先生が入ってくる扉の逆の扉に立つ。

 ガラッと音を立てて、誰かが走って入ってくる瞬間。先生がラリアットをかます。


「あっぶねぇ~」


 しかし、1人目の男子はスライディングして避けた。2人目は対応が間に合わなくて食らっていた。


「グフッ……」


「どっちにしろ、遅刻だ馬鹿野郎共!」


 教室中は、笑う者も入れば呆れてる人。特に興味を示していない者もいる。恒例行事的なものかの。記憶にもこの2人はよく、遅刻しておるらしいしの。

 儂は、興味を示さない振りして……あの教師割りと出来るの、手慣れておる。など感想を思っていた。


 教師は、ラリアットをくらって気絶してる男を持ち上げ、椅子にぶん投げた。


「それじゃ始めるぞ~」


 そう言ってホームルームが始まった。

 内容は儂の復帰と、旅行の被害によって死者が居なかった事を知らせる話だった。結局誰が首謀者なのか分からず、儂の事も伏せてくれているようじゃ。


「それでは、授業忘れんなよ~」


 そう言って、教室を去るのかと思ったが。儂の所に近づいてきて。


「雰囲気変わったな、俺の女にしたいくらいだぜ」


 そんな事を言ってきた。気持ち悪い男じゃの。ん? 待てよ、もしかしたらあの男……今は確証も無いから推測に過ぎんの。

 男に好かれるのは、流石に勘弁じゃわい。

 その後、複数の女子生徒がやってきた。


「花咲さん、雰囲気変わったよね」

「イメチェン? カッコイイよ!」


「あ、ありがとう」


 一気に言われた為、たじろいでしまったが机に座ってるから視線が……いかんいかん。目を見て喋らんと不審に思われる。

 1人の女子が1つ気になったのか、聞いてきた。


「さっき、諸刃先生になんて言われてたの? 凄く気持ち悪い視線で見らてたけど」

「そう、あの視線何なの? 気持ち悪い」


「……女にしたいくらだ……とか言われました」


 周りの女子はドン引きしていた「信じられない!」とか「マジ最低」など喋っていた。儂的にはそんなにみんな気を使ってくれるのかの? ということだ。

 儂は本を読むのを諦めて、女子との会話を聞いていた。おしゃべり好きじゃの、儂の変化を「好きな人でも出来たの?」など聞いてくるし。無難に返したりしてる。


 先程の教師、諸刃 雪無ここ2年1組の担任教師。あまり良くない噂と共に、出もあまりよくないと聞く。噂自体は信用はしないが、あの言動を見るに本当の可能性が高いの。


 話は、数学の教師がやってきたため、お開きとなった。



 授業自体は簡単な物で、まぁ105年程経っとるから知識衰えておるが。この女子の記憶が優秀すぎて、勉強しなくてもいい状態なのじゃ。

 後、儂運動系じゃし。


「それじゃ……この答えを、浜田!」


「はい、分かりません!」


「少しは考えろ! まぁいい、和多田!」


「答えは、僕らの中にあります!」


「知ならねぇってことじゃねぇか! 次、遠藤!」


「俺を踏み台に……」


「ボケるなよ? 殺すぞ」


「はい……答えは、3.5です」


「不正解……答えは3だ」


 何か賑やかな教室じゃの、教師も疲れた様子だけど。何処と無く嬉しそう。最後の人、気の毒じゃが巫山戯るのはよくないぞい?

 昔の授業は――

 ――おっとそんな事より、楽しそうな人を探そうかの難しいと問題も無いしの。


 そんな賑やか授業も、終わり昼頃。


 そういえば、儂弁当作っとらんな。まぁ儂としては楽だから良いのじゃが、購買は確か人混むのじゃったな。後で取るとするかの。

 そんな事を思っていると桐花さんが話しかけてきた。


「花咲さん、お昼一緒にどう?」


「私弁当持ってないんだけど……」


「大丈夫、私が行くと何故か周りが避けてくれるの」


 この子、何かやらかしたのかの? 儂としては楽じゃから嬉しい限りじゃが。


 購買に歩いていくと。


 そこには、目に見えて行列が出来ていた。儂、この中に入ったら疲れそうじゃの……。

 桐花さんが購買に入ると。1人の男子が気づき。


「姫が来たぞ! 道を開けろ!」


「「「「サササ……」」」」


 えぇ~……、男子の号令と同時に全員一斉に道を譲り。購買のおばちゃんまで一直線の道になった。

 みんなどんな訓練を受けたんじゃ……動きが迅速かつ正確じゃぞ。


「何やったの?」


「えっとね、よく覚えてないけど。運動部のみんなが好きだ~とか言ってくるから、部長が全員打ち倒してやれって言うから。倒したら」


「こんな事になったのね」


 そう言って儂は、気にしないようにした。

 普通に全部の品が残っていたので……というより売り切れる前にみんな避けたんだけど。


 買ったものは、レタスサンドと牛乳、焼きそばパン。


 あまり多く食べると、太ったりお腹いっぱいになるらしいからの。

 儂はふくよかのは好きじゃないわい。


 そう言って購買を、桐花さんと共に後にした。

次は、9月19日予定です

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