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お爺ちゃん、感謝される

儂、女子と話すのは嫌いじゃないがの。男と喋るのは好きじゃないわい!

 儂はあれから体が良くなるまで、入院をしておった。

 他の女子は、怪我の酷かった者も退院したが……儂は怪我が一番酷いということで、最後になってもうた。


「暇じゃの」


 毎日ではないが、妹と母がお見舞いに来る。

 妹の名前は、花咲 澪……本ばかり読んでいる儂の体とは違い運動が得意で、活発な元気な子じゃ、色々学園であった話をしてくれるが……事故が起きる前はほとんど喋る事が無かった。

 母の名前は、花咲 香菜……会社の社長を努めている人、忙しい事がほとんどで夜遅くまで返ってくることはないが、優しく包容力があり、たまに抱きつかれると眠くなってしまう。


 それはそれとして……なんじゃ家族全員して美人さんじゃの、妹さんも後少ししたらべっぴんさんになりそうじゃぞ。

 そういえば、育てた孫も全員可愛かったからの、成長した姿は――

 おっと、儂もピチピチの女子なのじゃから、こんな長話をしないようにせんとな。


コンコン


 ノックの音が個室の部屋に響いた。誰かの? 今日は来ないと行っていたはずじゃがの?


「はい、開いてます」


「し、失礼します!」


 なんじゃ、桐花さんじゃったか……今日も可愛いの、お見舞いに来てくれるとは、眼福……もとい嬉しいわい。

 お土産は定番の林檎だった、目の前にあるテーブルに置くと、儂の横にある椅子にかけた。


「今日は、親も一緒なので……入ってきて!」


「そうでしたか、何かあったんですか?」


 扉が開かれた時に、彼女の母親と父親が入ってきて、私に向かって一礼した。

 桐花さんの母親は彼女が持っている、優しげな雰囲気が漂っていてる。一方、父親は顔が似ていて力強い意思を感じた。


「「この度は娘を救っていただき、ありがとうございました」」


「私は、生きるためにやったんです。そこに居たのが彼女だっただけで」


「それでも、私は下手すれば命を落としてました! 私だけじゃありません、今退院してしまっている彼女達でさえ、この生命があるのは貴女のお陰なんですよ?」


 儂は、本当は……女子が死ぬのを見過ごせなかっただけじゃがな、運転手を助けたのはオマケじゃ。

 ただ、お願いしたことがある。


「この事は、あの子達には話さいでくれますか?」


「何でです? みんな見直すと思いますよ?」


 確かにの、儂は普通のキャッキャウフフを体験してみたいからの……名誉なんてどうでもいいんじゃよ、面倒事に巻き込まれる可能性が上がるしの。

 必死になる顔も可愛いの、頭なでたくなるわい。


「そういえば、貴女は刀を普通に使ったって聞きましたが……」


「そう、そうですよ! 私はそれを聞きたかったんですよ!」


 あれは少し見せつけ過ぎたかの。

 儂的には、久しぶりに使うものじゃからな……懐かしくてつい使ってしまったわい。


「あの気迫! あの空気! 漫画に書かれたような侍でしたよ!」


 目をキラキラさせて彼女は、はしゃいでいた。

 それを母親がなだめて、父親がその様子を見て、驚いていた。


「あの娘がここまで言う事は無いんですよ」


「そうですか? 私は元気な子だなって思いますけど、嫌いじゃないです」


「噂に聞くような、暗い子じゃない事も語ってました」


 そうじゃったな、この女子は本ばかり読んでおったな……周りからしてみれば暗い感じで近寄りがたのかもしれないの。

 母親が「そろそろ、お暇しないと怒られそうです」と言ったので、後にしようとした時……父親が話しかけてきた。


「この事故の事は、他の方々の親には話させてもらいます……知っているのが私の娘だけなのは、私も後味悪いですから」


 それだけ言って、去っていった。


 その後、貴族や平民までの事故にあった女子の親御さんが来て感謝してきたのは言うまでもない。

次は、9月10日予定です! 無事プロローグ終了! 次は学園編!

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