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お爺ちゃん、託される?

申し訳ありません! 遅れました(土下座)

そして話も引っ張り、ぐふっ……。

 準備と言っても昨日遊んだばかりじゃし、薄い上着で羽織る程度の物くらいじゃろうか。


 笑顔でノリノリの澪と一緒に、海へ持っていく準備をしていく。

 水着じゃし、音羽が何をするってわけじゃないと思うが……嫌な予感しかしないのは確かじゃ。

 準備をそこそこに一息付くと、澪に手を引かれた。


「行こう、お姉ちゃん!」


 用意した物を慌てて持って、手を引かれながら歩きだす……扉を開けてエレベーターの方へ向かう。

 昨日も遊んだというのに元気じゃの、短いか長いか分からないこの日常……今は楽しむかの。

 エレベーターに辿り着くと既にいたのは……羽田さんと原野くんが立っていた。


「待ってる途中?」


「あぁ……こいつは、気にするな……何時もの症状だ」


「……」


 そう言って原野くんの腕を掴んで隠れてる羽田さんを見ると……何か怯えてる様にも見える。

 エントランスで集まった時に、羽田さんの声が聞こえて来ないと思ったらずっとこんな感じだったのか。

 澪が「羽田さん?」と声をかけても、見えない様に後ろに隠れてしまう……もしかしたら、何かあの時に。


「深くは詮索しないでやってくれ……恐らく今回は、数日で治るはずだ」


「……そう、今は聞かない」


「で、でも……折角の休みなのに!」


 原野くんは首を振って「俺だって何かしてやりたいが……あいつ自身何も言わないからな」と言って、エレベーターが着いて開いたのを確認すると入っていった。

 何か訳有のようじゃの……人それぞれ何かを抱えてるという、それは本当にどうしようもない物じゃ。

 澪が何か言いたそうにするが、儂は頭を撫でてエレベーターの中に歩いて行く……それを澪も付いていく。


「……お姉ちゃん、なんとかならないの?」


「私だって何かしてあげたい、だけど……」


「そっとしといてやってくれ」


 その後は、全員黙ってしまい……下に降りる音だけが響き、着いた時扉が開かれる。

 4人で出ていくと、音羽が椅子に座っていた……するとこっちに気づいて笑顔で手を振ってくる。

 こっちに歩いていくるの……すると、羽田さんの方を見て少し気になったようだけど、すぐ普通に儂に顔を向けてきた。


「何か訳がありそうね、まぁなんとかなるでしょ」


「なぜ私の方を見て言うんです?」


「あら、そう見えるかしら」


 どこかの誰かさんが、なんとかするでしょ……と言って、儂の方をわざとらしく見てくる。

 確かに気になるが、儂だって出来ない事あるぞ? 似たような事は……あった気もするが。

 音羽は椅子に置いてある袋を取りに戻って、こっちに戻ってくると儂に突き出してくる。


「はい、みんなの水着よ……後、鳴のもね」


「なぜ別けていったの!?」


「さぁ? ほら、何時もの2人は先に行ってるわよ」


 雫と穂村かの? あの2人ならすぐに来てると思うしの。

 行こうと思って澪の方を見ると、音羽の方に歩いていって行く。

 どうしたのかの? 声を出そうとしたら、音羽が先に喋り出す。


「鳴と2人は先に行ってなさい、私だけに用事のようだから」


「そう?」


「分かった」


 エントラスの砂場がある方の出口へ歩いて行く……さすがにそう言われてしまうと、何も聞けないからの。

 原野くんも特に無いようで、一緒に歩いて行く。

 袋の中身を確認しつつ、外へ出ると遠くで砂場の上で2人が何やら喋っているので近づいてみる。


「……だから、準備運動してからと行ってるでしょ!」


「……別にいいじゃん、動き回るだけなんだから~」


「2人共どうしたの?」


 そこにいたのは、位堂さんと穂村だった……あれ、雫かと思ったのに外れたの。

 とりあえず内容的に先に走り回ろうとしたのかの? 何時もの事じゃから別に驚く事はないの。

 原野くんの方へ穂村が歩いて行くので、位堂さんの方へ聞いてみる。


「何してたの? 位堂さんが喋るのは珍しい」


「はぁ……あの方はなんでこう、行動的? なんしょう」


「何時もの事だよ」


 疲れないんですの……あら、それは? と手に持っている物が気になった様で、位堂さんが聞いてくる。

 儂は「みんなの水着……なんだけど、私のだけ違う物な気がする……」と言うと位堂さんは「そうなんですの、普通のだといいですわね」と3人の方へ顔向けて言った。

 位堂さんと喋っていたけど、あの3人は何をしてるんじゃ? 声が聞こえてこないようじゃが。


 3人がいた方向へむけると、穂村が羽田さんに抱きついていた……どういう状況?

 今度は原野くんの方へ向けると、少し驚いた様な顔をしていた。


「これ、どういう状況ですの?」


「同じく」


「俺も聞きたい」


 意味は分からないまま、穂村の方へ再び視線を戻しても変わらない……とりあえず聞いてみるかの。

 儂は「どうしたの?」と聞くと穂村が「うん~? 妹がね、寂しい時はこうして欲しいって言ってたの思い出して」と言った。

 うむ、意味が良くわからない……似たような状態を見たことある、という事? なのかの。


 その後みんなが、出てきたのでとりあえず後で聞くことにした。

次は、2月16日予定です。

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