表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
目覚めたら地下室!?~転生少女の夢の先~   作者: そらのあお
小話~○○の日記~
80/83

もらえる物はもらいます

ワシはメイソン。

ドワーフ族でA級の冒険者じゃが、鍛冶屋もやっとる。

冒険者の依頼が入ったら息子と弟子に任せとるが、最近の若いもんは既製品の真似事しかせん!

新しいもんを作る事もせん!

ヤル気がないんじゃ!

言ってやりたいが強制されて作っても、いいもんはできんからな。

じゃから、一流の冒険者はワシがおらんと店に寄り付きもせんが、ワシは気に入った奴にしか作らんからのぉ。

最近は、違う意味でも相手を選ぶようになったわい。

理由は材料じゃ。

フィアフルとフェリーチェが、たまに‘いつもお世話になってます。これ、どうぞ’と持ってくる材料。

ある日は、


「メイソンさん、コレどうぞ」


「ん?コレは……見間違いかのぉ……ドラゴンの鱗に見えるんじゃが」


「わぁ~見ただけで分かるんですか?」


「それ、僕の鱗だよ!」


「一杯あるんです。もったいないから、どうぞ!」



分かっとるのか?黒龍の鱗じゃぞ?そんなホイホイ渡すもんじゃないわい。

まぁ、くれると言うなら断る理由はないがの。

またある日は、


「メイソン、コレもらったんだけど、要らないからあげる」


「……見間違いかのぉ……アースドラゴンに見えるんじゃが」


「やだな~メイソン、アースドラゴンだよ!押し潰したから傷は少ないからね」


価値からいえば、黒龍の鱗の方が高いのじゃが、そもそもドラゴンの材料は全て貴重なんじゃ。

何度も言うがホイホイ渡すもんじゃないわい。

もらうがな。

そういう事が何度もあって、ワシのアイテムリングには貴重な材料が、かなり入っとる。

じゃが、息子や弟子には絶対に触らせん!

あやつらに触られたら、材料が泣くわい!

触らせろとしつこい息子たちに、そう言ってやったんじゃ。

それでも食い下がるから、オリジナルの武器なり防具なり魔道具なり、完成させたら触らせると約束したんじゃ。

しかしな、今だに合格したもんはおらん。

何故なら、フェリーチェとフィアフルが来る度に、息子と弟子の心を折るからじゃ。


「ダサいね」


「それ必要ですか?」


「何を作りたかったのさ?」


「買う気にならないかな」


「材料の無駄だよね」


とも言っとったな。

終いには、


「こうした方がいいよ」


と言って、あやつらより凄いのを作ってしまうんじゃ。

何度も何度も心とプライドを折られとるが、諦める気配は今のとこはないのぉ。

見た事がないくらい、ヤル気に満ちとるわい。

さて、息子と弟子が合格するのはいつになる事やら、気長に待つかのぉ。

しかしまぁ……フェリーチェにフィアフルよ、何でもかんでもワシに押し付――持ってくるのは、どうかと思うんじゃが。

今度は何を持ってくるやら。

もちろん、もらうがな。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ