お爺ちゃん、落書きを消す
夏休みまでを長引かせてる気がする……。
ホームルームを簡単に終えて、放課後になった。
内容は本当に簡単で「えぇ~怪我しないでください、事故らないでください……以上です」と言って、先生は去っていった。
ホームルームしてないの、これ問題はないと思うのじゃが……追試の事とか言わなくて良かったのかの?
特に問題は無いようで、クラスのみんなもそれぞれ下校の準備をしたり、荷物を持って教室を出ている人もいた。
「さてと、落書きを消さないとね」
そう言って、立つと原野くんが近づいてきた……手に羽田さんを掴んで引きずったまま。
続けて位堂さんも近づいてきて「さて、行きますわよ」と言ってきた……意外とのノリノリじゃの。
原野くんは「朝の時も言ったがありがとう」と言ってきた。
「別に私は構わないよ?」
「鳴さんがいいのでしたら、私も構いませんわ」
「そうか……」
羽田さんは手足をバタつかせながら「消さなくてもいいじゃん! 帰らせろ~」と言っている……可愛いの。
それを気にも止めず、引きずって儂達と歩いて行こうとすると、カナとヒナが儂を見つけたのか歩いてくる。
2人は「何か、されたの?」「いたずらでもされたんですか?」と言ってくるが……いたずらばかりしてるから、イメージがついちゃってるの。
「うぅん、落書きを消すお手伝い」
「別に、手伝わなくてもいいと思う」
「カナ、花咲さんは優しいからだと思うよ」
そう言われてカナは納得していた……何か変な納得のされ方じゃの。
そして2人は「休み中、何処か遊びに行く時呼んで」「私も一緒に遊びたいです!」と言って、返事も待たずに去っていった。
音羽の事で2人に頼んで見るかの……何時行くかは決めないといけないがの。
「遅くなっては、2人に迷惑がかかる……ほらさっさと行くぞ」
そう言って、3人と引きずられている1人で廊下を歩いていると、やっぱり目立つのか下校中の生徒がこちらをちらちら見てくる。
まぁだから何じゃ、という話じゃが……原野くん達は慣れているのか、特に気にした様子は無いようじゃな。
落書きのある場所は、体育館の裏にある日差しで隠れている、ちょっと見えづらい場所にあった……これを見つける教頭も凄いの。
落書きといっても、スプレーで小さく書いたくらいで特に消すのには苦労しなさそうだった。
というか、よく退学にならないの……普通こういうのは、見つかったら停学になると思うのじゃが……そういえば、なってたの。
「何箇所なの?」
「これを5箇所」
「何時もよりは、酷くはなくなったんだがな」
そう言いつつ、分かれてスプレーを剥離剤? を使って消していく……。
位堂さんも別な場所で消すのを手伝ってくれている……なんだかんだで優しいからの。
そして儂の周りには誰もいない……何が起こるという訳じゃないがの。
「こんな所で何してるんだ!」
「え? 落書きを消してるだけですけど……」
「貴様も同じ事をやっていたのか! これは指導室行きだ! こい!」
やってきたのは教頭で、難癖付けては手を引かれて連れて行かれそうになるのを、足で踏ん張る。
位堂さんは少し離れた場所で、羽田の事だと思って来ない……どうするかの。
そう思った瞬間に、原野くんが走って来て教頭の腕を掴んだ。
「教頭先生、それはおかしいですよ」
「うるさい! 貴様ら共々送ってやるわ!」
「まず、羽田にはしませんでしたし、そこには誰もいませんよ? 少し前に、無くなったはずですから」
なんか教頭もクズな教師みたいなものじゃな……何をしようとしたかは知らんが、いい迷惑じゃの。
原野くんは儂の腕を掴んでる……教頭の腕を筋が浮き出るほど強く握っていた。
こういう事になると、たくましいの……昔みたいに力があるなら別なんじゃが。
「ふんっ! 今日の所はこのくらいにしてやるわ!」
そういって、誤魔化すように去っていった。
原野くんは近づいてきて「位堂さんが言っていた事は、この事だったんだな……すまない」と謝ってきた。
時々トラブルに巻き込まれるんじゃが、何でじゃろうな?
「ありがとうございます、怖くなかったんですか?」
「何時もの事だ……だが、あれはやり過ぎだ」
そう言って呟いていた……「教頭ウザいよね~」と言いながら羽田さんが歩いてきた。
羽田さんも苦労してるんじゃな……職権乱用して学生でうっぷんを晴らしてそうで怖いの。
その後、落書きをキレイに消して位堂さんと合流した。
位堂さんにさっきの事を伝えると「何で私を呼んでくださらなかったの!?」と言ってくれた。
その後は、のんびりと羽田さんと原野くんと喋って……メアドを交換した。
羽田さんは「大歓迎~!」と言って、原野くんは「俺が力になれることはしよう」と言ってくれた。
メアドが増えてくの……真っ白だった電話帳には7人も、最初と比べれば凄いの。
次は、12月2日? 予定です




