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お爺ちゃん、家に呼ぶ

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楽しんでください。

 儂は位堂さんと共に、車に乗り込み澪の居る中学に向かっている。


 運転手は「鳴様、最近はお友達と仲いいですね」と言ってきたので儂は「そうなのよ~……って運転手さんにもバレてたんですか!?」と言った。

 位堂さんは苦笑いで「確かに、友達は多そうに見えませんでしたわ」と呟いていた。


「なら、位堂さんだっているんですか!?」


「私は、居るじゃないそこに」


「……友達と言ってくれるのは嬉しいですけど、居ないんですね」


 位堂さんが「しょ、しょうが無いじゃない! 誰も話しかけてこないのよ!」と反論してきてるが……その喋り方と、もう少し素直になった方が良いと思うのじゃがな。

 運転手さんはバックミラー越しに笑顔で居るのがわかった。


「香菜様も、最近は鳴様と話すのが心の底から喜んでいるようで。私は嬉しいです」


「母が?」


「そうです……前は、鳴様が心配で笑顔でいる時が無かったくらいです」


 確かにの、記憶を見ても……鳴と話す時、笑顔に居る時は無かった。心配や寂しい表情をしていた。

 最近は笑顔で、楽しそうにしている。積極的に母から話しかけてくる時もあるくらいに。

 位堂さんは静かにその話を聞いていた。


「どうしたの?」


「い、いぇ……家の事、咲葉先生に少し聞きましたわ」


「そうなの? 誰にも言わないでね……母も頑張ってるから」


 聞くと、位堂さんは答えた。その事に関しては、儂も怒ったが……。怒る前に咲葉先生が怒ってくれたようじゃがの。

 運転手さんは「何の話ですか?」と聞いてくるが、儂は「ちょっと学校で問題があったのよ」と無難な答えをした。


 そんな話をしていると、澪の通っている学校に着いた。

 儂は降りていくと、何時もの様に澪が校門で待っていた。


 歩いて行くと、澪がこっちを見つけて走って来て抱きついてくる。それを儂は受け止め、頭を撫でる。


「妹さんも可愛いんですのね」


「お姉ちゃん、お友達?」


「そうよ、挨拶しなきゃ」


 車から降りてきたのか、後ろから位堂さんの声が聞こえた。澪が聞いてくるから儂は挨拶するように言うと。

 澪は、儂の腕から離れ……位堂さんに「こんにちわ、花咲 澪です」と頭を下げた。

 位堂さんも「こんにちわ、位堂 恋香よ」と挨拶していた。


「それじゃ、家に帰りましょうか」


「は~い」


 儂と澪、位堂さんは車に戻り乗り込む。車は後ろに3人……左から儂、澪、位堂さんの順に座っている。

 車に揺られながら、澪と「今日の授業でね……」という、今日の学校であったことを話したり。位堂さんと澪が「中学って懐かしいわね……」「位堂さんの中学時代気になります……」と仲良くなったようじゃの。


 家に着いたので、儂ら3人は車から降りると……琴葉が走ってきた。


「お嬢様、お帰りなさいませ!」


「琴葉、ただいま」


「少し、お邪魔するわ」


 気づいていなかったのか、びっくりしていた。琴葉は「これは、位堂様……この度お越しいただいて……」と言ってる途中で位堂さんが「硬い挨拶はいらないわ」と言うと。琴葉安心した様子になった。

 琴葉は「少し準備がありますので……失礼します」と一礼して小走りに中に入っていった。


「どうしたのかな?」


「本当にこういうの、詳しく無いのね」


「どういうこと?」


 儂は頭に疑問符を浮かべていると……位堂さんが「私、一応これでも大金持ちの娘よ?」と言ってくるけど。儂は「それがどうかしたの?」と言うと……溜息をついて。


「鳴さんには、そのままでいて欲しいわ……」


「???」


「お姉ちゃん、家の中に入ろう?」


 重要な事なのか分からないため、首をかしげるしかなかった。どうしたのかの? お金持ちが来ると何が不味いのか?

 澪によくされ、家の中に入っていく……と中は騒然となっていた。


「あ、もう来ちゃった!」


「整理して、あぁ~もぅ! 事前に分かってたらやるのに!」


 メイド達は疾走していた。モップを引いたりして掃除をしたり、家具を移動したりしてる。

 どうしてこうなっておるのかの? 位堂さんは「やっぱりこうなってますのね……」と溜息と共に呟いていた。

 千尋がこっちにやってきて、一礼した。ちょっとこっちを見て、眉をひそめてる。


「位堂様、ごきげんよう……今掃除中ですので、鳴様のお部屋でゆっくりされては?」


「え、えぇ……そうするわ」


 儂は、のんびりとお話して終わりかな? と思ったけど、何か起こる予感は当たったようじゃの……。

 澪と別れ、儂は部屋に案内する。

 部屋に入ると位堂さんが「意外と片付いてますわね」と呟いていた。なんじゃ、儂がそこら辺に本でも置くと思ったのかの?


「でも、この本の数は異常ですわね……」


「これ? 全部読んだよ~」


「それを全て読む貴女も凄いと思いますわ……」


 位堂さんは、部屋の半分が本棚……そこにぎっしり詰まっている本の方を向いて呟いていた。

 凄いと儂も思うわい……しかも、記憶に知識として残っとるんじゃ。儂なんて、思い出すだけで危ない時あるというのに。


「1冊見させて貰いますわ」


「いいですよ」


 ペラペラという音が聞こえるが、数ページ捲った後にパタンッと閉じて……こっちを向いた。どうしたんじゃ?

 位堂さんが「理解出来ましたの?」と聞いてきたので「え? あ、はい……やってはいませんでしたけど」と答えると。

 儂の肩を掴んで……「貴女、テストどんだけ手を抜いていたの?」と聞いてきた。痛いのじゃが……。


「えっと……8割くらい?」


「本気で解いてないのが、今分かったわ……」


 そう言って、肩から手を離し儂が座っているベットに腰掛けた。

 だって……健全な、の? キャッキャウフフを求めるなら、普通を装わないと……勉強出来るんだ~。とか、何であの子だけ……みたいな目で見られるからの。


 儂等はその後、千尋が呼びに来るまでのんびりとした時間を過ごした。

次は、11月2日更新予定です!

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