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お爺ちゃん、テストで勝負を挑まれる

少し表現変えました

誤字修正

 あの後、先生が来て英語の授業が始まった。


 儂……英語なんて全然知らんのじゃが、知識量が半端無いのかスラスラと英語を読み解き、答えを導き出している。本当に思うのじゃが……儂いらんくないかの?

 出された問題を解き終わり、問題集を睨めっこする振りをして……先生の話と指された生徒の答えを聞く。


 因みに、今回の問題は「I am from a distant country」、答えは「私は遠くの国の出身です」なのじゃが……。


「この問題を……浜田!」


「はい! 私が国です!」


「いや、お前が国なのかよ……凄いなお前……。違うからな? 遠藤!」


「はい、国の出身が遠くの私です」


「お前らに何があったんだよ!? 何でお前ら2人して誇らしげなんだよ……、答えを和多田!」


「はい、私の国が遠くに出身しました」


「何で読めてんのに、順番を間違えるんだよ!?」


 流石にこれはわざとじゃないか? いや、2人の生徒は凄く誇らしげな所を見ると否定出来ないかもしれないの……。

 儂は、少しクスッと笑っていると先生に当てられる。


「花咲、笑っている暇あったら答えてくれ……」


「あ、はい。私は遠くの国の出身です……で合ってますよね?」


「あぁ……流石に3回連続ボケられると、身構えちまうがまともでよかった」


 生徒の方からも「おぉ~!」という声が聞こえるが、ほぼ先生答え叫んでおったぞ……。儂は「ボケた方が良かったんですか?」と聞くと、肩を落としながら「馬鹿は3人だけでいい……」と呟いた。


 という事で、授業が終わって……次の授業の準備をしていると、位堂さんが近づいてくる。

 儂の前に立つと、腰に左手を当て……右手で儂を指してくる。何、どういうことじゃ……儂なんかしたかの?


「花咲さん!」


「は、はい~!?」


「夏休み前のテストで勝負ですわ!」


 え? 何で勝負しなきゃならないの? 周りのクラスメイトもざわざわし始めているし、儂は「嫌です」と答えると……位堂さんは「私の言うことが聞けないとでも!?」と良くわからない事をいいだした。

 雫はこっそり儂の方に来て、借りていたノートを机に置いていた。助けて欲しいのじゃが……。


「なら、こちらにも考えがありますわ! 貴女の家を売り飛ばしてあげますわ!」


「……本気で言ってるの? なら、容赦はしないですよ」


「え、えぇ……本気ですわよ! まぁこの私に勝てる訳ありませんけどね」


 雫は隣に何故か居た、穂村と目を見合わせて……「し~らない」と口にしていた。

 ただでさえ、母は仕事に追われ帰りが遅くなり……澪と一緒に疲れた母を慰めておるのに。儂は珍しく怒っていた。お金持ちだからといって容赦はしないぞ? その睨みに位堂さんも怯んでいた。


「ほら、鳴~。先生来るから、その顔を戻して~」


「わはったから、ほほをひっぱらゃないで~」


 穂村に頬を横に引っ張ら、手をブンブンしながら講義する。それによって緊張が溶けたのか、位堂さんはそそくさと自分の席に戻っていった。

 穂村が頬から手を離し、雫が近づいてきた。


「怒った鳴、初めて見た~。人を殺しそうな目になってるんだもん~」


「だって、しょうがないじゃない……言って良い事と悪い事があるわよ」


「だからって殺気はやり過ぎだ。怖がらせては、面倒が起きても言い訳できないからな」


 儂は「むぅ~」と頬を膨らますと、穂村が突いてくる。雫は呆れた様子で手を横に「やれやれ」と溜息と共に言っていた。

 周りのクラスメイトもピリピリした雰囲気が無くて、ホッとしている人もいた。

 先生が着いた時に「この何とも言えない雰囲気は何ですか?」と聞いていたのが、印象に残った。


 昼休みになって、2人の女子生徒が近づいてくる。

 どうしたんじゃろうか、何か言いたいことでもあったのじゃろうか……。


「花咲さん、さっき怒っていたけど。なんて言われたの?」


「ちょっと……それは言えないです」


「そう……何か手伝える事あったら、言ってね?」


 そう言って、2人の女子生徒は「あ、名前を言わないと分からないわね」「そうね」と言って。儂に向き合って、名前を言ってくれる。

 凄くいい人達ばかりじゃの~、こればっかりは手加減無しでやらなければならないの。


「私は、二階堂 姫菜。テストは前10位くらいね……位堂さんは1位だし……」


「ヒナ、多分大丈夫な気がするよ。私は……村雨 奏、順位は下から数えた方がマシ」


 うん、何とも言えないの。協力してくれるというのなら、勉強会とか開いたほうがいいかもしれんの。


 二階堂 姫菜、実は有名のお金持ち……だが、本人は知られたく無い上。入院の際、お礼に来た両親の娘で。村雨さんと静かに喋っている様子がある。アダ名はヒナ。

 村雨 奏、実は様々な所で頭が効く人物。また、お嬢様なのではという噂もある。また、同じくお礼に来た両親の娘。各部長と仲がいいらしい。アダ名はカナ。


 どうせならと、雫と穂村も誘って昼食を取ろうと声をかけた。


「2人も追加……友達増えたんですね」


「鳴は~、騒ぎの中心になりそうで。面白いんだよね~」


 という事で、肩まで伸びたストレートの二階堂さんと黒縁メガネをかけたショートの村雨さんが加わって。儂達は昼食を取ることにした。

次は、10月22日予定です!

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