お爺ちゃん、安心する
短い! ようやく夏休み編終わらせそうな気が……
原野くんと奥から来ると思われる人を待っていると、後ろから話声が聞こえた。
振り返ると音羽がスマホを取り出して、電話をしているようだった。
没収されなかったのかの? 意外と抜けてるの……そこまで洗礼された人じゃないと思っておったが。
最後に「……ありがとう、こっちに来て」と言って、電話を終えた様だった。
「もう大丈夫よ、警察が到着したそうよ」
「そうなんだ、よかった……」
一応これで一安心じゃな……ん? そういえば、ヒナとカナ……それとメイドの2人が見えないのじゃが。
てっきり全員いるもんだと思っていたエントランスには4人は居なかった。
すると、奥から歩いてきた人は……前の2人はメイド服で、見覚えがあって。
「ここにお嬢様が囚われてる……あれ? お嬢様?」
「助けるよりも早かったですね」
「あれ? 2人共……後ろにはヒナとカナ?」
歩いてきたのは、琴葉と百菜さんが普通に歩いてきていた……後ろから付いてくる様に、ヒナとカナが少し怯えるように見ていた。
どうしたんじゃろ? 少なくとも外傷とかは無いようじゃが……。
怯え気味の2人に話を聞こうと近づくと。
「どうしたの?」
「琴葉さん、凄く……怖い」
「うん……百菜さんも……」
2人は何か異常な物を見たように、呟いた……それを聞いて琴葉の方をチラッと見るけれど、そんな感じはしなかった。
百菜さんが仕事モードに入っている以外は……特に変化の様な物は見えなかった。
まぁ無事で何よりじゃ……手遅れになったら、儂は後悔してしきれない筈じゃ……こんな老いぼれに出来た友達なのじゃから。
「羽田は?」
「縄は解いておいたけど、様子がおかしいのよ」
「またか……ちょっと行ってくる」
原野くんは音羽に羽田さんの場所を聞いて、歩いていった……慣れた様子で羽田さんの座り込んだままの羽田さんに手を差し出していた。
何か事情があるのかもしれないの、深くは詮索しないようにしておくかの? 儂は静かな位堂さんの方に歩いていくとするかの。
ヒナやカナはメイド2人に「あの、何か特別な事してた?」など恐怖からじゃなく、好奇心で聞いた様だ。
「位堂さん? 静かだけど……」
「あ、鳴さん……勇敢に戦う貴女を見て、私は小さい事で争ってたと反省してらしたの」
「私のこれは、実は医者から止められてて……普段は普通、だよ?」
2人でそんな話をしていると、穂村と雫がこっちに歩いてきた。
どうしたのかの? 別に喋っちゃいけない事ではない筈じゃが……。
雫が「鳴はよくあんな人達を相手に戦えるよ」といい、穂村は「ほんと~、動きが全く見えなかったし」と言っていた。
そして、入り口の方から勢い良く10人程の人が入ってくる……。
服装は警察のようじゃから、間違いってことはないじゃろ。
音羽の方に、1人歩いていき敬礼した……音羽ってどんな仕事してるんじゃ? いや、普通こんなに対応早く出来ないし、ホテルの件でも……。
「何か言いたげね」
「普通じゃ無いな~って」
「まぁそうかもね、でも私はこういう時にすぐ呼べる様にしてるだけ」
儂の言葉に溜息に近い声で言いつつ、何か面倒事が多そうな感じに見えた。
音羽も苦労してるんじゃな……今回は息抜き出来そうだと思ったみたいじゃが。
その後、警察は突撃して瞬く間に……ていうほどじゃなかったが、犯人の逮捕が完了した。
結局犯人は何を探していたのか分からなかったが、特に良いんじゃないかの?
終わった後は、みんな疲れ切っていて……ご飯やお風呂を終えたらみんな眠ってしまったようじゃ、そういえば澪は羽田さんの所で、励まし続けていたらしいの。
次は1月29日予定です




