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お爺ちゃん、ラブレターを貰う

突然始まって、突然終わる!

 儂は昨日と同じ様に、靴箱に向かい。手を掛けて開けてみた。


 そしたら、ピラっと1枚の手紙が入っていた。そして思った一言、なんじゃこれ?

 そう、お爺ちゃん世代には無かったラブレターだった……。なので反応が変になってしまった。


 とりあえず、儂はカバンにしまって。教室に向かう。

 なんだか、周りがざわめいている様子じゃが、何かあったのかの?


 教室に着いて、扉を開けた瞬間。


「花咲さん! ラブレター貰って本当!?」

「誰? 誰からの?」


 と2人の女子から迫られてしまった。儂は怯んでいたため、勢いに飲まれながら「ま、まだ見てません」と言った。2人は「えぇ~、見ようよ!」と詰め寄ってくる。ちょっ……儂にそんなに詰め寄らんでも……胸が、胸が当たって柔らかい感覚が……。くっ! 儂が男じゃった時は……。

 と、そんな事を言っている場合じゃなかったわい。


 どうせなら、このまま開いてみるかの。

 取り出そうとした時に、昨日の2人が教室に入ってきた。


「花咲さん、ラブレター貰ったって本当?」


「やぁ、花咲さん。私も興味あるな~、見せてよ」


 見ようとする人が増えてしまった。桐花さんはご愁傷様と言いたげな声だが、沼田さんはニヤニヤとして昨日の様に悪ふざけの様な顔じゃ。

 2人が来ても、先程の2人も負けじと私に駆け寄る。あの……押しくら饅頭のような状況なんじゃが……。儂的には、眼福なのでいいのじゃが、少し対応に困ってしまうの。


 先生が来て、お開きとなったのじゃが……これじゃ昼でも色々な人が来そうじゃな。


 午前の国語の授業。


 漢字は嫌いじゃないのじゃが、難しいのは……と思ったのじゃが、記憶が全部解決してくれるので簡単だった……。

 何時もの様に、先生が誰かを指名していた。

 内容は「言う」の謙譲語なのじゃが……。答えは、申し上げます。じゃぞ?


「この問題は、瀬戸!」


「光栄に思え、私が喋る事を!」


「何様だ? あぁん? 次、賀都」


「殿、急用を申し上げるでござる!」


「殿は誰だ? 何処の忍者だテメェは! ……はぁ次、百歌」


「はい、申す! です……ドヤッ」


「ハズレでは無いが、ドヤ顔したから。後で殴る」


 結局、答えた3人全員殴ってました。3人は机に突っ伏して、頭にタンコブが出来ていた。ある意味2人目は正解な気がするのじゃが……。面白いから儂はクスッと笑っていた。

 その様子を見て、殆どの人が儂の方を見ていた。先生すらも。


「花咲、お前笑う所初めてみたぞ?」


「そうですか? ふふっ、面白いの好きですよ」


 先生も毒気を抜かれてしまったのか、この後指名するが全員が巫山戯るので。殴るまでも行かなくても全員に叫び散らしていた。

 相変わらず、このクラスは面白いの。男子は若干熱のこもった視線を向けていた。


 昼休みは、のんびり購買で買って、昨日居たベンチに座って。ラブレターを読んでみた。

 内容は書いてある事は理解出来ないし、儂にとっては直接言いに来ないんじゃ? という感じで、儂は放課後の体育館に来てくれというので。そこに行って講義しようかの。


 午後の授業が終わって、放課後になった。


 儂は、とりあえず時間前に体育館に向かっていった。何か言われるとボロが出そうだしの。


 着いた時には、夕日が体育館の床を茜色に照らしていた。そこに、1人の男子生徒が居た。イケメン風でありながら、少し偉そうで。それだけで儂は帰りたくなった。

 あれ本当は、果たし状か何かだったのかの?

 儂は、とりあえず歩いて男子生徒の元に歩いて行く。


「お、来た来た。花咲ちゃんだよね、こんな所に呼び出してゴメンね」


「どういうこと?」


「少し眠ってもらう」


 その瞬間頭に衝撃が走り、儂は意識を失った。



 目を覚ますと手足は縛られ、口にはタオルが噛まされていた。

 なんじゃ、頭が殴られたりしたせいか。働かないが……儂はしてやられたかの。視界が少しずつ晴れてくると、あるホームルームの先生……諸刃先生が男子生徒と話をしていた。


「あ……バ……事は、こいつがやったみたいだしな」


「ご苦労、こいつをヤッてから売り飛ばすか」


 なるほどの、予想は出来ていたがこんなに早く。事を起こすとは思わなかったの……後ろから殴られるとは儂もまだまだじゃな。

 取り敢えず、この腕の拘束をどうするじゃが……ガムテープでグルグル巻きにされているから、どうしよもないがの。

 うむ……まずここは何処じゃ? 周りを見るに、体育倉庫か何かかの?


「お、起きたか。お前のせいで俺の計画が、台無しになったからな。お前にこれから経験させてやるよ」


「……」


 儂は睨み付けるが、タオルを噛まされているため喋る事も出来ない。手足も拘束されてちゃ何も出来ないがの。

 目を配らせると、私の背中に立てかけられてるバスケットボールを入れる鉄製のカゴが、錆によって外れたのか鋭い刃物になっている場所があった。

 気づかれないように、腕で少し動かし……ガムテープを傷をつけていく。


「ふっ、何をするつもりかは知らんが、さっさと俺にヤられろ。」


 この先生、外道じゃな。儂の服に手をかけ、服を脱がそうとする。

 ガムテープが丁度良く切れたので、儂は油断している。顔に右ストレートを入れる。ただ筋力があるわけでは無いので、さほど痛みはなさそうだった。


 もうダメかと思った時。


「花咲さん!」


「あははっ、やっぱりこんな事になってたね~」


 桐花さんと沼田さんだった。儂は、少し安心した。後ろに、体育教師の……咲葉先生が腕をポキポキならしながら、黒い笑顔と共に入ってきた。


「諸刃先生? ここで何してるんだ?」


「あ? 外の奴らはどうした?」


「それよりも、ここで何をしてるんだと聞いてるんだ」


 凄い、押している。儂も少しくらい鍛えなきゃダメじゃの……、何故か眼からは涙が流れた。

 そうか、この体で恐怖を感じて思うように動けんのか、腰が引けてる様に動かしんし。


 あの後、諸刃先生が抵抗したが。咲葉先生の鉄拳で一撃で沈んで、儂は救出された。

 何故ここが分かったのか儂が聞くと、ラブレターの主が丁度。体育館に来ていたらしく、運ぶ瞬間を見ていたそうで、真っ先に咲葉先生に話をしたため探すのが早かったらしい。

 そして、桐花さんと沼田さんは私を探していたらしく。途中で先生に合い一緒に探したらしい。


 諸刃先生は、修学旅行帰りのバス事故を引き起こしたと人物だと、儂が言うと。警察に引き渡された。

 儂は割と大丈夫そうだと言うことで、家に咲葉先生の車で送迎されていた。


「すみません、送ってもらって」


「構わない、今回の事は未然に防げなかったこっちのミスだ」


 咲葉先生はそれに、と付け加えると。


「お前の母親と親戚なんだ。今回の事は、私も責任を感じてな」


 そうじゃったのか、だから体育の授業などで、助けてくれたのじゃな。

 儂は、体が緊張で疲れたのか。眠ってしまった。

次は、10月4日予定です

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