お爺ちゃん、海に行く予定を考える
のんびり執筆
原野くん以外のみんなは、音羽の運んできた水着に着替えていた。
その際に、音羽に「鳴は、外で待ってなさい」と言われて出ていきそうになったのじゃが……「この格好で外に出るのは無理です!」と言って否定した……見たいとかではなくての、流石に恥ずかしいじゃろ。
確かに前の儂を知っていれば、言うのは当たり前じゃが……儂も女子じゃぞ?
着替え終わるまでじっくり見ていたら……出そうになったのは、言わないがの。
「さてと、みんな着替えたわね」
「「「「はい」」」」
「実はこれ、まだ店頭に置いてないやつなの」
それはそれでいいのかの? 特に問題とか気にしている様子ではないので、別に問題はなさそうじゃな。
音羽は「普通ならダメなやつなんだけどね、デザインも含めて人が着たのを見てみたかったの」と言う……分からなくも無いのじゃが、5人くらい必要なのはなんでじゃ?
「でも、なんで人数必要なんですか?」
「鳴だけでも良かったんだけど……体型が違ったり、身長によって変わるから」
「そういうもの?」
儂と音羽が話をしていると、周りはそれぞれ互いの水着を見て話を広げていた。
みんな可愛いの……水着で思い出したのじゃが、昼休みの間どうしようかの? 海に行きたいとは思ってるのじゃが、場所や時間決めておらんの。
音羽に「休みの間に、何処か遊びに行こうと思うのだけど」と言うと、ちょうどいいとばかりに両手を合わせて笑顔になった。
「それなら、海に行かない? 確かちょうど3日後に休みを取って、会いに行くとこだったの」
「誰かに会うの?」
「えぇ、ヒカルに会いにね」
ヒカル、聞いたことはあるのじゃが……なんだったかの? 首をかしげるしか無いので、それを見て音羽が溜息を1つ付いて「7男の奏柄 光よ」と言ってくる。
うん? 多分姿見れば思い出すのじゃが、どうも物忘れが酷いようじゃ……。
でも、何もすることないんじゃから丁度いいかもしれんの。
「忘れちゃった」
「まぁ会えば思い出すでしょ」
という会話をしていたら、何故か複数の視線を感じたので後ろを振り向くと、みんながこっちを見ていた……どうしたんじゃ?
カナが「7男、て何?」と切り出してきた、音羽は「私の兄妹よ、と言っても義弟だけどね」と言っていた。
ただそれだと……雫が「鳴は会ったことあるのか?」と聞いてきてしまった、どうしようかの。
「小さい時にね、本人は忘れてるみたいだけど」
「あ、あはは……」
「昔の事ならしょうがないですわね」
凄いの……何故そんなにスラスラと嘘が付けるの、儂はただ笑うしか出来なかったぞ。
位堂さんが言うとみんなも同意なのか「私も少し前、鏡を何処かに置いて探し回った時ある!」「私はよく、携帯なくす~」など実談などの会話をしていた。
上手くそらせたようじゃの、音羽はこっちをみて「その内、言いなさいよ……嘘は一番辛いんだからね」と少し寂しそうな顔で言ってきた。
「家の人にはバレちゃいましたから」
「あら、そうなの?」
「そうなんです」
そう言って、試着会? は終わって着替えた後……店の前で別れた、その時音羽も満足そうに笑顔で手を振っていた……原野くんは、結構重い物を運んだみたいだけど全然疲れている様子はなかったの。
運転手さんに電話を入れて「少し遅めに来て」と言うと「少し遅く……ですか?」と帰ってきたが、了承してくれた様じゃ。
何故かというと、みんなはデパートを回ろうという事なので、澪と久しぶり? に回った。
「こうやってお姉ちゃん歩くの久しぶり!」
「そうだったけ?」
「うん! 春の時以来だよ!」
2人でのんびり歩いて行く……手を繋いで歩くのもいいものじゃの。
すると、オープンカフェの近くを歩いていた時に、聞いたことのある声が聞こえてきた。
「あのテスト本当分からね」
「あぁ? 今ゲームの事で頭一杯だわ」
「外に出てまでゲームやる意味あるのでござるか?」
誰だったかは分からないのじゃが、よく授業でふざけてる印象のある3人だった。
1人は喋り方に特徴があったからの……名前は覚えて無くても、知ってはいる。
なんとなくテストの話をしていたので耳を傾けてみる、澪は「どうしたの?」と聞いてきたから「何処かで休憩しようかなって」と誤魔化しておく。
「だってさ、物質の三態って何? そんなの授業でやったっけ?」
「なんだろうな、外れたけど『爆発、分裂、増殖』って書いた」
「核反応でもするのでござるか? 外れたから何も言えぬでござるが『溶ける、水になる、凍る』と書いたでござる」
なんかとんでも解答な気がするの……『個体、液体、気体』だった筈じゃ、一応ござるの人? は当たりに近いかもしれんの。
澪が「ここって喫茶店なの? 入ってみたい!」と言っていたので……よく聞いてなかったのじゃが、行ってみる。
あ、そういえば全員に言うの忘れたわい……メールで送っとこうかの。
その後は、運転手の人から再度電話がかかってきて、着いたという事でみんなを電話で読んでから車に乗り込んだ。
みんなはその日予定はないのか聞いてみようかの。
「3日後ってみんな空いてる?」
「分からないですけど、多分大丈夫ですわ」
「そう、ですね」
みんなは特に問題は無いようじゃな……原野くんには悪いが、今度はお友達を誘って来てもらう事になるの。
このメンバーは気楽に話せていいの……まぁ秘密はまだ話せそうにないがの。
その後、家に帰った後はみんなと2時間くらい喋って解散となった。
次は、12月14日予定です。




