表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/53

お爺ちゃん、走る

タイムが全国大会(多分)レベルになってたの修正

 儂達は、体育の授業を受けている。


 男子と女子に別れ、準備運動を始める。

 2人1組で行うため、儂は誰か居ないかと迷っていると。


「私とやらない?」


 短いポニーテールにした。儂より少しデカい凛々しい顔つきの女子が近づいてきた。

 えっと、この女子は……。


「名前知らないの仕方ないか、私の名前は沼田 穂村よ。よろしくね」


「私は……」


「花咲さんでしょ? 見た目変わっててみんなびっくりしてるんだから」


 儂は必死に頭の中を探すけど、思い出せないの。本当に知り合う事は無かったみたいじゃの。

 ただ、こっちを見て首を傾げていた。


「雫が言う程、鍛えてる様には見えないんだけど。能ある鷹は爪を隠すと言うし……うん」


「私はそこまで運動は得意じゃないですよ……」


「それは嘘だね、貴女の歩き方1つ見ても。全身に負担を掛けなように歩いているのが分かるもん」


 うむ、歳をとる度に体を悲鳴を上げてくるからの。動き1つを洗練させて、体の負担を抑えたり。色々鍛えておったからの。孫も希望すれば、一緒にやっておったし。

 そのお陰か、腰を折ってしまう事無く。病気を患う事もなく生涯を終えられたからの。まぁこの様に女子になってしまったがの。


 そう思いつつ、ストレッチをする。


「う~ん、体が硬い~」


「ほらほら、その豊満な胸を揺らしながら頑張るんだ」


「変態みたいですよ~」


 体硬いの、ジョギングした時も割りとすぐ息切れしてしまったからの。意外とこの女子は押しが強い。体も柔らかく、スポーツをメインにやってるのかもしれんの。

 そして、ストレッチする度。胸が揺れるしょうがないがの~。男子の視線がみんな女子の方に向いて、手を止めてる。

 それを見た教師が怒鳴り、ちらしている。


「あはは、相変わらず男子はこっちを見てるんだね~」


「あまり見られていいものでは無いですよ」


「そうだね、かくいう私も見られるのは抵抗ある……けど!」


 そう言って、ストレッチが終わって立ち上がった儂の胸を揉みしだいで来た。

 なぬっ! ちょっとそれは、流石に恥ずかしいってレベルじゃないぞ! 自分の体に興奮してしまうが……、儂は何とか振り払い沼田さんを睨みつける。


「な、何するんですか!」


「いやぁ~、眼福眼福。私にも少し分けて欲しいくらいだよ」


 全く悪びれていないの。周りを見ると、何故かこっちにみんな視線を向けていた。一部の女子は嫉妬の篭った視線。また一部は、自分の胸と見比べて落ち込んでいた。

 そんな事をしていると、教師の咲葉先生がやってきた。


「終わったか」


「初めに、100m走をやってもらう。その後……」


 なるほどの、まぁ儂はこの体でどのくらい走れるかみたいからの。本気で走る訳では無いし構わん。

 すると、儂の脇にいた。沼田さんが儂に言ってくる。


「私と勝負しない?」


「嫌です。無理しないように言われてるんですから」


「残念、今回は雫と競う事にするか」


 そういえば、この2人はよく体育の授業で。抜きん出てタイムを出していた。その内、部活に強制連行されそうじゃわい。

 儂……この子は帰宅部じゃからな。

 そう思っていると儂だけ置いてかれそうなので、慌ててみんなについていく。


「それじゃ、順番にやっていく。花咲、あまり無理して走るなよ」


「はい」


 儂の事を結構、気にかけてくれるんじゃな。何かあったのかは、思い出せそうないが……好意に甘えようかの。

 次々に走り、タイムを記録していく。女子の平均タイムは15秒くらいだ。

 沼田さんと桐花さんの番になる。

 周りの女子が「あの2人はどっちが勝つのでしょう」とか「2人に勝てる気がしません」など呟いている。


 開始の合図と共に2人が走る……。


 沼田さんの方は最初は控えめに走り、雫さんの後ろ辺りに着く。

 一方、雫さんは一定のペースで走っていた。ただ、少なくとも普通の女子より早かった。

 沼田さんが一気に追い上げをして、ほぼ同着となった。


「お前ら相変わらず、タイムが違うな」


 咲葉先生も溜息つきながら、呟いている。タイムは両方とも12秒台。女子のタイムを上回っていた。


「次、花咲と……」


 そう言って儂は、開始の合図と共に走る。意外と速度は出なかったが……まぁ一定のペースで走っていたため。そこそこのタイムだ。

 15秒台だから可も無く不可もなく。


「いやはや、本調子でなくてそれなら。同じタイム行けるんじゃない?」


「無理ですよ、一緒にしないでください」


「穂村もう少し、自重して」


 儂が終わって、みんなが集まっているところに戻ると。2人が話掛けてくる。この2人は仲良しなんだろうか。

 美しい友情なら儂は大歓迎じゃ。

 それにしても、少し鍛えんと本当にヤバイかもしれんの。痛まない程度に走ったとはいえの。


 授業は続き、午後の授業が終わり放課後になった。

次は、9月25日予定です

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ