お爺ちゃん
相変わらずの急展開、申し訳ないです
みんなでホテルの従業員に案内されて中に入っていく。
大きさは、遠目からみた感じじゃと儂の家くらいかの? 縦はそれ以上じゃが、外装は洋風という感じでビルとも取れる形じゃし内装も豪華な感じはするの……詳しく無いからどう表現していいのか分からんがの。
音羽は前方を歩いていて従業員と喋る形で、その後ろを儂達が付いていきながらホテルを見渡しながら歩いている。
みんなと話をしながら歩いていると……案内された部屋は2人1組で当然の様に儂は澪と一緒の部屋になった。
「荷物をここに置いて、後は必要な物は出しておかないと」
「お姉ちゃんこれどこに置けばいい?」
「それはここかな」
持ち物を確認しつつ机の上に出しておいたりしておく、ある程度出すと部屋にノックの音が響く。
コンコンッという音に「はーい」と返事をすると、メイド2人がやってきた……どうしたんじゃろう? 心なしかがっかりしている様な気がするの。
琴葉は儂の所に、百菜さんは澪の所に立って真剣な表情で琴葉は言う。
「なんでお嬢様と同じ部屋じゃないんですか!?」
「それは急だったから? 私は知らないけど、2人は予定外だと思うけど……」
「うっ……確かに言われました、部屋を追加してもらってようやくですけど……」
少ししゅんっとしているが何時もの事なので気にしない……予約だったら普通そうじゃろうな、逆に部屋取れたのが奇跡だと思うのじゃが。
澪の方も何か喋っているのが聞こえるのじゃが、聞いてないと琴葉に何か言われそうじゃしの。
すると再度部屋にノックの音が響いたので、琴葉が出るとみんながそれぞれ待っていた。
「どうせだし、みんなで海に行こうと思ってね~」
ノックしたのは穂村で、こちらを見つけると笑顔で手を振ってくる。
みんなもそれには同意の様じゃが……水着どうするのかの? と思っていると、音羽が笑顔なので恐らく前のを使えってことかの?
澪の方にも声を掛けてみんなと共に、歩いていく。
「来て早々海に行くの?」
「せっかく海に来たんだから普通~」
「まぁこっちの用事も今日じゃないしね」
先行してる穂村と音羽に付いて歩きながら喋る、少し後ろをチラッと見ると……みんなそれぞれ喋ってるみたいじゃの。
記憶でも海に行った記憶は無いしの、楽しまないといけないの。
ワクワクしながらも歩いていると、やがて外に出ると……熱い日差しが照らしてる砂浜と海が見えた。
「さっさと着替えよう~」
「そうですね」
行こうと足を踏み出した瞬間に、急に強い目眩が起こった……周りのみんなは気づかなかったようじゃが、何かの前触れかの?
みんなが歩いて行く中、澪が「どうしたの? お姉ちゃん」と聞いてくるので「先に行ってて、少し考え事」と言って誤魔化しておく。
儂以外が去った時に、頭に響きわたる声が聞こえる。
――返して
「なんじゃ、起きたみたいじゃな……」
――私の体……返して
儂も随分と遊んだしの戻りたい時に戻ってくればいいものの、難儀な性格じゃの。
そのまま目を閉じて、次の言葉を待つ……恐らく鳴自信の声じゃないかの?
この体返すこと出来るのかの? まぁやってみないと分からんのじゃがな。
「もう引きこもる事の無いようにして欲しいものじゃ」
――あなたには関係ない
目を開けて、近くのベンチまで歩いて行く目眩のままでクラクラしながらもなんとか腰を落として座る。
そして再び目を閉じて、眠る様に意識を手放した。
次は、1月11日予定ではいます




