お爺ちゃん、みんなでデパートに行く
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みんなで音羽の店への行き方を相談していた。
正直、儂は歩きでいいと思うのじゃが……流石に問題あるのではないかと思ってしまっての。
歩いて行くと時間はかかるが、みんなと話ながらのんびり行けるので、おすすめしたいんじゃが……。
そう思っていると、位堂さんが声をかける。
「私は車でいいと思いますわ、皆さんはどう思うんですの?」
「私は、どちらでもいいよ~」
「俺も構わない、ただ暑いから歩く時は気を付けなければな」
穂村はいつも通りじゃの、原野くんは外が暑い為心配している様だった。
確かにの、近いと言っても少し歩くし、何かと面倒事が起こりそうじゃし……。
羽田さんはどうでもいいのか、澪と喋ってるし……カナとヒナは車でいいという感じに頷いてる。
「歩きは、この時期では厳しいと思うぞ」
「それじゃ……誰の車に乗るの?」
「「「「……鳴(さん)の?」」」」
雫は言ってくる、それはそれでいいのじゃが……運転手を呼ぶ必要があるの、家の中に入って呼ぼうとすると、運転手が家の中から出てきた。
運転手は「お呼びになりそうだったので」との事だった、もしかして……千尋がそうなりそうだから、呼んだのかの?
送迎に使ってる車は4人乗りじゃから、別な車になるのかの? そう思ってると、運転手は一礼して歩いて行く。
「あれ、でも鳴の車って小さいよね~?」
「うん……何かあるのかな?」
「そうですわね、キレイですけど……この人数は入りませんわ」
キレイな所をこだわるんじゃな、と思っていると……奥から黒いワゴン車が走ってきて、儂達の目の前に乗り口を向けて止まった。
あったんじゃな……ワゴン。
みんなは「これなら入れそう」などの感想を言っていた、運転手は車から降りて……儂達の一礼した。
「それでは、皆様行ける準備が出来ましたらお声をかけください」
「運転手さん、こういう時凄いよね!」
「そ、そうね……」
運転手は何故か輝いて見えた……澪は声を上げて儂に言ってきた、そうじゃな。
みんなは「行くのでお願いします」と言って、車に乗っていく……運転手も満足そうに、車の運転席に戻っていった。
助手席がいいかの、澪はみんなと仲良くなっとるし、問題は無いじゃろ……本当は儂、囲まれていたかったのじゃがな。
「行き先は、デパートでいいんですよね?」
「はい……なんか、運転手さんの横って新鮮な気がします」
「そうですね、基本鳴様は後ろに乗っていますので」
横に座ると運転手が話かけてくる、それに儂は答えつつ、ふと思った事を言ってみると少し微笑みながら言ってきた。
原野くんは運転手の後ろで、1人佇んで外を見ていた……何か1人だけ、場違いに見えるのは気のせいではないの。
本当に申し訳ないと思っておる、でも男手は意外と重要じゃぞ?
「それでは、出発します」
「はい」
「「「「お願いします(わ)」」」」
という事で出発していく、道のりといっても歩きでは15分くらいだからの、そんなに時間はかからんじゃろ。
車の乗っている間は、外の暑さを忘れさせるようにクーラーが付いていた、流石にこの人数じゃと……中々冷えないがの。
みんな個別に話していて、儂は運転手と……たまに話かけてくるみんなと喋っていた。
その時間は、簡単に過ぎてデパートに着いた。
全員が降りると運転手さんは「それでは迎えの時は、お電話ください」と一礼してから車に乗って去っていった。
「それじゃ、行きましょうか」
「そうですわね」
「そういえば、何時に、連絡したの?」
えっと……音羽が言ってきたのは11時じゃから、少し時間はあるの。
みんなに「11時からだから、一度行ってみた方がいいと思う」と言うと頷いて歩いていった。
原野くんは話に混ざらないで、後ろで見ているだけ……元男の儂が責任もって話すかの。
「原野くん、流石にいづらい?」
「気にするな、呼ばれた時点でこうなる事は、少なくても予想はしていた」
穂村は「鳴が、男に興味持つなんて珍しい」とニヤニヤしながら見てくる、そんなんじゃないんじゃがの。
位堂さんも「確かに、鳴さんが男の人といるのは見ませんわね」と考え込んだ後言ってくる、だって男なんじゃから、男に興味なんてあるわけ無いじゃろう!
カナとヒナも位堂さんと同じ意見のようじゃな……男なんか見て、何が面白いのか分からん!
周りの人達は、儂達を見ながら歩いて行く足を止めている……流石にこの組み合わせは目立つかの?
そう思っていると、店に着く。
中に入っていくと、店員さんが「あ、鳴さん店長がお待ちです!」と小走りに走って来て、目の前に止まってから言った。
店員に連れられ、奥にみんなで歩いていくと前、音羽と話した部屋に案内された。
みんなで話しながら待っていると、音羽が入り口からやってくる。
「本当に多いわね……あら、男友達なんて何時の間に作ったの?」
「助けられたから、そこから友達になったの」
「へぇ~、あなたも隅に置けないわね、女の子じゃ満足出来なくなったのかしら?」
意味深に儂を見ながら言ってくる、ニヤけてるのは儂の本当事を知ってるからの……儂は男に興味は無いと言っておるじゃろ。
そうしているとみんなに、不審がられるような視線を浴びられる。
なんじゃ? 何か変な事言ったかの?
「花咲さんって、色々な人と知り合いだよね」
「凄く、不思議」
「少し前から私も思ってましたわ」
確かに、他の人から見たら変な人脈かの? 普通、店長と仲良くなることも無いからの。
多分いくら儂でも、仲良くなることは無いが、孫じゃからの。
そうして、音羽の用事を済ませるために話を聞いていく。
次は、12月8日予定です。




