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お爺ちゃん、寄り道をする

 儂は迎えが来たので、車に乗り込んだ。


 すると運転手のお兄さんが「澪様もお帰りになるそうなので、そちらに向かっていいでしょうか?」と聞かれたので、儂は「いいですよ、中学に行くことが無かったから。むしろ楽しみ」と言うとお兄さんが笑ってくれた。


「本当に変わりましたね。前は声を掛けても適当に返されてましたから」


「それは、言わないで! 私だってなんであんなに本を読んでいたのか」


 お兄さんは「今は、ご立派ですよ」と言ってくれた。ふむ、このお兄さんは優しい系かの? 記憶で見ていてもただの運転手という印象だったとは違い。凄く、接しやすい性格してるため儂は着くまで喋っていた。


「さぁ、お嬢様着きましたよ。どうせなら澪様を迎えに行ってみては?」


「行ってみますね」


 車は邪魔にならないように、止められる駐車場に止めるため。少し歩きになってしまう。

 儂は、下校する生徒を見ながら澪を探す。周りの生徒は「あの姉ちゃん、誰?」とか「凄く綺麗~、私こういう人憧れる!」など言葉が聞こえてきた。

 儂はというと……。なんじゃこの可愛い子達は! ロリコンでは無いが……女子はこの年でも可愛らしくていいの~。おっと、澪を探せばならぬのだったな。


 儂が校門に向かうと、澪が誰かと歩いていたので儂は手を振って見た。

 澪はこっちに気づいた様に、儂の方に走ってきた。喋っていた女子生徒2人も一緒に走ってきた。


「お姉ちゃん! 今日はどうしたの?」


「ちょっと、帰りの時間が合ったから来ちゃった」


 儂は澪を抱きしめて頭を撫でながら、笑顔で答える。一緒に走ってきた2人は驚いて「ほわ~……」という風に口を開けていた。

 澪は可愛いの~、撫で撫でしていると。正気に戻った2人が話しかけてきた。


「「あ、あの!」」


「どうしたの?」


「花咲さんのお姉さんですか?」


 儂はその問に「そうですよ」と言うと、2人はまた口をあんぐり開けていた。

 澪は幸せそうな顔から戻ってくると慌てて私から離れ、2人に私を紹介してくれた。その紹介の仕方が……ちょっと恥ずかしいかったの。


「バスを横転させた犯人を捕まえて、更に! 自分以外大怪我をさせなかった。英雄です!」


「ちょっと……、私はそこまで凄い人間じゃないわ」


「「す、凄~い!」」


 あ、2人まで本気にしちゃってるの。儂は「私1人でやったわけじゃないし、大きな被害は無かったけど」と言っても、キラキラな目をした2人には届いていなかった。周りの生徒も私を見ているしの……まぁ悪い気はせんがな。


「ほ、ほら。帰るわよ澪」


「は~い、カナちゃん。タナちゃんじゃあね~」


 澪が、手を振っていた。儂も一緒に手を控えめじゃが手を振った。

 運転手のお兄ちゃんが「遅かったですね」と言われると、私が言おうとしたのを遮って、澪が「お姉ちゃんを自慢してました!」と言ってしまった。儂は苦笑いするしかなかった。


 そして、澪は「そういえば、お母さんが食材買ってきてとメールで言ってたよ」と言っていた。儂にはなんで来てないのかの……。そういえば、機械はあまり得意じゃないとか言ったような……。


 運転手のお兄ちゃんが「1回屋敷に戻らなくてもいいのですか?」と聞くと澪は「うん! お姉ちゃんとお買い物したい!」と言ってくれた。なんじゃ儂と行きたかったのか。大歓迎じゃ。



 商店街は車が通れないので、歩きで向かう事になる。ただ何時もと違う商店街らしく。凄く、道が分からなくなるらしいの。まぁ儂が覚えておれば問題ないじゃろ。

 商店街は盛り上がっていた。特に魚屋、肉屋、野菜屋が凄く。通りかかると声かけられて。


「お、そこのお嬢ちゃん達! これどうだい? 新鮮で美味しいよ!」


「どれですか? あ、これはいい魚ですね!」


「今日は、この位だけどね……3割お得にしてあげるよ!」


 澪が受け答えしている、ただ値段が凄く高い事に気がついていないようだったので。儂が「元の値段を教えても貰っても良いですか?」というと、明らかに動揺した様子で「だからこの位で……」というけど。

 儂が「違いますよね?」というと、店のお兄さんは「……はい、本当は」と言って値段が1000円も割高されていた。


 澪はその様子を見て儂を見て、キラキラしていた。周りの商店街の人達も「お、すげぇな姉ちゃん!」「あのインチキ魚屋を黙らせやがった!」「内に来て、何か買ってけよ!」と言う声が、響き渡っていた。


 他の店の人に「オマケだ!」と言われ、何時も買う量の倍の重さらしい。2人で頑張って運んでいった。


 家に帰り、母に「どうしたの? こんなにいっぱい」と言われたので儂達は、商店街の出来事を話すと。「流石私の娘ね! 見所が違うわ」とウィンクして親指を立てていた。可愛い……。


 母の手料理は凄く美味しく、儂より美味いんじゃないかの。

 儂は15人も育てておったから、料理も出来るんじゃよ。


 朝、昨日と同じように用意して、学校に車で向かう。

 昨日よりは視線が無いため儂も凄く歩きやすかったの。それにしても、少しずつこの体に慣れて来たのか。自分の体に興奮をしなくなってきたのじゃが……! まだ! 儂自身が女子に興奮しているので、出かけそうじゃ。


 そういう葛藤共に学校に向かっていった。

次は、10月1日予定です

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