お爺ちゃん、本気
お爺ちゃんの見せ場が……そして、襲われる感じの雰囲気を上手く書けないのが憎らしい……。
テロリスト? の人達に捕まって、音羽ともう1人がこちらに連れてこられていた。
もう1人は男のようじゃが……お? おぉ、あの気の弱そうで男達に怯えているのはヒカルか!
あまり外を出歩かないヒカルがこんな所に来るとは珍しいの……と言ってる場合では無いが、両手が縛られてるしの。
穂村にこっそり耳打ちで話しかけようとして体を傾けて言う。
「……穂村、これ取れる?」
「……う~ん、縛り方もキツイから難しいかも」
「……少し緩めれば取れるから」
穂村は「それくらいなら」と言って体を密着させて正面に来ても分からないようにして作業をし始めた。
後ろを見えない状況で頑張ってもらうしか無いの……。
2人は別な所に座らされて音羽は冷静なのか挑発もしないで事を待っている様にも見えるの……その様子を見守り、次の事を考えつつ穂村に言う。
「トイレなら、1人位釣れるかな……」
「鳴は怖くないのかな~?」
「そういう穂村も怖がっている様に見えないよ?」
2人でそんなやりとりをしつつも、穂村は後ろで懸命に解こうとして頑張っている。
穂村がこの状況でも冷静なのは何かあるのかもしれんが……今は好都合じゃ。
さてと、たまには昔の荒っぽい知恵を使ってちょいとこらしめてやろうかの……周りの男、小さな黒い銃を構えている数人に目を向けた。
リーダーだと思われる男が目の前に歩いてきた……全員黒い服にマスク、帽子を被っているので同じに見えるがの。
それにしても何故このタイミングで襲ったのかの? ヒカルか音羽が目的なら何か要求をしてもいいはずじゃが。
するとその疑問に答えるように男が声を上げた。
「俺達は貴様らには興味がねぇ、このホテルにある物を貰いに来たのさ」
「なんとも計画性の無い襲撃の仕方ね」
「うるせぇ! こっちは幾らでもお前らを好きにできるんだ、死にたくなかったら黙ってろ!」
音羽の挑発じみた言葉に男は声を荒げて答える……そういう所が馬鹿の様にも聞こえるんじゃが。
そんなやりとりをしている中、穂村が「……これでなんとか緩まったよ」と言って笑顔を向けた。
後は気を待つしか無いのじゃが……長く待ちすぎても何が起きるか分からんからの。
「それじゃな、俺達に歯向かってもいいけどな……ま、無駄だと思うわ」
はっはっは! と笑いながらその場から去っていった……なんとも色々説明していく残念な男じゃな。
15人中、9人はその男について行ったため現在ここにいるのは6人……あの男の見た感じの性格はそこまで頭が良いとは言えなそうじゃ。
あのリーダーが去ってから数分、1人の男が暇なのか気の抜けた声を出す。
「正直言ってなんで俺らこんな面倒な事しなきゃならないんだ?」
「俺が知るかよ、あの頭がお花畑にでもなってるやつに聞いてくれ」
「お前らそいつに殺されたくなかったら静かに見ていろ」
でもな~、とか言いつつ暇そうに椅子に腰掛ける男はやる気が無さそうだ……一緒に喋っていた男もこの事に納得は行っていない様だった。
注意した男は、相手にするとやっかいなタイプじゃな……強そうな気がする、といってもただ硬派そうなだけじゃが。
うむ、男を見る趣味はないから正直……早く事を終わらせて水着でみんなと話したいの。
男達の周りに張り詰められた緊張が緩まってきたので、穂村に「私がトイレ行きたいって言って」と言うと「いいよ~、面白い事になりそう」と無邪気な子供様に笑顔で答えた。
手を動かして緩み具合を確認しておく。
そして、穂村は急に手を上げて男達に言う。
「すみません~」
「あ? なんだ」
「この子、おトイレに行きたいって」
反応したのは、硬派そうな男だが……ちっ、と舌打ちして目を配らせてやる気無さそうな男に顎で指示する。
流石にしんっとしている中で言われると恥ずかしいの。
だけれど効果はあったようで男がこっちにやって来て、言ってくる。
「ふっ、ついてきな」
「お願いします」
嫌らしい笑顔で言ってきた所を見ると、何か良からぬ事を考えておるようじゃの……じゃが、今日の儂は本気で対応するからの?
立って歩き、エントランスにはトイレが無いため……1Fの大浴場近くにある所まで行く。
流石に入るのは女子トイレなのじゃが、目を離す気が無いのか一緒に入ってくる。
「ついて、来るんですね」
「目を離して逃げられたら困るからな」
後ろをチラッと見つつ言うと、いやらしい顔をしつつ答えてきた……黒ジーパンの右の後ろに銃確認。
キモいの、スケベ男がキモいという女性の気持ちが物凄くわかった気がするぞ……2回くらい経験したがの!
トイレの中に入って個室に入ろうとするが、一緒に中に入ってくる……変態じゃ!
「そのままじゃ出来ねぇだろ? 手伝ってやろうか?」
「い、いえ……」
「遠慮すんなって……」
元からそれが目的だったのか、両手を動かして近づいてくる……もうここまで来ると呆れるの。
男だった身として凄く情けない気持ちになるの……さて、反撃といこうかの。
男の手がスカートを掴んだ瞬間に、両手の緩んでいた紐を一気に解いて……右後ろの銃を抜き取って男のこめかみ辺りに銃口を突きつける。
「動いたら撃つ」
「お、おいおい……こっちは親切心でやってやったんだ、そう怒なよ、な?」
「変態に慈悲なんてない!」
と言いうと、ヒッ! という言葉を上げて男は地面にへたり込んだ……。
銃口を脳天に構えて引き金を指にかけて「バンッ」と言うと男は撃ってもいないのに気絶した……メンタル弱すぎじゃろ。
まぁ素人で良かったが、普通ならこうも上手く行かないと思うぞ。
男の付けている白い手袋を外して自分に付けつつ……誰も来ないことを確認する。
「ふぅ……」
そう一息付いた。
さてこれから、どうやってこの状況から脱するかが問題じゃ。
次は、1月20日予定です。




