お爺ちゃん、家に帰る
学園行けなかった……、次回はいけます
あれから少し過ぎて退院の日、親に連れられ車に乗せられていた。
「鳴、少し雰囲気変わった?」
「いきなりどうしたの? 私は変わりませんよ?」
「そ、そう? それならいいわ」
確かに、似せていると言っても儂じゃからの、所々ボロが出てもおかしくないわい……母親が首を傾げているしな、前と違うのはグルグルメガネを掛けていないことだろうか。
ふむ、確かに喋る機会は少なくても、親子だから分かるんじゃないかの? 本を取り出し、読み始める。
本は書店に売ってる普通の料理本じゃ、文学少女と言えなくもないんじゃが……読んでる本がな、普通の人が読む一般的な本。
多分、本を読んでて暗い感じに見えるのは、カバーが厚いため外からだと……何の本だか分からないからだと思われるの。
「明日から学園に通うようになるわ、貴女はあまり行きたくないでしょうけど」
「……」
そうじゃの、今までの彼女じゃと……行きたくはないかもしれんの。
じゃが! 儂は行くぞ、女子としてでは無く……お爺ちゃんとして行くがの。
車に揺られ、ある屋敷の前に着くと止まった。
ほぉ~っ凄い豪邸じゃ、儂が孫を育てたときなんぞ――
そんな事はいいのじゃ、本を片手で閉じ。車から降りて屋敷に向かう。
茶髪の少女メイドがこちらに気づくと、走ってくる……ただ走る度に胸が揺れとる! けしからん……ただ、言える……眼福じゃ、メイドの……琴葉じゃったか? 心配そうな顔で言ってくる。
「お嬢様! 大丈夫ですか!? 事故に遭ったと聞いたので、ずっと心配しておりました」
「琴葉、心配かけてごめんなさい」
「あれ? お嬢様、雰囲気変わりました?」
母親も乗っかって「そうよね! なんか何時もと……こう、違うのよ!」なんて言い出した、そんなに違うのかの?
星 琴葉、今屋敷で働いている数少ないメイドで、鳴の侍女を努めていて身の周りの事が出来るがやらない、鳴の代わりに掃除や洗濯をしている……割りとドジで、転んだりしてメイド長に良く怒られている。
儂は取り敢えず、変わった点を考えるが……取り敢えず、メガネを外したことを伝えてみる。
「メガネ外したからかな?」
「「あぁ~~っ」」
2人にして納得しおった……それでいいのか、確かにメガネを掛けたりするだけで印象がガラッと変わるがの。
その後、中に入ったが、メイド長にまで「お嬢様……? 何かあったんですか?」と言われるほどだった。記憶を引っ張り出しても、対応も変わらない気がするのじゃがな。
儂は部屋に着くと、中は旅館の客室の様な広さに……大きな本棚とシンプルな内装でベットとクローゼット、小さな鏡が置いてあるだけだった。
何時も本を読む時は、ベットに寝っ転がっておるようじゃな。
この女子の知識の量は、相当な量じゃった。料理から洗濯、庭から建築、裁縫やパソコンなど本で得た専門の知識が備わっていた。
ただ、知っているだけで、やったことがないみたいじゃの。
これ儂の知識いらんかもしれんの。
コンコン
というノック音と共に開かれる。琴葉だった。
儂はずっと考え込んでいたため、本を読んでなかった。それに対し凄く琴葉は凄く驚いていた。
「お嬢様、お食事の用意が出来ましたので」
「えぇ、今行く」
「今日のお嬢様、凄く凛々しいのですが……」
儂は「そう?」なんて返すが、小さな鏡に映る自分を見て……長い黒髪が揺れると共に、大人な雰囲気を持った女性が写し出されていた。
まぁそうかもしれんの、この女子が可愛いくて美人なのは変わりないわい。
「行きましょう」
連れられて、儂は凄く広いリビングに着くと……そこには、席の半分も埋まっていないが。使用人と妹の澪と母親の香菜が座っていた。
儂は長テーブルの親子2人の隣に座った。
「旅行の時と本当に見間違えるくらいになったわね」
「そうなの?」
「そうですよ! お姉ちゃんは前は何時も読書してて、何も聞いてくれなかったのに」
儂に抱きついてくる、澪は凄く可愛い。母親似の顔は癒される、儂は抱きつかれる度に頭を撫でてやると「ふにゃ~」と言う言葉と共に、蕩けたような表情を見せる。
そんな母は、仲いい姉妹を見る目で微笑んでいた。
記憶にあるような、無口の食事ではなく……親子睦まじい食事となった。
澪の学園の話や、母の仕事の話や儂の記憶にある学園の話。
食事の後、この屋敷をグルっと周ってみると……一応本を持ち歩き、日向ぼっこが出来る場所を探していた。
儂も昔、木の下の日陰で本を読むのが好きだったんじゃ……あの時は孫が――
――数分後
ふぅ長く語るのは疲れるわい。
歩いていたら、メイドに挨拶される……実は、メイドの人数はメイド長と琴葉を混ぜて5人で、その人数でこの屋敷を掃除してるんだもん凄いの~。
ちなみに、凄く驚かれる。確かに屋敷の中でも喋る事もなく、メイドと挨拶を交わす事もなかった。後、部屋に篭って本を読んでいたようじゃからの。
中を一通り散策した後、屋敷の敷地内の庭をグルっと周る。
丁度いい1本の木があったが、木の下は汚れていて……とても座れる状態じゃなかった。
そこは昔、父が本を読んでいた場所らしいの。
木の周りを処理するため動きやすく、汚れてもいい服に着替えて、作業をする。
途中でメイドに「何をしてるんですか!? お嬢様!」と言われたが、儂は気にせず進める。
土の状態が悪いため、土を持ってきて整え。芝生を植える。数時間掛かったが、まぁ昔の儂はもっと動けたんじゃが……。
この体が、疲れ果てて休み休み行うことになった。
疲れきった体で居たためか、儂は木の下で眠ってしまった。
頭に柔らかな感触と共に儂は起きた……体には毛布が被っていて、横を見ると母が頭を撫でていた。
「起こしちゃった? 貴女もあの人の娘なのかしら」
「父はここで良く本を読んでいたの?」
「えぇ、昔と違って全然綺麗に出来なくて。放置してたんだけど」
母は「貴女がやるとは思ってなかったわ」など、笑顔を向けていた。
周りを見渡すと、メイド2人程が様子を伺っていた……止めに入った子だ。
すっかり夕方になり、お風呂に入る時間になった。
風呂は大浴場で、パジャマと下着を用意していたが勿論、女子の体なので下着を見た時は……。
「こ、これは……!」
眼福じゃ……女子の体になってしまったのは良いが……、自分公認で下着を着替えねばならん、そしてこの胸の大きさは……け、けしからん。
――数分後
ふ、ふぅ……なんとか用意出来たわい、自分の体に興奮するとは、情けないが……入院中は拭いてもらってたからの。
儂は、浴場の方に歩いて行く……その途中で、澪と会った。
「お姉ちゃん、お風呂入るの? なら私も入る!」
ということなので、一緒に入ることに……その時、考えていなかった。風呂に入るということは……裸を見るわけで……。
澪と共に、浴場に着くと澪と儂は服を脱ぎ始めた。
ぐはっ……なんじゃ、この体は……!
ボンッキュッボンッではないか! これが女子の体……ヤバイ風呂も入っていないのに、のぼせそうじゃわい。
中々脱げないでいると澪が話しかけてくる。
「どうしたの?」
「大丈夫よ、少し考え事」
儂は意を決して服を脱ぐ……、前を見ると浴場の着衣室に置いてある鏡に目が行ってしまい。盛大に鼻血を出しそうになった……が堪えた!
ぬぅ……儂はまだ死ねん……若い女子とイチャイチャするまでは……。
「お姉ちゃん、お肌綺麗だしスタイル良いだね!」
「ちょ、ちょっと!」
そういって、儂の胸を触ったり、肌を触っていた。ううむ……け、けしからん。
鏡に映る儂は、じゃれ合っている姉妹にしか見えないわけで、凄くヤバイ……エロいぞ。
「早く入りましょう」
「は~い」
満足したのか笑顔で、儂の元から離れて下着を外し……また、鼻血を出しそうになったのは言うまでもないわい。
そんな葛藤の後、2人でお風呂を楽しんでいると、母が入ってきた。
「あら~、やっぱり澪と鳴だったのね。ご一緒してもいい?」
「お母さん、脱いじゃってるんだから。断り入れてもしょうが無いよ?」
「そうだったわね」
親子揃って、凄い美人であるため、儂の体が持つか凄く不安じゃ……。このまま鼻血を出して倒れたほうが幸せかもしれんの。
睦まじく、お喋りして……お風呂から上がった後。
下着の付け方に悪戦苦闘したが、なんとか着けて色々危なかったわい……。
儂はその後、部屋に戻り……ベッドにパタリと倒れ込んだ。
あの刺激はヤバイ……天国に行っても不思議じゃなかったわい……。
そのまま、布団を被り。眠りについた。
次は、9月13日に更新予定です。