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お爺ちゃん、のんびり話をする

夏は暑い、だけど更新してるの冬なんですけど……。

 澪と一緒にメイドの仕事の様子を、千尋に説明してもらいながら歩いていた。


 澪は千尋に「何時もテキパキやってるから、すごく気になってたの!」と話していた、それに千尋は「ありがとうございます、次は廊下見てみましょう」と少し硬い言葉でありながらも、少し嬉しそうに返していた。

 メイド長として、あまり近づき過ぎない様にしてるのかの? やっぱり、少し距離を感じるの。

 儂にはあまり距離を感じないのじゃが、澪と喋る時は少し意識して硬くしている様に感じる。


「ねぇ……澪とゆっくり喋ってみたら?」


「鳴様……いきなりどうしたのですか?」


「ごめんね、何時も横で見てると、澪に少し遠慮している様だったから……」


 やっぱり互いに喋る事が大事だと思って、千尋と澪の間に顔を出して聞いてみる……少しいきなり過ぎたかもしれんがの。

 横にいる澪は「千尋さんとお話? 面白そう!」と意外にもノリ気だった、千尋はそれに対して少し考え込む……やっぱり少し距離を空けていたのではないかの?

 考えている間、千尋は足を止めていた……周りのメイド達も少し気になるのか、チラチラと見ていた。


「そう……ですね、この後休憩しますので、その時にでも」


「それじゃ、行こう~」


「うん!」


 少し考えた後、そう千尋が言った……後は2人の、というよりは千尋の問題じゃな、儂にも……鳴にも千尋の過去は知らん。

 けれども、少しでもこの家にいる時、気を使わなくてもいい時間が増えるといいの。

 儂が生きていた頃……拾った孫達がよく喧嘩していた、血の繋がっていないなど、互いの存在を突き放しておった、じゃがそれは時間が解決するものではなかった。


 その時にしたのが、互いに話し合う事……話を聞く気も無いのなら説教までして、話し合わせる。

 それが互いの為になり……他の人と一緒に生活している事を、感じることが出来るのじゃから。


「お姉ちゃん、どうしたの?」


「鳴様?」


「あ、ごめんね……少し考え事」


 今はもう過去じゃからな……もし、鳴にもこの気持ちが伝わっていればいいの、人生を諦めるくらいなら自分を変えた方がいいことをの。

 顔を上げると、2人が少し心配そうに見ていた……今、儂はここで生きておる、それは突然かもしれんが孫達にも……澪や千尋達にも会えたからの、幸せじゃ。

 笑顔で「さぁ、行きましょう」と言いながら、2人の前に出て歩く……2人には儂はどう見えてるのかの。


「鳴様、少し聞いてもいいですか?」


「うん?」


「鳴様……鳴は私の事をどう思ってたんでしょうか?」


 言ってもいいのじゃが……千尋の方に向いて「それは、秘密」と返した、鳴は千尋を大好きだった……。

 だけれどそれは、儂から言う事ではないからの……憑依だったとして、儂が本当の意味でいなくなった時の鳴に聞いて欲しいかの。

 千尋は少し残念そうな顔をしたが「分かりました」と答えた……澪は頭に疑問符を浮かべていながらも、付いてきていた。


 その後は、メイド達の掃除を見たりして見学をしていた。

 休みの時には、2人でお喋りをしているのか、姿は見えなかった……メイドに聞いてみると「2人で話す事あるから、気にしないでと言われたけど……どうしたのかしらね?」と言っていた。

 休みが終わる頃には戻ってきて、少しは打ち解けたのか、硬い感じや少し距離は感じられなかった。


「千尋も少し、話してみた?」


「はい……」


 澪に抱きつかれながら、そう答えた……澪は相変わらず元気じゃの、それが千尋にとっては過剰のスキンシップに見えるかもしれんがの。

 そんな2人を微笑ましがるように見ながら、仕事の内容に聞いたりメイド達の様子を見ていた……さすがにずっとそのままではいけないのか、途中で千尋が澪に言っていたけど。


 夕食まで見学をして、その後はお風呂など入って眠る事になった。



 次の日は1人で黙々と本を読もうかと思っていたのじゃが……色々な事を終えて部屋で本を読み始めていると、ノックの音と共にドアが少し開いて澪が顔をだしていた。


「お姉ちゃん、今いい?」


「いいけど、どうしたの?」


「宿題……分からない所があって」


 少し申し訳なさそうな顔をしながら、部屋に入ってきた……そういえば、儂も宿題あったしの、ついでに終わらしてしまうか。

 始めようかな、と思っていると不意に携帯が鳴り見てみると……雫からの電話だった。


『急にすまない……その、宿題をだな……一緒にしないか?』


「いいけど、澪の宿題も教えるから、来てもらう事になるよ?」


『構わない、何時ごろだろうか』


「雫が来てからにするよ~」


 宿題を一緒にというよりは、教えて欲しそうじゃな……他にも宿題できそうな人はいそうだけど、儂が一番言いやすいんじゃな、穂村に言うと笑われそうじゃし。

 雫は『今から行く、待っててくれ』と言って電話を切った……澪は「誰からだったの?」と聞いてきたので「雫から、一緒に宿題やろうって」と言うと少し嬉しそうにしていた。


 雫が来るまで、澪の宿題を見ているとメールが来た。


『着いた』


 メールの内容はシンプルだった、3文字だけだった……儂と一緒であまり機械には詳しくなさそうじゃし、短い内容になってしまうのはしょうがないかの。

 澪に「雫が来たから、玄関に行ってくる」と言うと「付いていく!」と一緒に迎える事になった。

 そういえば、雫の家は近いのかの? 行ったことも無いのじゃが、その内お邪魔してみようかの。


 2人で雫を迎えようと玄関に行き、扉を開けると……笑顔の穂村とぐったりした様な雫が立っていた。

 バッグとコンビニでも行ってきたのか、袋を持っていた。

次は12月20日予定です

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