お爺ちゃん、転生する
儂、天国に行きそびれたみたいじゃわい
儂は眼が覚めると、ボヤける視界で見た事もない。暗い空間の天井が見えた。
「どうやら死に損なったようじゃの」
身体を持ち上げると……身体は何やら動きにくく、胸の辺りも重い。
こ、これは……! 女子の体じゃ!
あるはずのものは無く、髪も異様に長く……視界がボヤけるのは、眼鏡をしていたからだった。
なんじゃこれは、このムフフな体は……けしからん――
――数分後
ふぅ何とか、落ち着きを取り戻せたわい。
ちょっと鼻血を出してしもうたが、この子がポケットティッシュ持っててよかったわい。
さてと、儂は周りを確認する。眼鏡が邪魔じゃの〜、取るか。
おぉ~、普通に見えるの……何でこの女子は眼鏡かけておったんじゃろう?
横転した、バスそして中には頭を撃ったりして血を流す女性や運転手と思われる人が気絶していた。
状況から察するに、これは交通事故かの?
対向車がおらんようじゃが……。
記憶がないかの~。
そうすると、頭の中にこの子の記憶が全て入ってくる。
なるほどのぉ。
高校2年生のご令嬢さんか、ただ両親が離婚して屋敷はあるものの母親が切り盛りしてるみたいだの。
名前は花咲 鳴
普段グルグル眼鏡をかけて本を読んでいるせいか、隠見や気持ち悪いなど言われているらしい。
顔は美人なのに勿体無いの。
また、身に覚えのない疑いをかけられ悪戯などを疑われて。さらに、コミュ障気味なので全然否定できなくなり。
学園内の評価は悪い。
難儀な子じゃの。
儂の昔は――
――数分後
おっと、何時もの癖で語ってしまったわい。
バスの横転から何人か見えるが……刀を持ってる少女もおるの、ん? 意識があるようじゃが……。
お客さんが来ておるの、主犯なら大歓迎なのじゃが……。
次の更新は9月1日を予定してます




