お爺ちゃん、無理をする
儂、転生してまた死ぬかと思ったわい
ちょこっと誤字修正
おっと名前を聞くのを忘れてたわい。
作業をしてる刀の子に聞くために、近づく。
「すみません、お名前を聞いてませんでした」
「あ、そうですね! 私は桐花 雫といいます」
うむ、いい名前じゃ儂の前世の名前酷いもんじゃったぞ……親がカッコイイからとか言って――
そんな話はどうでもいいの。
桐花さんに返事を返さんとな頭を傾げておるからな。
「桐花さんは、携帯……使えますよね?」
「はい、一応スマホは無事ですけど……」
「電話であちらのトンネルの外で、警察……実家の助けでもいいので呼んでもらっていいですか?」
儂、機械系ダメなんじゃよ……女子になってからはわからんが、変わらんと思う。
桐花さんはあっちで電話しておるからの、無理してでも全員外に出そうかの……手伝ったと言ってもまだ半分残っておる。
運転手を動かそうとしたが……後ろにオイルタンクがあるの、これ動かしたらヤバそうじゃの……。
他の子を優先的に運んでいく、体が痛むがこれぐらいなんぼのもんじゃい!
損傷が酷い者いる、早くしないとヤバイの~。
運転手以外の人を運び終え、体は限界を超えつつあった……流石に運動の得意な女子じゃないからの、だがこれで最後じゃ。
桐花さんも途中で手伝ってくれたが、それも限界に来ていて今は休んでもらっておる。
さて行くぞ、最後の人じゃ……。
運転手を担ぎバスから遠ざかる……後ろからオイルが漏れ、火に引火し……爆発を引き起こす瞬間。
運転手を爆発に巻き込まれないように壁になる瓦礫に投げる……儂だけ助からなくてもよいじゃろ、運良ければ生きとるしな……。
桐花さんがこっちに向かって走ってくるが……儂はその女子に笑顔を向け、爆発に巻き込まれた。
気がつくとそこは、白い天井が見えた。
なんじゃ、また死に損なったのか……運が良すぎるの、そろそろお婆さんに怒られそうじゃが、もう少しこの拾った人生を生きないとの。
体は包帯を巻かれ、体の節々が痛かった……顔を横に向け、脇に居た看護師さんに目を向けると、慌てて出ていった。
なんじゃ残念じゃの、似合っておるのにもう少し見たかったの。
すぐに医師と先程の看護師さんがやってきた。
「花咲さん! 聞こえますか? 返事をしてください!」
「落ち着きたまえ、花咲 鳴さん私達の事がわかりますか?」
「はい……あの後どうなったか聞きたいのですが……」
医師と看護師はホッとして、胸を撫で下ろしていた。
あの後どうなったのか聞きたいのじゃが……「他の人達は……?」と呟くと。
2人は嬉しそうに話してくれた。
「花咲さんと桐花さんのお陰で、バスの爆発の被害は花咲さん以外無かったです……到着した時、びっくりしたそうですよ? この人数を2人で運びきるなんて、犯人も捕まえてありましたし」
そうか、無事か……なら良かったがの。
そんな事を思っていると、入り口から物凄い勢いで入ってくる人物がいた。
この子の母親と中学3年の妹が入ってきた。2人共泣きそうな顔で、私を抱きしめていた。
「鳴大丈夫なの!?」
「お姉ちゃん! 死なないで!」
く、苦しい……でも、こんな風に心配してくれる家族がいるのは良いことじゃ。
安心させるように儂はいう。
「大丈夫、私は頑張ったよ……」
そうして儂は眠くなったので、寝てしまった。
薄れ行く意識で、医師が2人に事の説明をしていたようじゃな。
次は、9月7日予定です。次でプロローグ終了……予定となります!