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お爺ちゃん、仲直りする

最後誤字修正

 儂は、体育の授業が終わって有無を言わさず……穂村と雫に保健室に連れられた。


 保健室に着くと、先生が「どうしたの?」という声が聞こえた。

 穂村は「少し休ませてたくて~」と雫も「少しお願いします」と言っていた。


「私は、大丈夫なのに……」


「そう言って、あの時だって無理しただろう」


「うっ……だって、あれはしょうが無いじゃない」


 保健室の先生は「何のこと?」と首を傾げていた。穂村も「それは私も気になるね~」と口にしていた。

 先生はともかく、穂村には言っておかないと行けないの。儂は雫の方に視線を向けると、雫は頷いて「穂村には言っておくか」と言っていた。


「先生も、その……秘密にしてくれると嬉しいです」


「分かったわ」


 ちなみに保健室の先生は、黒崎 蒼根。割と影が薄くて忘れ去られる事が多く、ベットで寝てた生徒が「幽霊!」と言って飛び出す程。顔も普段から遅くまで起きてるためクマがたえない。だけど、優しい先生で度々逃げ込んでいた鳴の事を慰めていた。


「噂にはなっていたけれど、花咲さん変わったわね……」


「そのキッカケみたいな物ですよ……今から話すのは」


「お、それは楽しみ~」


 雫と儂は話した。まぁ……転生の事までは言わないがの。雫が知らない部分を、儂が追加で説明していく。状況とバスの横転、女子生徒全員の避難について。

 穂村は頷いて「なるほどね~、両親が意味深に。花咲さんをフォローしてあげてとか言ってた訳か~」とうんうん頷きながら納得していた。


「旅行前の花咲さんとは、偉い違いね」


「なんですか~、その今までは……ただのデカい癒やし動物みたいな目は~」


「そこまでは言ってませんし、目はどうしようもないけどね」


 そんなやり取りしつつ、穂村は「これで少しは、あそこにいる人も納得したかな?」とドアの方を見て、呟いていた。

 扉の向こうに誰か居るのかの? すると、廊下を走る音が聞こえた。


「ありゃりゃ、これじゃまだ少し先だ~」


「誰か居たの?」


「秘密だよ~、その内分かるから楽しみにしてね~」


 穂村は意味深の言葉を吐きつつ、ずっと立ったまま話をしてた儂の腕を掴み。ベットに座らせられた。

 雫は「本人の為にも言わないでおくか」と言っている。まぁ教えてくれなそうじゃし、のんびりしていくかの。


「迎え呼んでそのまま、帰ろうね~。鳴~」


「大げさだって言ってるのに~」


「秘密の話は分かったけど、ここに来たのはどうしたの?」


 穂村も意外と心配性じゃの、黒崎先生が聞いてくると2人は口を揃えて「無理するなと医者から言われてる」「あの時から医者に止められてる」と言った。

 黒崎先生も少し考えて「それは、止めないとダメ」と答えた。大丈夫だと言っておるのに……。


 実は、入院中……本当に真面目な表情で先生が「体に見合っていない動きをすると、体が耐えられなくて壊れますよ」と言われている。

 そう、儂はあの時先生に言われたのは……止めるとかじゃなく、するなと念を押されている。


「鳴~、今一瞬嘘ついてる感じがした~」


「気のせいですよ~」


「そんな事を言っても信用ならない」


 2人はいぶかしげに見てくる。何故かこの2人には敵わないの……。

 黒崎先生は「仲が良いようでよかった」と安心したような表情になっていた。



 あの後、穂村と雫が部活があるため……迎えが来るまでのんびりとしていた。

 黒崎先生も「来るまでゆっくりしているといいわ」という事なので、黒崎先生と話をしながら待っていると。

 突然、扉が開いた。


「花咲さん!」


「え? はい?」


「テストや体育の件、ごめんなさい!」


 儂は勢いに押されるままで、何も反応が出来なかった。いかにもプライド高そうな彼女が謝るなんて、何かあったのかな?

 そう、位堂さんが入ってきて儂に近づいては頭を下げていた。

 儂は「ちょっと、顔を上げてよ~」とオロオロしながら言うと、やっと顔を上げてくれた。


「保健室で話していた事を聞きましたわ!」


「そうなんだ?」


「あの後、耐えられず親に電話して聞きました……中々教えないので、怒鳴ったら教えてくれたましたわ」


 あの保健室の事を聞かれちゃってたか~、と儂は思った。

 位堂さんは「バスの一件は秘密にしてくれと、親から言われましたが。これだけは言いたかったの」と言った。

 でも、と位堂さんは言って。


「テストの件は、本当に勝負したかったのですわ。何時も平均点を取っては……何も努力している様に見えないんですもの」


「酷い! 私は勉強してますよ~」


「あら、教科書で隠して本を読んでいる方がですか?」


 た、確かに……鳴の記憶を見ても教室でやっている勉強は全て、適当に流して本を読んでいる。

 位堂さんは「案の定、運動の方にも隠しているようですわね」と言って、面倒事が起きそうな気がする……。


 その時、携帯が鳴って迎えが来たようだった。

 位堂さんは「私も花咲さんの家に行ってもいいです?」と聞いてきたので、儂は「いいですよ」と答えた。

 特に問題も無いはずだけど……なんかこう、儂の屋敷が賑やかな事になりそうな気がするの。


 儂と位堂さんは、忘れ去られている。黒崎先生に別れを告げ、そのまま車が待つ所まで行く。

 道中、位堂さんが話しかけてくる。


「何時もこんな、目立たない場所から降りてるんですわね」


「邪魔になっちゃうし、その方が目立たないから」


「体育の授業が終わってから、あの2人の様子がおかしかったので。どうしたんですの?」


 儂はその質問には「慣れない動きをしただけですよ」と答えた。納得いってないように首をかしげるが……車が待つ所に着いた。


「鳴様……と位堂様ですね。今回はどんなご用事で……」


「ちょっと、家までお邪魔しようかと……よろしくて?」


「分かりました、澪様も乗りますのでご了承いただけるなら」


 位堂さんは「わかったわ……花咲さんって妹さん居たんですわね」と返事した後で小さく儂に聞いてきた。

 運転手は驚きながらも平静は保って「ありがとうございます、ではお乗りください」と言って、ドアを開けた。


 この後、一騒ぎある予感が……するの。

次は、10月31日予定です

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