お爺ちゃん、テスト結果を見る
今回は文が多め? です。
先生が入ってきたため、位堂さんは自分の席に戻っていった。
テストの結果を知っている先生は、にこやかになっているのが分かる……何があったんじゃろうな。
教卓の上にドサリと置くと、先生は「今日は追試の者がいますので、その方は覚悟してください」と言って切り出した。
記憶によれば、テストの返しだけみたいだの……点数が分かるからいいと思うのじゃが。
「さて、1番点数低い人から順に配っていく……間違い無く最初に配られた奴は追試だ」
先生が名前を呼ぶ「遠藤!」と叫んで「くっ今回はダメだったか……」遠藤くんだと思われる人は、唇を噛み締めながら歩いていく……そんなに、悔しいものかの? いや、休みが無くなるんじゃからな、悔しいかの。
それから順を折って、名前を呼ばれては追試を受ける者と、点数が低くてがっかりする者がいた。
全然呼ばれないの……点数順と言ってたからの、最後になるかもしれんが。
「次、位堂!」
「……負けましたわ」
「ん? 誰かと勝負してたのか?」
位堂さんが呼ばれた瞬間に呟いた一言に先生が反応したが、位堂さんは「な、何でもありませんわ!」と返すだけだった。
教師は何かに気づいた様で、少し笑った。
位堂さんが席に戻ると、次の人を先生が呼ぶ「次は、花咲!」と言われたので歩いて行く。
「文句無しの100点だ……何時もはもう少し低いのにどうしたんだ?」
「勉強しましたから」
「そ、そうか……」
何故か、顔を背けられてしまったが……まぁいいじゃろ。
100点か、ミスも無かったしいいんじゃないかの……まぁ儂の知識ではなく、鳴の知識じゃがな。
もう少し儂の知識を生かしたいぞ! 色々あるぞ、走る時に腰を悪くしない方法とかの……これ使わんの。
そのまま席に戻ろうとすると、周りのクラスメイトから少し変な目線を受けた……疑うような物と信じられないという感じの物だ。
少し、不快な目線じゃが……目立ってしまったのはしょうがないの、諦めが肝心ということじゃ。
特に気にしないようにして、席に座ると。
配られたのは、各教科の答案用紙……あの先生は自分の担当教科の点数で、配ってた順番をかえておったのかの?
授業はせず、先生はそのまま何もするでもなく、椅子に座って息を吐いていた。
点数をパッと見ると、全部100点の数字が見えた……これ普通に考えて凄い事じゃないかの? じゃが、不正したと言われてもおかしくはないの。
1人でそんな事を思っていると、穂村と雫、位堂さんが歩いてきた……授業中なのにいいのかの? と思ったが……周りも話をしに出歩いているから問題ないの。
「どうだったの~?」
「特に問題なかったです」
「うわ~……なにこれ、全部100点じゃない~」
穂村がテストの解答用紙を広げてあるのを見て、驚いていた……流石に儂も驚くわい。
位堂さんもそれに少し引き気味だった……雫は「鳴ならありえるとは思った」と口にしていた。
普段は手加減しておるからの……別に深い意味は無いみたいじゃが、流石に満点だすのはやりすぎたかの?
「授業はこれで終わりなの?」
「そうみたいだね~、まぁよくあることだし、いいんじゃないかな~」
「そうですわね、あの先生は適当な事で有名ですし」
位堂さんもそれには同意のようじゃの……そういえばみんなはテストどうじゃったのかの?
みんなに顔を向けて「みんなはどうだったの?」と言うと、雫は少し誇らしげに「全科目、赤点は回避した!」と言ってる。
位堂さんは「全部90点台ですわ」と……穂村は「私は70点台だよ~どうでもいいからね~」と言っていた。
「みんなそれなりに頭良かったのね」
「雫は、赤点阻止出来ただけ頑張ったよね~」
「うるさい、まぁ……鳴がいなければ難しかったが」
その後はテストの話は何処かに置いたように、話題から抜け……休みの日どう過ごすかを話していたり、音羽の電話の事を話たりした。
鐘が鳴ったため、授業が終わった。
次は終業式になるため……それぞれ体育館に集まるように歩いて行く。
儂達は、のんびり話をしながら歩いていくと……カナさんとヒナさんが横に並んできた。
「テスト、どうだったの?」
「それは私も気になる」
「鳴は、全科目100点だよ~どうだまいったか!」
肩に手を置きながら、儂の横から顔を出して言う……なんで穂村が誇らしげなのか気になるがの。
2人共「すごい……」「私尊敬します!」と褒めてくれたので「そんな事ないですよ」と答えた。
雫は位堂さんと「放課後、落書きを消すのか?」「えぇ、そのつもりですわよ」と言って、登校の時の話をしていた。
歩いて行くと体育館の中は、全生徒が集まっているため……ギッチギチに詰まっていた。
人が一杯いすぎて、熱がヤバイの……これ倒れる人が出るのではないか?
下は見えないが、上には人の届かない様な高さに、バスケのゴールが一定の距離を置いて、何個も並んでいて……目の前には教壇とその上にはマイクが乗っていた。
「凄い人……」
「鳴は倒れないようにね~?」
「分かっています、大丈夫ですよ……多分」
マイクのテストで『あ~、テステス……』という声が聞こえた後『これから終業式を始めます!』と切り出した。
そして長い終業式が始まった……。
校長先生が「今年の……」とかで30分ほどの時間を取っていたり、立っている人を見ると、眠たそうにユラユラ揺れていたり……少し意識が薄く危ない人もいた。
後は各話もあって、国家やら校歌を歌ったたりしたの。
終業式が終わった頃には、気分が悪くなりかけていて危なかった……終業式って、こんなに疲れるものなんじゃな。
全員はやっと終わったという感じに、教室へそれぞれ戻っていった。
その後は、ホームルームをして放課後になった。
次は、11月29日予定です。




