お爺ちゃん、アダ名で呼ぶ
順調? に進んだ勉強会は、一旦休憩に入った。
みんなのんびりしているので、適当に本棚から出して本を読んでみる。これ何時見ても何故読めるの不思議なんじゃが……。
漢字を見ても、無意識上で読める。専門知識の本ばかりで、漫画だったか……読まないのかの?
本を見てのんびりしてると、2人が近づいてきた。
「花咲さん、この屋敷案内してもらっていい? 他の家って新鮮だから」
「私も、同じく面白そう」
「いいけど、面白い事無いよ……?」
他の人はどうなのかと、視線を周りの人に向ける。穂村は「ほらほら、勉強だよ~」と言って雫を勉強漬けにさせていて、位堂さんは「休憩なんですから、休ませてあげなさいよ」と穂村に言っていた。
個人は何かやってるから、一声かけて行こうかの。
そういえば……今何時じゃ? と思って、スマホの画面を見ると丁度。お昼の時間くらいだった。
「ついでに、昼食どうします?」
「料理人に、任せればいい」
「私も普段そうしてるけど、違うの?」
雇う金が無いのじゃ……基本的に、メイドと母が作っている。ただこういう場合はどうするんじゃろうか……。
歩いてる時に、千尋にでも聞こうと思って。3人に「中案内してくる」と言って部屋を後にした。
二階堂さんは、本当に珍しそうに周りを見渡している。村雨さんは、メイドの人達の動きを観察している様だった。
「そんなに珍しい?」
「はい、デザインも違いますし。置いてある物も違いますから」
「メイドの、動きが凄い。洗練された動き、巫山戯てるようでしっかりしてる」
そうだったんじゃの、普段住んでても気づかない事多いんじゃの。
のんびり歩いていると、千尋が歩いていた。丁度いいので、昼食どうするのか聞いてみようかの。
「千尋~」
「お嬢様、どうしたんですか?」
「昼食どうしようかなって、思って」
千尋は目を見開いていて……儂の手を引っ張って、2人に聞こえない様な声で「お嬢様、よく気づいてくれました。今総動員して、昼食をご用意しますので」と言ってきた。なんじゃ、何も考えてなかったのかの。
儂から離れては、メイドを捕まえては……先程の話をして、早足で去っていった。
戻ってきた儂に2人は「何か用事?」「昼食の、事?」と聞いてくので。
「そんな所、勉強会がいつまでか分からないけど。みんなお腹空いてくると思うから」
「カナ、私は少し空いたけどどう?」
「ヒナ、私も少し減ってきた、から丁度いいと思う」
そういえば、アダ名で呼び合うなんて仲いいの~。少し羨ましいわい、距離感という感じが近く感じるしの。
疑問が顔に出ちゃってたのか、二階堂さんはこっちを見て首を傾げていた。
「花咲さん、どうしたの?」
「えっと……アダ名で呼び合っていいな~って」
「私は、花咲さんなら、構わない」
それに二階堂さんも同意なのか「カナと同じで構わないです」と言ってくれたので……。少し照れながらも……「ヒナさん、カナさん」と呟いてみる。
いいの~、儂がどんなに生きても体験しなかった。感覚じゃ……凄くくすぐったいがの。
二階堂さん……ヒナは、笑顔で「花咲さん、可愛いです」と言って。村雨さん……カナは、少しからかいを込めて「さん付け、しない」と言ってきた。
「今すぐじゃ無理ですよ~」
「今日の所は、勘弁してあげる」
「カナ、急に上から目線になったね」
少し苦笑いでカナを見てる。その後、慣れない呼び方で2人の案内を再会した。
残した厨房に行くと、凄い料理の音が聞こえた。全員のメイドが騒動員……6人じゃが、聞こえていた。
こっそり開けて、覗くと豪華とは行かないけど。料理が並んでおった……儂はそっと扉を閉めて。2人を見て。
「忙しくない時にしましょう~」
「私は普通の食事でもいいんですけどね」
「私も、だけどツンデレ……位堂さんが何かいいそう」
今、確実にツンデレ娘って言おうとしたの。少しずつ、カナの毒が見えてきた気がするの……。その内儂にも何か言われそうで、ビクビクして過ごすようかもしてんの。
案内も終わったので、部屋に戻ろうと歩いていると……澪がこっちに小走りに走ってきた。
澪が抱きついてきて「お姉ちゃん、こんな所で何してるの?」と聞いてきた。
「お友達を、案内してたの。終わっちゃったけどね」
「私の部屋に来てないよ?」
「澪が萎縮しちゃうと思ったから」
抱きついている澪の頭を撫でながら、受け答えすると。2人に視線を向けると、微笑ましい風に見ていた。
ヒナは「澪さんとも、仲良くなりたい」とか、カナは「元気な子」という事言っていた。
その後、澪の部屋に行って。少し喋って……澪も勉強会の様子を見るという事で参加することに。
部屋に戻ると、雫が倒れてた……何があったんじゃ。
穂村は「澪だ~、元気?」と気にすることもせず、挨拶してた。位堂さんは「どうしましょう、これ……ショートしてしまってますわ」とこちらに気づいていなようだ。
雫の元に近づいて「何があったの?」と聞くと……。
「3……10……10.8……」
「何か、怖いくらいに……何か呟いてる」
「数学をずっとやってたら~、いきなり倒れてこんな感じになった」
もはや、危ない状況では無いかの。儂のベットに寝かせると、すぅ……すぅ……という寝息が聞こえた。
雫は、リタイアかの……その内、教えてあげるとするか。赤点になって、1人追試も悲しいからの。
「雫さんは、私が見てるよ~」
「いいの?」
「うん! 世話になってるから」
澪が看病してくれるというので、勉強会を再会しようとした瞬間に……ノックの音が聞こえて。
千尋が入ってきて「昼食の準備が出来ましたので、ご迷惑では無ければ」と言った。
みんなは「是非いただきます(わ)」と言ったけど……雫どうするんじゃ? と思っていると、千尋が「メイド達に診てもらいます」との事。
みんなで食事なんて、友達が増えたの。
次は、11月14日予定




